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潮干狩りでも危険が潜む・・・これからの季節は水難事故に要注意 専門家が警鐘を鳴らす『戻り流れ』とは?【深掘り解説】

05/08 16:45 配信

 ゴールデンウィークは潮干狩りでの水難事故が相次ぎ、死亡事故に至ったケースもありました。一見安全そうに見える浜辺のレジャーにも危険が潜んでいます。

 初夏の浜辺で多発する水難事故について、水難学会の斎藤秀俊理事が解説します。「戻り流れ」の危険性や、万が一流された場合の対処法などをまとめました。

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潮干狩り中の死亡事故、背景に「管理の曖昧さ」

 茨城県では、潮干狩り中の水難事故が相次ぎました。事故当時の波の高さは最大で4mや6mに達し、波浪注意報も出ていたということです。

 水難学会の斎藤理事は、これらの事故の背景について、海水浴場であれば閉鎖されるレベルの波でも、潮干狩りでは管理者が曖昧で、中止するための明確な基準がない点を指摘します。「そういった規制もなく、みなさん潮干狩りをしていたのかな」と分析しました。

離岸流とは異なる強い引き波「戻り流れ」とは

 潮干狩り中の事故の原因の1つとして「戻り流れ」という現象があります。

 波が引くときに部分的に発生する強い引き波を指し、斎藤理事によると「簡単に引きずり込まれる」ほど強力だとのことです。戻り流れの実験では、大人の男性が波にのまれた後、あっという間に沖へ流されました。

 この「戻り流れ」は、よく耳にする「離岸流」とは異なります。「離岸流」は沖に向かう比較的穏やかな流れ(秒速約20~30cm)で泳いでいる人が岸から離れていくものですが、「戻り流れ」は秒速約5~10mと非常に速く、足が地面についている人でも海に引きずり込まれる危険性があります。

 斎藤理事は、波が高く、急勾配の砂浜で発生しやすいとし、「全国どこでも起きる可能性がある」と注意を促しました。

波以外の注意点―「潮位」と「水温」

 安全に潮干狩りを楽しむためには、波だけでなく潮位の確認も重要です。

 斎藤理事は、潮干狩りの時間について「干潮時刻の前後1時間を目安に」と推奨します。干潮から満潮までは約6時間半と時間があるように感じられても、貝を拾う岸までの往復の移動時間も考慮する必要があると説明しました。

 出かける前に、時刻と潮位を確認することも大切です。インターネットで「潮見表」と検索すれば、各地の満潮と干潮の時刻が確認できるので、これをメモしていきたいところです。

 潮干狩りが終わった後に戻るルートの確保も大切です。

 砂浜では足元を確認しながら歩くため、想像以上に移動時間がかかります。周囲の人が少なくなってきた状況について、斎藤理事は「ラッキーではなく、自分は取り残されたんだ」という気持ちを持つことが大切だと強調しました。

もしもの時の対処法―専門家が教える「背浮き」

 万が一、沖に流された場合の対処法として、斎藤理事は「とにかく浮くことに専念してほしい」と呼びかけます。慌てて泳ごうとせず、数秒息を止めると体は自然に浮くとのことです。

 その後は「背浮き」で呼吸を確保します。 背浮きのポイントとして、以下の点が挙げられます。

・靴やサンダルは浮力になるため脱がない。
・服も空気を含んで浮き具の代わりになるため脱がない。
・空のペットボトルやバケツがあれば、お腹のあたりで抱える「ラッコ浮き」をすると安定して浮くことができる。

 また、斎藤理事は事前の備えとして、浜辺に1人では行かないこと、防水ケースに入れた携帯電話を首に提げて、海の緊急通報ダイヤル「118番」を覚えておくことの重要性も強調しました。

 この時期は気温と水温の差にも注意が必要です。地上は夏のように暑くても、水の中はまだ冷たいため、急に水に入ると過呼吸を起こしたり、沖で救助を待つ間に低体温症になったりするリスクがあると斎藤理事は指摘しました。

(『newsおかえり』5月7日放送)

最終更新:05/08 16:45

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