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今夏はさらなる酷暑へ 「スーパーエルニーニョ」でまたコメ高騰か 専門家「以前の気温の水準には戻らない」と警鐘 そのメカニズムは 専門家解説
04/23 19:52 配信
気象庁は21日、7月までの気温について「全国的に高温となる可能性が高い」と発表しました。
気象庁・異常気象情報センターの経田正幸所長は記者会見で「(気温が)平年よりも高い。季節の進みが早く、普段よりも夏日、真夏日が早く訪れるということになります」と語りました。
ことしは「スーパーエルニーニョ」の発生が予想されています。日本への影響はあるのでしょうか。異常気象に詳しい三重大学大学院の立花義裕教授の解説です。
各地で季節の進行が早くなっていて、4月にもかかわらず気温の高い場所が多くなっています。
北海道旭川市では21日、観測史上最速で桜が開花しました。気温も高く、静岡市では4月としては19年ぶりに気温30.3℃の「真夏日」を観測し、大阪市では62年ぶりに4月中旬に4日連続の真夏日となるなど、各地で異例の暑さが報告されました。
気象庁の5月から7月にかけての3か月予報では、全国的に高温が予測されており、熱中症のリスクが高まっています。近年のデータでも熱中症警戒アラートの発表回数や救急搬送者数は増加傾向にあり、それぞれ2021年と去年(2025年)の比較で2倍以上に増えました。
立花教授
「猛暑とはもはや災害なのだという意識を持つべきです。ことしは、熱中症警戒アラートの発表回数、救急搬送者数ともに去年よりもさらに増えることを覚悟するべきです」
今年の猛暑の大きな要因として「スーパーエルニーニョ現象」発生の可能性が挙げられます。通常のエルニーニョ現象がペルー沖の海面水温0.5℃程度の上昇であるのに対し、スーパーエルニーニョでは約5℃も上昇する可能性があります。エルニーニョ現象は通常、日本では冷夏をもたらしますが、スーパーエルニーニョは南米海域の水温上昇の幅があまりにも大きいので、日本も暑くなります。
スーパーエルニーニョは2023年にも発生していて、世界の平均気温が観測史上最高を記録しました。
立花教授
「スーパーエルニーニョが発生するたびに地球の気温が上昇しています。一度スーパーエルニーニョが起きると、翌年以降もそれ以前の気温の水準に戻らないのです。そのため、ことしは2023年よりも暑くなる可能性が大きいでしょう」
(Q.スーパーエルニーニョが発生する頻度も高くなるでしょうか)
「昔はスーパーエルニーニョはめったに起きませんでしたが、温暖化により発生も頻繁になると考えています」
異常な暑さは食料にも深刻な影響を及ぼしています。
2023年のスーパーエルニーニョでは、高温により米が白く未熟な状態になる「白未熟粒」が多発し、一等米の比率が59.6%にまで下がり、2004年以降で最低水準にまで落ち込みました。これは、おととしのコメ不足「令和のコメ騒動」の一因となりました。立花教授は、今後コメの価格が高騰する恐れがあると指摘します。
前回のスーパーエルニーニョでは、リンゴも着色不良や日焼けの被害を受けたほか、漁業ではサケの数が前年比で67%も減りました。気候変動が日本の食卓を脅かしています。
立花教授
「日本の米は冷害に対応するためにつくられた品種コシヒカリが多い。ということは暑さや乾燥に弱く、不作になる恐れが大きいです。不作になると当然、値段も上がるでしょう。米以外の食べ物のことも含めると、猛暑は日本の食糧事情を強く脅かしているといえます」
深刻化する暑さで、私たちの日常生活も変化を強いられざるをえないとみられます。建設業など屋外の仕事は、危険な時間帯を避けるため午前4時開始といった早朝シフトの導入が検討される可能性があります。
学校では涼しい時間帯に登下校し、体育館での運動を禁止となるかもしれません。立花教授は、暑さによる「計画休業」や「計画休校」は当たり前になると予想します。
また、夏祭りや海水浴、登山・ピクニックといった夏のレジャーも、命に関わる危険から減少していく可能性があります。
立花教授
「温暖化対策は二酸化炭素の削減が最も重要です。個人でできることもありますが、人の努力だけでは限界がある。二酸化炭素を削減すれば得をする=利益に繋がるような政策を政府が打つときがきています」
(2026年4月23日 newsおかえり)
最終更新:04/23 19:52


