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「もう蚊に気をつけて」虫ケア用品大手も注意を促すほど・・・今年は蚊の“当たり年”? 専門家が明かす大量発生の予兆と意外な対策法 もうひとつの「敵」ダニにも要注意!【深掘り解説】

05/22 07:00 配信

 「もう蚊に気をつけて。出てるぞ」虫ケア用品大手のアース製薬が5月12日にX(旧Twitter)へ投稿した異例の警告が、210万回以上表示されるなど大きな話題を呼んでいます。

 記録的な暑さが予想されるなか、今年は蚊が大量発生する「当たり年」になる可能性があると専門家は指摘します。
 蚊やダニから身を守るための最新の対策法について、40年以上にわたり蚊やダニの研究を行う(株)三共消毒顧問の荻野和正博士の解説で「深掘り」します。

なぜ今年は「蚊の当たり年」? 専門家が指摘する“好条件”とは

 蚊が活発に動き回るのは真夏ではなくその前後の時期で、ここ10年は暑さの影響で蚊の活動時期が早まる傾向があります。
 その上で荻野博士は「今年は大量発生の可能性もある」と分析します。

 背景にあるのが、4月中旬から下旬にかけての天気。
 荻野博士によると、蚊は水たまりなどに産卵しますが、この時期に大雨が降ると、産み付けられたボウフラ(幼虫)が流されてしまいます。

 しかし、荻野博士は「今年は意外とまとまった雨が降らず、パラパラした雨が続いたことにより、様々なところに小さな水たまりができて、それがボウフラの発生を助長している」と分析。
 大雨が少なく、ボウフラが生き残りやすい「水たまりができる程度の雨」が続いたことが、今年の大量発生の懸念につながっていると説明しました。

あなたの家にも…蚊の発生源は「深さ3mmの水で十分」

 蚊の産卵には深さ2〜3mmの水があれば十分で、身近な場所に多くの発生源が潜んでいます。
 具体例として、ベランダに放置された植木鉢の受け皿やバケツの裏のくぼみ、エアコンの室外機周辺の水たまりのほか、捨てられたレジ袋やペットボトルのキャップに溜まったわずかな水も発生源になります。

 荻野博士はさらに、公園などの林では「木に穴が空いていて水が溜まる『樹洞(じゅどう)』というような所に蚊が発生しやすい」と補足。
 人工物だけでなく自然の中にも発生源は無数にあり、完全に無くすことは困難であるとの見方を示しました。

「敵を知れ」蚊に刺されないための基礎知識

 蚊に刺されないためには、まず蚊の生態を知ることが重要です。蚊の基本的な生態は以下の通りです。

・卵から成虫になるまで、わずか10日前後。
・血を吸うのは産卵期のメスのみで、産卵のための栄養源として吸血する。
・オスや産卵期以外のメスは、花の蜜を主食としている。
・高い体温、汗のニオイ、二酸化炭素などを頼りに人に近づいてくる。

これらの生態から、蚊に刺されやすい状況が見えてきます。

刺されやすいのはどんな人? 専門家が明かす蚊が好む「色」と「ニオイ」

 蚊に刺されないための具体的なポイントとして、注意すべきタイミングは「飲酒後・運動後」です。
 アルコールの分解や運動による息切れで二酸化炭素の排出量が増え、体温の上昇や発汗も伴うため、蚊を強く引き寄せてしまいます。

 服装については、「明るい色より暗い色の服に寄って来やすい」という傾向があります。

 これについて荻野博士は、「実は蚊は刺すのが下手」だからだと解説します。
 蚊は的確に血管を探して刺すのが苦手で、見つからないと何度も刺し直すことがあります。
 そのため、「蚊が“時間稼ぎ”をするために、保護色的な暗い色を好む傾向がある」そうです。

 また、蚊は「足の裏のニオイ」を好む傾向があります。
 足の裏の菌が発する発酵したような臭いを、蚊は「哺乳類がいる」と認識するサインとして利用します。
 一方で「かんきつ系」のニオイは嫌いますが、逆に大好きなのが「フローラル系」の香りです。
 これは主食が花の蜜であるためで、特に「バラの匂いが大好き」だといいます。
 そのため、夏場にバラの香りのハンドクリームやボディソープを使用する際は注意が必要です。

 さらに最近の研究では、蚊をはじめとする吸血昆虫が「“微弱な静電気”を感知して対象を認識する」ことも分かってきました。
 荻野博士は、静電気対策として保湿クリームも有効だとしつつ、肌荒れや肌の老化が帯電の要因になるため、日頃のスキンケアが重要だと述べました。

梅雨入り前に要警戒!もう一つの敵「ダニ」の撃退法

 梅雨の時期に警戒すべきは蚊だけではありません。家の中に潜む「ダニ」です。ダニは温度(約30℃)、湿度(60%以上)、エサ(人のあか、ほこりなど)という3つの条件が揃うと大繁殖します。

 特にベッドは、体温と寝汗で温度・湿度が保たれ、髪の毛や皮脂といったエサも豊富なため、ダニにとって天国のような場所です。

 こうしたダニへの対策の定番「天日干し」について、荻野博士は「繁殖を抑える事はできるが、“退治”はできない」と説明します。
 天日干しや布団たたきでは、ダニは布団の内部に逃げ込むだけで、完全に駆除することは困難だと説明しました。

 最も効果的な対策は、布団乾燥機やコインランドリーの大型乾燥機を使い、「高温・乾燥でダニを死滅」させ、その後に「死骸を掃除機で吸うのがベスト」だといいます。
 マットレスの場合は、壁に立てかけるなどして「風通しを良くする」ことが効果的です。

 荻野博士によると、ダニはエサのある表面に集中しているため「厚いマットレスの中までダニだらけになることはほぼない」ということです。
 そのため風通しを良くして乾燥させ、掃除機をかける対策が有効です。

(「newsおかえり」5月21日放送)

最終更新:05/22 07:00

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