関西ニュースKANSAI
原油不足の影響か? 値上げラッシュ続く・・・生活への影響も ホルムズ海上封鎖続くと「電力使用規制の可能性も」 専門家が試算
04/28 16:25 配信
中東情勢の緊迫化で、原油先物価格の高騰が続いています。原油先物価格(WTI)は、27日午後4時時点で、1バレルあたり96ドルとなっています。こうした中、政府は来月1日から、石油の国家備蓄の第2弾を放出すると発表しました。
原油不足の影響で、来月以降も値上げラッシュが予想されます。今後の生活への影響について、野村総合研究所の木内登英さんに聞きました。
使い果たせないほどの埋蔵量はあるけれど…石油依存リスクを減らすため「私たちは追加でお金を払えるか」 ホルムズ海峡封鎖で原油高騰、ガソリンにとどまらない社会への影響
生活への影響 「4人家族で年間2万2500円~3万5100円負担増」と試算
ANNの世論調査で、原油価格の高騰や生活への影響について聞いたところ、「大いに感じている」と「ある程度感じている」と回答した人が、あわせて8割を超えました。木内さんは、4人家族では年間2万2500円~3万5100円負担が増えると試算しています
木内さん
「今後、電気代や運送費が高騰すると、食料品なども値上がりする可能性がある。そうなると、これよりもさらに家計負担が大きくなる」
生活のリアルの声は・・・大阪市内のスーパーマーケット社長は「包装資材が値上げと通達があった」話す
実際に現場の声を聞きました。大阪市内でスーパーを運営するフレッシュマーケットアオイの内田社長は、「レジ袋やトレーといった包装資材が、5月から2~3割程度値上げするという通達があった」といいます。
内田社長によりますと、値上げの可能性がある具体的な商品例として、「追熟でエチレンガスを使うバナナ。5月から2割程度の値上げを要請されている」「遠洋漁業の不採算化で、マグロやカツオの品薄が考えられる」を挙げていて、値上げの波は食品・食材まで波及しているといいます。
ガソリン補助金の予算 「悲観シナリオ」では6月14日に枯渇
レギュラーガソリンの全国平均価格は、今月20日時点で1Lあたり169.5円となっています。政府はガソリン価格を170円程度に抑えるため、先月19日から石油元売り会社に補助金を支給しています。この補助金がなければ1Lあたり205円に高騰していることになります。
ANN世論調査では、ガソリン補助金の支給について「続けるべき」と答えた人が66%でした。ただ、補助金の予算にも限りがあります。
木内さんによる、ガソリン補助金の予算枯渇シミュレーションです。補助金を1Lあたり170円程度になるよう、3つの補助金シナリオに分けて試算しました。その結果、予算が枯渇するのは下記の期日となりました。
・悲観シナリオ(50円/L)・・・6月14日
・標準シナリオ(30円/L)・・・7月11日
・楽観シナリオ(20円/L)・・・8月20日
木内さん
「枯渇した場合、追加の予算を投じることは可能だが、限りがある。一気に補助金をなくすことはないと思うが、例えば1Lあたり180円・190円になるように調整する可能性がある。それは「ガソリンを節約してほしい」というメッセージにもなる」
また、航空燃料の高騰を受け、全日空と日本航空は、燃油サーチャージの大幅な引き上げを発表しました。国内線でも、全日空は来年度から、日本航空は来年春以降、燃油サーチャージを導入する方向で検討を進めているということです。
さらに、電気やガスにも影響が出てきそうです。
関西電力の森望社長は「(原油高の影響を受け)早ければ6月から値上がり。本格的にはその先から反映される」とし、大阪ガスの広報担当者も「エネルギー価格高騰を受け、秋ごろに値上げが見込まれる」としています。
ANN世論調査では、節電や節約の呼びかけについて「行うべき」という人は64%で、「行うべきでない」の26%を大きく上回りました。
ただ高市総理は27日の国会で「経済活動も社会活動も止めるべきではないと思っている」と述べました。
木内さんは「今すぐ段階的に節約を呼びかけたほうが良い」といいます。
木内さん
「石油の備蓄は限りがある。どこかで枯渇してしまうが、そのときに呼びかけると「規制」になる。大きな変化にならないよう、最初は緩やかな「節約」からスタートすべき」
海上封鎖が続くと「電力使用規制の可能性」
では、ホルムズ海峡の封鎖が続いた場合は?
木内さんに予測をしてもらいました。
・1カ月後~・・・ゴミ袋、ラップ、洗剤などの物が不足したり、価格が上昇したりする。
・3カ月後~・・・石油関連商品の価格上昇、燃料費高騰で野菜なども価格上昇
・半年後~・・・電力使用の規制、自動車の利用規制(「呼びかけ」から「規制」へ)
木内さん
「『電力使用の規制』はかなり厳しい施策なので、簡単には実施しないだろう。第一次オイルショックのときに同じような規制が実施されたが、そうなると日本のGDPは1%ほど下落すると予想される」
最後に木内さんは「今回のことをきっかけに“石油依存”の経済を変え、脱炭素へと意識を変えていかないといけない」と述べました。
(「newsおかえり」2026年4月27日放送分より)
最終更新:04/28 16:25


