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辺野古沖転覆事故 国交省などが死亡した船長を刑事告発 同志社国際高校の安全管理は「著しく不適切」 文科省が調査結果を公表 京都府知事は私学助成金減額を検討する方針
05/22 18:58 配信
沖縄・辺野古沖で船が転覆し、高校生ら2人が死亡した事故。22日、国交省などは死亡した船長を刑事告発しました。
松本文科大臣が会見「学校の責任は極めて重い」
松本 洋平文科大臣
松本 洋平文科大臣
「同志社国際高校における研修旅行については、事前の計画や当日の対応、安全管理、教育活動の状況などの面で著しく不適切であった」
22日朝、文科大臣が異例とも言える強い口調で非難した“学校の責任”。
松本大臣
「今回の事案に関して、学校法人および学校の責任は極めて重いと考えております」
沖縄県名護市辺野古。深い青に染まる美しい海が、悲しみに包まれたのは3月16日のことでした。2隻の小型船が転覆し、乗っていた高校生ら21人が海に投げ出されました。
この事故で、小型船の船長・金井創さん(71)と、同志社国際高校2年の武石知華さん(17)が死亡。
生徒12人がけがをしました。知華さんら高校生が乗船していた目的は、平和について学ぶためでした。
「抗議船とは認識していなかった」学校側の見解と“食い違い”
同志社国際高校・西田 喜久夫校長
西田 喜久夫校長
「本校は平和学習というのを、学校の1つの大きなアピールポイントと考えております」
事故が起きた辺野古の海は、アメリカ軍普天間基地移設に伴う新基地建設の工事が行われていて、高校生らが乗った船は普段は工事への「抗議船」として使用されていました。
西田校長
「『抗議船』という言葉では、生徒にも保護者にも伝えていることはありません」
「抗議船とは認識していなかった」という学校側。しかし、国は22日に公表した調査結果で学校側の見解を否定しました。
松本大臣
「船長が日常的に抗議活動を行い、生徒らを乗せる船が抗議船であるという認識を、教員の相当数が持っていた中で、抗議船による見学プログラムを組み実施をしていた」
死亡した船長を海上運送法違反の疑いで刑事告発
平和学習のため、普段「抗議船」として使用されている船に乗船し、起きた今回の事故。海上運送法では、有償・無償を問わず、他人の需要に応じて人を運送する場合は登録が必要とされていますが、転覆した2隻はいずれも登録されていませんでした。
国交省などは、過去に合計6回にわたり、同志社国際高校の生徒らを運送し、謝礼を受け取っていたことなどが確認できたとして、死亡した金井船長を海上運送法違反の疑いで刑事告発しました。
京都府知事は私学助成金の減額を検討する方針
京都府の西脇隆俊知事
22日、京都府の西脇知事は、学校に法令違反などがあったとして、高校に対する私学助成金の減額を検討する方針を示しました。
京都府・西脇 隆俊知事
「(私学助成の)交付要綱には『さまざまな法令違反があったら減額』など明記しているので、それは検討の俎上にあげないといけない」
「今の段階では、私自身としては減額せざるをえないのではないかと」
文科省が調査結果公表 安全管理について「不適切」
研修旅行めぐり文科省の指摘は
文科省の調査結果によると、生徒18人が2隻の船に乗船していましたが、引率教師は体調不良や乗り物酔い体質等を理由に乗船していませんでした。
これについて、文科省は「必要十分な教職員が同行する必要があったことは言うまでもない」と指摘。
「教職員が同行しない重大な判断ミス」であり、対応できなかった場合の体制を構築していなかった点も「不適切」としています。
また、学校側は「どのような船に乗るのか」について、事前に生徒や保護者に対して説明を行っておらず、文科省はこの点についても「対応が不適切」としました。
さらに、乗船開始した2023年から1度も事前下見がなかった点について、文科省は「事前下見を行う中で安全性を確認し、教職員間で乗船の吟味をするべき」と指摘しています。
安全管理についても「不適切」と指摘
事故当日、現場海域には波浪注意報が発表されていましたが、学校側はこれを把握していませんでした。
現地の状況や天候を把握せず、悪天候による活動の変更や中止を想定した代案も用意されていなかった点について、文科省は「不適切」であると厳しく指摘。
ライフジャケットの着用方法についても、生徒への事前の指導が行われておらず、文科省から「不適切」と判断される要因となりました。
また学校側は、今回転覆した「不屈」と「平和丸」の2隻が海上運送法に基づく事業登録されていないことを把握しておらず、航路・船の形状、危険な護岸からの乗船などについても、確認していませんでした。
この点についても文科省は「不適切」と指摘しています。
学校側は「抗議船としての運航ではないので問題ない」という認識だったと説明も…
転覆した2隻は、アメリカ軍基地建設の抗議船として使用されていました。
この船に生徒を乗せることに関しては、学校側は「抗議船としての運航ではないので問題ない」という認識だったと説明。
ところが文科省によると、2025年の領収書の名義人の一部が「ヘリ基地反対協議会」になっており、学校側は抗議船と認識していたのではないかとされています。
学校側は「政治的中立性は確保」と説明も…
また、学校側は会見などで「年間を通じた平和学習全体で政治的中立性は確保していた」としていましたが、文科省によると、2015年から18年の研修旅行のしおりに「ヘリ基地反対協議会」の座り込みをお願いする文書が掲載されていました。
さらに、辺野古への移設工事について、沖縄県以外のさまざまな見解があるにもかかわらず、十分な学習をしていたという確認はできなかったということです。
これらの点について、文科省は「政治的活動を禁じる教育基本法に反する」と指摘。
今回の事案について、文科省は「安全管理も含めた、教育活動の最終的な責任を負う学校法人および学校の責任は極めて重い」としています。
(「newsおかえり」2026年5月22日放送分より)
最終更新:05/23 11:19


