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「去年の日焼け止め使用はNG」「SPFが高いほど効果が高い、は誤解」シミやシワを引き起こす紫外線から肌を守るためには? 美容皮膚科医オススメの日焼け対策
05/22 11:45 配信
18日に兵庫県豊岡市では最高気温35.3℃の「猛暑日」を記録。そのほか今年に入り、全国でも30℃を超える「真夏日」が、すでに416地点(19日時点)で観測されています。
今後、平年を上回る暑さが予想される中、気になるのが“紫外線での肌トラブル”です。美容皮膚科医の川﨑加織先生に、肌を守る日焼け対策について聞きました。
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年々増加する紫外線 “光老化”に注意を
紫外線の量は年々増加しています。
茨城県つくば市で「外出自粛を呼びかけるレベル」の紫外線が観測された日数は、1990年の27日から、2023年には観測史上最多の89日へと3倍以上に増加しています。
紫外線は、良性・悪性腫瘍の増加、白内障、免疫低下など様々な影響をもたらします。また、シミや深いシワ、たるみなどが現れる「光老化」にも注意が必要です。
川﨑先生は「肌の老化は加齢が2割、8割が紫外線」と指摘。特に10代〜20代で浴びた紫外線ダメージが蓄積し、30代で現れるケースが多いので「学生時代の部活動が屋内か屋外かで大きく変わる」ということです。
ーーーQ.紫外線ダメージが蓄積している人はもう手遅れ?
「そんなことはありません。できてしまったシミとかレーザーでやっつけたり、美白の化粧品などもありますので諦めないようにしてください」
シミの原因となる紫外線「UVB」 シワの原因となる紫外線「UVA」
紫外線には主に3つの種類があります。
・UVC:ほとんどがオゾン層で吸収される。
・UVB:エネルギーが強く、肌の表面(表皮)に直接ダメージを与える。
・UVA:肌の表面は通過して、奥深く(真皮)まで到達する。シワやたるみの原因となる。
川﨑先生によると、日焼けで肌が赤くなるのはUVBの影響です。
紫外線が刺激となり、肌を守るためにメラノサイトという細胞がメラニンを大量に生成します。
このメラニンが表皮細胞にたまり、加齢と共に色が濃くなることでシミになるということです。
また、メラニンは本来、細胞のDNAを守るための防御反応なので、日焼けの刺激がなくなると、肌のターンオーバーで色が白くなっていくということです。
一方、UVAは肌の弾力をうみだす真皮にまで届き、コラーゲンなどを変性させて機能を失わせます。これにより、肌はハリを失い、シワやたるみを引き起こします。
川﨑先生は、コラーゲンは一度破壊されると再生が難しいため、UVA対策の重要性についても強調します。
日焼け止めの「SPF」「PA」の意味は? 「数値の高さは必ずしも強さではない」
日焼け止めに表示されている「SPF」と「PA」。この2つの指標は、防ぐ紫外線の種類が異なります。
・SPF:シミの原因となるUVBを防ぐ指標。SPF1あたり約20分、肌を日焼けから守る効果があるとされます。
・PA: シワやたるみの原因となるUVAを防ぐ指標。「+」の数が多いほど効果が高くなります。
一方で、川﨑先生によると「数値が高いと肌へのダメージも増すので、シーンに合わせたSPFやPAの表示を選ぶことが重要」ということです。
数値が高いものは効果の「持続時間」が長いことを意味し、必ずしも「強さ」ではないといい、肌への負担も考慮し、日常生活であればSPF30程度で十分であり、毎日コツコツと塗り続ける習慣の方が大切だということです。
また、炎天下でのスポーツや海水浴など、水に濡れるシーンでは、SPF値が高く、耐水性を示す「UV耐水性★」や「UV耐水性★★」の表示があるものを選ぶなど使い分けが重要です。
子どもの紫外線対策と大人でもケアを忘れがちな部位は
続いて、子どもの日焼け止めの選び方について解説します。
子どもの肌は大人より敏感なため、日焼け止めはSPF15・20程度のものを選び、お湯や石けんで簡単に落とせるタイプがおすすめ。洋服や帽子でも日焼け対策を行ないましょう。
川﨑先生は「将来の肌のため、子どもの頃からできる対策はやっておくべき」と推奨します。
また川﨑先生は、大人でも日焼け止めを塗り忘れがちな部位として「唇」と「頭皮」を挙げています。
唇は乾燥やシミ、黒ずみの原因になるため、顔用の日焼け止めではなく「UVカット機能のあるリップ」がおすすめです。
頭皮は髪のパサつきや抜け毛、フケの原因となるため、帽子や日傘の対策がベストですが、髪用のスプレータイプの日焼け止めも手軽に使えるため、おすすめということです。
正しい塗り方は? 去年の日焼け止めを使っても大丈夫?
日焼け止めの効果を最大限に引き出すには、正しい塗り方が不可欠です。
顔に塗る際は、クリーム状ならパール粒1個分を手に取り、額・鼻の上・両頬・アゴの5カ所に点置きし伸ばすことを2回繰り返します。腕や足などは、容器から直接、直線を描くようにつけてから、手のひらでらせんを描くようにムラなく伸ばします。
川﨑先生によると「シミや赤みの原因になるので摩擦は絶対NG!必要量(やや多め)を指の腹で均一に優しく広げる」ことがポイントだといいます。
川﨑先生
「摩擦も日焼けと同じで刺激になるので、結果メラニンを作ってしまうことになります。また、とにかくSPFが高いものよりも、均一に十分量を塗る方が大事なので、思ってるよりもちょっと多めに使われた方がいいと思います」
また川﨑先生によると、日焼けしてしまった場合は、速やかに冷却と水分補給を行うことが大切です。少なくとも24時間以内にケアを始め、水ぶくれや痛みがひどい場合は皮膚科を受診してください。
去年の日焼け止めの使用については「日焼け止めは一度開封すると酸化が始まり、放置すると品質が落ちる。雑菌も繁殖するので毎年買い替えるべき」ということです。もったいないと思っても、肌トラブルを避けるためにワンシーズンで使い切ってほしいといいます。
川﨑加織
皮フ科かわさきかおりクリニック 院長
医学博士 日本皮膚科学会認定専門医
(「newsおかえり」2026年5月20日放送分より)
最終更新:05/22 12:56


