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敵は汚染生命体、味方は微生物! インフラ企業が開発した下水処理ゲームとは 道路陥没などトラブル相次ぐ中…“老朽化・人材不足”などの課題解決に挑む
05/12 19:37 配信
近年、下水インフラをめぐるトラブルが相次いでいますが、その背景にある“老朽化”や“人材不足”などの課題を解決すべく開発されたゲームが今、注目されています。
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“ミクロな世界”に着目 水インフラ事業大手が進めるプロジェクトとは
大阪市港区にある市岡下水処理場。港区・西区の一般家庭などから出る下水や、雨水を浄化しています。
明電ファシリティサービス 東條 朱里さん
「(沈んでいるのは)微生物の塊ですね。この池の中にあるゴミを食べて、お腹いっぱいになった微生物が沈んでいく」
水インフラ事業大手「明電舎」グループは、全国の多くの下水処理施設で保守点検などの業務に当たっています。
下水の処理に欠かせないのは、タンクの中に無数に存在する微生物。微生物の力で汚れを分解し、きれいな水にして川に放水しています。
このタンクの中の“ミクロな世界”に着目し、明電舎が意外なプロジェクトを進めています。
敵は汚染生命体、味方は微生物! 水を浄化するタワーディフェンスゲームを開発
明電舎 中川 彰利さん
「今回やった取り組みというのが『下水王国』というゲームを明電舎の方でリリースさせていただいた」
中川さんが発起人となって社内で進めたのは「ゲームの開発」。スマホユーザーなどに向け、数千万円の開発費用をかけて作られた本格的なゲームアプリで、ゲーム業界ではいま“ガチすぎるゲーム”などと話題になっています。
中川さん
「(下水設備があることを)何となく当たり前に感じている人たちに向け、『下水道ってこんな価値があるんだよ』『こんなことをしてるんだよ』っていうのを伝える手段として」
去年7月、明電舎は大阪市で開かれた下水道分野の国内最大規模の展示会で、ゲームアプリ「下水王国」を初公開。
ゲームのモデルは、微生物によって汚水をきれいにする下水処理場の設備「反応タンク」。プレイヤーは、指揮官として、左から流れてくる敵・汚染生命体と味方である微生物たちを戦わせ、水を浄化するタワーディフェンスゲームです。
プレイ中に出てくるワードは、実際の作業現場でも使われる専門用語が多く、また、その仕組みをゲームにも反映させているため、ゲームを楽しみながら下水システムのことを詳しく知ることができます。
そして先月、明電舎はiPhoneとアンドロイド向けにゲームアプリ「下水王国」の配信をスタート。アンドロイド版では一時、ダウンロード数が5位にランクインするなど好調な滑り出しだということです。
共に制作にあたったのは、大阪市のゲーム会社「クローバーラボ」の三好孝和さん。中川さんらの構想を実際にゲームとして落とし込みました。
クローバーラボ 三好 孝和さん
「聞いたことない初めての微生物がいろいろ出てくるので、そこをどれだけかわいく見せるか。あと敵キャラもどうやって面白く見せるかっていうところは、すごくこだわったところなのかなと」
いま、中川さん・三好さんで進めているのが、ニンテンドースイッチでの「下水王国」の発売。今月末から来月中にはリリースされる予定です。
道路陥没などトラブル相次ぐ中…“老朽化・人材不足”などの課題に挑む
中川さんには、今回のゲームに込めたある強い思いがあります。
中川さん
「最近はパイプの浮上ですとか、そういう大きな事故なんかがあると『下水道大丈夫かな』って不安になると思うんですけれども、ただ、そういうふうに思うのは、普段何も起こっていないからであって、何も起こらない価値・技術をみんなに知ってもらわないと失われてしまう恐れがある」
「1人でも2人でもこの下水道界を志すような人が出てくればいいなと。若い人たちに下水というものに興味を持ってもらう、そういう子たちが生まれてくるといいなと」
最終更新:05/12 21:13


