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5月でも紫外線量は「非常に強い」レベルに 対策しなければ視力低下の可能性も “むき出しの臓器”目を守るには日陰とUVカット【眼科医解説】
05/19 17:00 配信
年々増え続ける紫外線。肌への影響はよく知られていますが、実は目にも深刻な悪影響を及ぼします。対策しなければ視力低下の可能性もあるという、紫外線による目の病気について、米本眼科副院長の小林千穂医師と”深掘り”します。
5月でも紫外線量が「非常に強い」レベルに
5月には、紫外線はすでに本格的なシーズンを迎えています。
気象庁が発表する全国の紫外線量分布図を見ると、18日正午時点で、多くの地域が濃いオレンジ色の「非常に強い」レベルに達しています。このレベルを超える地域では、気象庁は「外出をできるだけ控えて」と注意を促しています。
砂浜など地面からの照り返しが強い場所では、紫外線量がさらに多くなることがあるため、注意が必要です。
紫外線量は年々増加しています。大阪で「非常に強い」レベルの紫外線が観測された日数は2010年は30回だったのに対し、去年は69回と倍以上に増えています。背景にはオゾン層の破壊・減少があり、地上に到達する紫外線量が地球規模で増えているとみられます。
“むき出しの臓器” 目を襲う紫外線の脅威と病気
紫外線は肌だけでなく、常に外部にさらされている目にも深刻なダメージを与えます。目に入った紫外線の約30~40%は角膜で、約50~60%は水晶体で吸収されます。目の奥にある網膜では、約1~2%の紫外線を吸収します。
小林医師は「目は“むき出しの臓器”。紫外線のダメージは日々蓄積し、対策をせずにいると視力低下の可能性もある」と警鐘を鳴らします。
紫外線によって引き起こされる目の病気をみていきます。
まず「紫外線角結膜炎」があります。これは、角膜と結膜が紫外線によって日焼けした状態で、充血や涙が止まらない、角膜の表面が剥がれ落ちることによる激しい痛みといった症状が現れます。
小林医師によると「急性の症状」ということで、照り返しの強いスキー場などでゴーグルなしで長時間過ごした場合など、短時間に多くの紫外線を浴びたときにも発症しやすいということです。
紫外線ダメージが蓄積すると「瞼裂斑(けんれつはん)」という病気を発症することがあります。これは、角膜の輪郭部分の結膜に、薄黄色のふくらみができるものです。
軽症では自覚症状はほとんどありませんが、進行すると異物感や充血、ドライアイなどの症状が出ます。 屋外での作業時間が長い人は注意が必要です。
この瞼裂斑よりも悪い状態なのが、「翼状片(よくじょうへん)」という病気です。
これは、結膜(白目)の組織が角膜(黒目)の上に、翼のように伸びて覆いかぶさるものです。症状としては充血や異物感のほか、進行すると乱視や視力低下を引き起こします。
自然に治ることはなく、小林医師は「視力に影響が出始めた場合、手術で取り除くことを勧める」と話します。ただ若年者の場合、手術をしても再発することが多いということです。
「白内障」も紫外線と関わりがあります。「白内障」は目の水晶体が白く濁る病気で、主な原因は加齢とされています。ただ紫外線対策をせずにいると、40代で発症するケースもあると小林医師はいいます。
広がるサングラス着用 紫外線対策で大切なことは?
こうした紫外線の脅威から目を守るため、社会全体で対策の意識が高まっています。
JR西日本では、2019年9月から近畿エリアの在来線運転士にサングラスの配布を開始し、現在は新幹線も含めて全ての運転士に配付しています。
大阪府警も、2024年7月から屋外で活動する警察官らに対し、サングラス着用を許可しました。
学校現場でのサングラス着用も広がっています。
高校野球では、去年からサングラスの着用について許可制から申請制に緩和されました。
埼玉県の中学校では今月15日から、メガネブランド「Zoff」と連携し学校指定サングラスの販売を開始しました。教頭は「生徒たちにはサングラスを健康維持の必須アイテムとして着用する意識を持ってもらいたい」と、その狙いを語りました。
最後に、小林医師に「紫外線対策として大切なこと」を聞きました。
小林医師は「ダメージが蓄積するので対策は早くやるべき。『日陰』に『UVカット』が重要」と強調します。
UVカット機能があれば、サングラスだけでなく、透明なレンズのメガネでも効果があるとのことです。眩しさを和らげたい場合は色つきのサングラスの着用を。コンタクトレンズにもUVカット機能付きのものがあります。小林医師は「レンズの色が濃い方が紫外線を防げるわけではない。UVカット機能の有無が重要」と指摘します。日傘や帽子で物理的に影を作ることも有効ということです。
(「newsおかえり」2026年5月18日放送分より)
最終更新:05/19 17:00


