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娘への暴行容疑で逮捕・その後釈放 涙の辞任 阿部監督はなぜ現行犯逮捕、数時間で釈放されたのか? 児童相談所と警察の「切迫した状況」判断
05/26 19:02 配信
巨人・阿部慎之助監督が辞任 娘への暴行容疑で逮捕・釈放
長女への暴行容疑で逮捕・その後釈放されたプロ野球・巨人の阿部慎之助監督。26日に会見を開き、監督辞任を表明し受理されました。
レイ法律事務所の髙橋知典・弁護士に、阿部監督が逮捕・釈放された経緯などについて聞きました。
娘への暴行容疑で逮捕・釈放 涙の辞任
娘への暴行容疑で逮捕・釈放 涙の辞任
25日、阿部監督の長女(18)が「父親から暴力を受けた」などと児童相談所に相談し、午後7時15分ごろ、児童相談所が110番通報しました。警察は午後8時前、暴行を加えた疑いで阿部監督を現行犯逮捕。26日未明に釈放しました。
阿部監督は会見で涙ながらに「伝統ある巨人軍という監督の名も汚してしまって、とても深く謝罪したい気持ちでいっぱいです。娘も高校3年生という年頃な子ですので温かく見守っていただければ幸いです」と語りました。
きっかけは、姉妹げんかを止めようとした際に長女から言い返され、カッとなって「娘(長女)の襟をつかんで投げ飛ばしてしまった」ことだったと説明されています。当時、アルコール検査で反応があったものの、長女への日常的な暴力はなく、けがもなかったということです。
「殴る・蹴るは事実ではない」会見で読み上げられた長女からの手紙
会見で読み上げられた長女からの手紙
会見では、長女からの手紙も読み上げられました。手紙には「家庭内のことにもかかわらず大々的な報道になってしまったこと大変申し訳ございません」と謝罪の言葉が綴られていました。その上で、「まず暴力に関しましては殴る・蹴るなどといった事実はございませんでした」と一部報道を否定。報道内容が事実と異なってしまったのは「私の過度な状況説明によって」だと説明しました。
また、相談に至った経緯として、父との大がかりなけんかは初めてのことであり、どうすればいいかわからず、生成AIの「チャットGPT」に相談したところ、匿名で相談できる「児童相談所」の存在を知り、電話をかけたと明かしました。しかし、児童相談所の職員に「どうしたらいいかといった私自身の意向が聞かれることはなく警察に通報されるという形になってしまいました」と記されていました。
「警察が来て一番驚いているのは自分自身ですし、父が警察に連行された姿を見て目前で私は泣き崩れてしまいました」と当時の心境を明かし、現在は父と仲直りしていること、SNSなどでの誹謗中傷をやめてほしいと訴えられていました。
「意向を聞かれることはなく通報」児童相談所が判断した理由は
レイ法律事務所の髙橋知典・弁護士
児童相談所の通報をめぐり、髙橋弁護士は「物事が起きた時に『大丈夫だろう』と思うのか、『危ないかもしれない』と思うのかで、対応はだいぶ変わってしまう。世の中が『危ないかもしれない』に舵を切っている一つの事例」と指摘。
本来、児童相談所の対象は18歳未満ですが、高校3年生ということもあり、子どもが悲惨な事件に巻き込まれることが多いことから「誰かが助けてあげなきゃ」という判断が働いた可能性に言及しました。
また、長女の意向を確認せずに通報した点については、「よほど切迫した状況でなければ、警察に通報しますか?と聞いてくれる。今回はそれだけ切迫した状況だったと推測される」と述べ、通報内容から緊急性が高いと判断された可能性を解説しました。
なぜ「現行犯逮捕」だったのか? 専門家が推測する現場の状況
警察が「現行犯逮捕」に踏み切った点について、髙橋弁護士は、現場の状況が判断の鍵だったと分析します。
「現行犯逮捕は、犯罪があった、またはその間近な時間でなければできない。もし現場がもう落ち着いていて、みんなでお茶でも飲みながら『さっきはやりすぎたね』なんて言ってる状況だったら逮捕はしなかった」と説明。通報から逮捕までにある程度の時間が経過していることから、警察が到着した時点でもまだ興奮状態が続いていた可能性を指摘しました。
一方で、数時間で釈放されたことについては、「娘と話ができて、彼女自身が『もう勘弁してやってくれ』と涙を流すような状況などがあるのだとすると、これ以上は安全だろう」と警察が判断したのではと推測。日常的な暴力がみられなかったことや、本人が潔く容疑を認めていることも、早期釈放の要因になったとの見方を示しました。
今回のケースから「児童相談所への相談をためらわないで」
髙橋弁護士「児童相談所への相談をためらわないで」
児童相談所の虐待対応ダイヤルは、「189(いち早く)」という番号です。
こども家庭庁のホームページによると、この番号は発信者の近くにある児童相談所につながり、通告・相談は匿名で行うこともでき、内容に関する秘密は守られるということです。
髙橋弁護士は「児童相談所に連絡したからと言って、必ずしもすぐに警察に通報するという対応ではない。匿名で内容に関する秘密は守られるので、児童相談所への相談はためらうべきではない」と強調します。
その上で、今回のケースは「普段優しいお父さんが初めて怒った場面で怖くなってしまった。体が大きくて怖くなってしまったのではないか」という背景があった可能性に言及。「その切迫の状況にみんなが応えた。だから、良い時代になってきていますが、その中で起きた不幸な出来事ではないか」と位置づけました。
「辞任は誰に対する社会的責任なのか」「事態を大きくしすぎてしまったのでは」
ノンフィクションライター 石戸諭さん
また、コメンテーターとして番組に出演したノンフィクションライターの石戸諭さんは、児童相談所や警察の対応は「最悪のケースを想定して動く」という社会の要請に応えたものであり、間違いとは言えないとコメント。その上で、今回の事態が大きくなったのは「阿部監督が社会的な著名人であるから」という側面が強いと指摘しました。
石戸さんは「一般家庭で同じことが起きたとして、ここまでニュースにはならない」として、阿部監督が辞任に至ったことについて「誰に対する社会的責任なのか。長女も間違ってないし、児相も間違ってない、警察も間違ってない。阿部さんが暴力を振るったことは責められるべきだが、それが辞任に値するのかは、もう少し考えてもよかったのでは」と、著名人であるがゆえに事態が過熱した可能性に言及しました。
(「newsおかえり」2026年5月26日放送分より)
最終更新:05/26 19:02


