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「国力研究会」高市総理支持の議員連盟発足へ 背景に自民党内に新グループが次々と… 「“高市支持派”設けるのが狙い」【政治ジャーナリスト・青山和弘さん解説】
05/11 21:52 配信
高市総理大臣を支えるため、自民党内に新たなグループ「国力研究会」が発足することがわかりました。この「国力研究会」とは、どんなグループなのか。長年、永田町を取材し続ける政治ジャーナリストの青山和弘さんに聞きました。
「国力研究会」発足へ 「“高市支持派”設けるのが狙い」と青山さん
議員連盟「国力研究会」、略称は「JiB」=「Japan is Back」の頭文字です。7日、すべての自民党議員に参加を呼びかける文書が届けられました。「政策研究を通じて政府と連携しながら力強く支援し、新たなビジョンを推進するため」立ち上げられるということです。
関係者によりますと、「憲法改正など政策の実現に向け高市総理を支援」「対中外交などについて党内で議論する機会を設ける」などが狙いということで、月額300円を集める方針です。
青山さんは、こうした発足の理由や狙いについて「かりそめの理由だ」といいます。
青山さん:高市総理は今まで党内に基盤をもっていなかった。高市政権の支持率が下がり党内が不安定になったときのため、こうしたグループを作って「高市支持派」設けるのが狙い。月額300円なのも、連盟に入りやすくするため。
ここで、「派閥」と「議員連盟」の違いをみていきます。
派閥…政策集団だが総裁選では統一行動も。資金集めや人事に影響あり。現在は麻生派のみ。
議員連盟…特定の政策の実現を目指したり、知見を深めたりする集団。その数は数百ともいわれています(例:日中友好議員連盟)
(Q「国力研究会」は議員連盟の名をした派閥づくりではないか?)
青山さん:資金集めや人事に影響させるほどになるかは、まだわからない。ただ派閥は掛け持ちできないが、今回トップは麻生副総裁となる見込みで、まだ緩やかな集合体といえる。
背景に「自民党内で新たなグループが相次いで誕生」
この「国力研究会」立ち上げの背景に、青山さんは「自民党内で新たなグループが相次いで誕生していることがある」といいます。
・総合安全保障研究会:先月2日結成、旧二階派を中心に約20人が参加
・自由民主党参議院クラブ:先月15日結成、参議院議員を中心に40人超が参加
高市総理はこうした動きを警戒しているとみられます。青山さんは「2月の衆院選が背景にある」と説明します。
青山さん:まず1つは、2月の衆院選で「政治とカネの問題」はあまり争点とならなかったこと。この問題が出てきたとき、派閥を解体する流れになったが、「そろそろ禊は済んだ」という機運が強まった。
もう1つは、66人の新人議員が入ってきたこと。新人が入ってくれば、「囲い込み」が始まる。来年の総裁選に向けて、ほかのグループに取られないよう、かつての派閥の集まりにも声をかけて、グループが急に出始めた。こうした中、高市総理が何もしないでいると、自分だけ取り残されるような形になる。いざというときに党内基盤が緩くなることになりかねない。こうしたことを警戒したとみられる。
今回、発起人には、去年の総裁選挙で高市総理を支持した麻生副総裁や、高市総理と争った小泉防衛大臣、小林政調会長や茂木外務大臣ら11人が名を連ねます。一方で、岸田元総理や石破前総理らは、発起人に加わりませんでした。
青山さんは「今回は高市政権を支える主流派をつくる形式にした」「高市総理から距離のある人は発起人から外している」としています。ただ、発起人から外れた人も「会合に不参加とは限らない」ということです。
「国力研究会」の注目ポイントを聞くと、青山さんは「官邸と自民党の関係強化」と「党内の動きのけん制」の2つを挙げます。
【官邸と自民党の関係強化】
高市総理は夜の会食をほとんどしない。コミュニケーションが不足していると、自民党内でも言われている。勉強会を作ることで、官邸の政策を自民党でも後押しする狙いがある。
【党内の動きのけん制】
先ほど指摘したような党内でグループを作る動きを牽制の意味を持つ。「ここに加わって高市政権を支えなさい」というプレッシャーにもなり得る。
真の狙いは長期政権 見据えているのは「次の総裁選」
高市政権は発足以来、高い支持率を維持していますが、青山さんは「イラン情勢の影響による物価高や消費税率の引き下げ問題などで、支持率低下の可能性もある。高市総理にとって『国力研究会』は、そのときでも党内が動揺しないような基盤づくり。見据えるのは来年9月の総裁選」といいます。
こうした基盤づくりをした上で、「高市総理は、次の総裁選で無投票で再選できるようにしたい」と青山さんは述べています。
自民党内の反応はさまざま
議員連盟の関係者
「自民党として、一体感を持って総理を支える体制を作っていこうということだ」
発起人のひとり
「断る話でもないからとりあえず入った。参加者はかなり多くなると思うが、総裁選での動きを縛るほどの意味がある塊になるとは思えない」
前回の総裁選で林氏を支持
「こんな議員連盟を作る必要があるのか…意味が分からない」
非主流派
「全ての事務所に案内を送ったと言われているが、うちの事務所には届いていない。あんなのは一過性で、すぐになくなる」
青山さん:高市総理の周辺でも「何をするのかはっきりしていない勉強会がどれだけ続くのかわからない」という人もいる。また、発起人の名前が挙がらなかった人からは、「総理大臣を支えるのは自民党員だったら当たり前。なぜ総理大臣を支える勉強会・議員連盟を作る必要があるのか」という声もある。
「国力研究会」は21日に、アメリカのグラス駐日大使を講師として招き、初会合を開く予定です。ただ、高市総理は参加しないということです。
グラス大使を招くことについて、青山さんは「幅広い人を集めることができる人選」といいます。また、高市総理周辺は「300人集めることを目指している」ということです。
青山さん:それだけ集まれば、高市総理の支持率が高いことの裏返しとなる。そういう意味では、参加しないで「反高市とみられたくない」という意味合い出てくるだろう。
(「newsおかえり」2026年5月11日放送分より)
最終更新:05/11 21:52


