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大阪市でトラブル相次ぐ“特区民泊” 新規受付終了だけでは解決にはならない? 悪質な管理者の「退場ルール」と「転売阻止」の必要性【識者解説】
06/01 17:00 配信
「特区民泊」駆け込み申請殺到
大阪市は5月29日、「特区民泊」の新規受付を停止しました。特区民泊は大阪市に全国の9割以上が集中し、市民から騒音やごみなどの苦情が相次いで寄せられています。
大阪市の「特区民泊」きょう新規受け付け終了 駆け込み申請が殺到
「特区民泊」新規受け付け終了 駆け込み申請が殺到
記者リポート
「特区民泊の申請窓口なんですが、オープンの5分前から列ができています」
年間の営業日数に制限がなく、住宅街での運営も可能な「特区民泊」。大阪市での新規受付は29日で終了と、今後「特区民泊」運営のチャンスは二度とないかもしれないとの思いからか、この盛況ぶりです。
申請に来た人
「ぎりぎり間に合いました。(Q.どちらに申請?)浪速区のほうで。(Q.大阪の人ですか?)違います。(Q.どちらの?)中国の人です。(Q.やはりビジネスとして魅力がある?)運営を担当しているので、利益が出るからです」
「新規受付終了」が発表されて以降「駆け込み申請」が急増し、今月は前の月の倍以上、1000件を超えたということです。
花火にポイ捨て…警察沙汰まで 大阪市内で特区民泊めぐるトラブル相次ぐ
特区民泊をめぐりトラブル相次ぐ
全国にある特区民泊の実に94%が集中しているという大阪市。ホテルなどと異なり、民泊施設は住居専用地域で営業できることもあり、宿泊者と住民とのトラブルが相次いでいます
近隣住民
「びっくりしたが、この家(民泊)の前で花火をする。朝起きたら、ここ(民泊前)にいっぱい花火の跡があった」
大阪・東成区の民泊の前で夜遅い時間に花火をする宿泊者。火が点いたままの花火を、その場に捨て家へと入っていきます。さらにー
近隣住民
「花火をした人がよじ登った。ベランダに何回か登って入っていった」
迷惑行為はこれだけでなく・・・
近隣住民
「たばこの吸い殻が、うちの駐車場にたむろして、いっぱい入れていた」
「日常的に騒がしい。結局、騒いでいる客と近隣(住民)とで、もめ事になる。泊まられる方も日本人じゃないので言葉が通じない、コミュニケーションがとれない。騒いでいて私らが注意しに行っても、日本語が伝わらないので収まるはずがない」
外国人民泊客が堤防で酒を飲み、川に転落したとして大騒ぎに
一方、此花区ではー
記者リポート
「こちらのマンションは200室ありますが、全て民泊として使われています」
去年6月営業が始まると、住民は目を疑うような光景を目撃したといいます。
近隣住民
「民泊のお客さんだったみたいだが、3人くらいの外国人が(民泊)前の川に入ったので、救急車・消防車・警察まで来て騒ぎになった」
民泊マンションに宿泊する外国人男性が堤防の上で酒を飲み、川に転落したとして大騒ぎに。
近隣住民
「ふだんも迷惑だが、災害とか起こった時にどうなるんだろうという不安が大きい」
大阪・西成区にも次々と民泊が… 騒音やゴミ問題に悩まされる近隣住民
大阪・西成区にも次々と民泊が
こちらは外国人旅行客にも人気の街、大阪市西成区。
記者リポート
「私の後ろ10数軒の戸建て住宅が建ち並んでいるんですが、これ全てが特区民泊だということです」
さらに約100m離れたところにも・・・
記者リポート
「下町の風情が残る地域に見えるんですが、こちらも民泊で、一軒挟みましてこの奥も民泊だということです」
自宅が特区民泊に挟まれているという高齢の女性は…
「隣、午後10時か10時半になったらバタバタ音する。もう大変、引っ越ししようかな。せやけどね、私ら持ち家でしょう、売って出やなあかんでしょ。せやから辛抱してたけど」
「(Q.大阪市に苦情を言ったりは?)そんなん言えへん、言うたって始まらへん。毎度(泊まる人が)変わるでしょ。人が住んでたら、こうこうこうでって言えますけどね、1泊か2泊かのままでしょ。泊まる人が変わるから言うても無駄。持ち主に言うても、そんなん聞かへん。初めは持ち主に言ってたんですよ、電話番号書いてるから。でも聞かへん」
トラブルは騒音だけではありません。
特区民泊の隣に住む人
「あそこにもゴミを置いてるでしょ。ゴミの日は月曜日と木曜日なんですよ。それやのに置いていて、ここはゴミ置き場でも何でもない。だからカラスが来てすごいんで、いつも夫と掃除してます」
トラブル改善のために「大阪市がルールを強化すべき」
山田有生さん
民泊トラブルの改善に取り組む山田有生さんの調査によると、西成区内には200メートル四方に特区民泊が400室ほど存在する地域があり、去年9月から20軒以上が新たにオープンしたといいます。
山田有生さん
「何とか5月29日までに許可を取ろうということで、駆け込みの需要というのが、かなり見てとれると思います。
住民とのトラブルを減らすためには、大阪市がルールを強化すべきだと訴えます。
山田さん
「民泊というのは住宅の中に入ってる分より地域に近いわけですから、ゲストだけ向いてればいいわけじゃなくて、地域の方も向かないといけない。その辺が全然整備されてなかったのかなとは思っています」
トラブルが相次ぐ特区民泊。市は寄り添った対応が出来るのでしょうか。
民泊増加の背景には何が? “経営管理ビザ”めぐる実態
阪南大学 松村嘉久教授
阪南大学の松村嘉久教授は、民泊が増加している背景にある「経営管理ビザ」をめぐる実態と、今後全国に広がりかねない深刻な課題について警鐘を鳴らします。
松村教授によると、運営の4割以上が「中国人または中国系法人」であり、「経営管理ビザ」の取得を目的としている可能性があると分析します。
「日本移住」が目的の可能性も…
このビザは、2023年10月の制度改正前までは「資本金500万円以上」で取得可能でしたが、改正後は「資本金3000万円以上」「経営・管理経験3年以上」「常勤職員を1人以上雇用」など条件が厳格化されました。
松村教授は、改正前の500万円という条件が諸外国に比べて「圧倒的に低い」水準であったことを指摘。特区民泊の物件を買うということ自体が、日本で資産を確保するということにつながり、さらに500万円で起業すれば「日本に移住できるチャンスを得られるという付加価値がついた」と解説しました。
新規受付終了だけではトラブル解決にはならない? 松村教授「退場ルールや転売阻止を」
民泊トラブル解消に必要なことは?
特区民泊の急増に伴い、住民トラブルも深刻化しています。
騒音やゴミ問題、誤訪問、マンションの共用エレベーターを占拠されて乗ることができないといった苦情が、2025年度には前年度の倍近い723件となりました。
松村教授は、こうした状況を改善するため、トラブル情報を収集・分析し、管理者へのルールを厳格化する必要があると指摘。具体的には、悪質な管理者を排除する「退場ルール」と、認定の権利が不透明な形で売買されることを防ぐ「転売阻止」を挙げました。
松村教授によると本来、物件の売買などで持ち主や民泊の運営者が変わった場合は民泊の認定は取り消されるべきですが、「大阪市が公表している一覧表には同じマンションの同じ部屋が重複登録されている事例がかなりある」とチェック体制が機能していない実態を指摘。このままでは、認定の権利が転売され続ける状況に陥ると警鐘を鳴らしました。
「住んでよし、訪れてよし」の原点へ 観光政策の本来の姿は
最後に松村教授は、観光政策のあるべき姿について言及しました。
「観光立国の最初の基本は『住んでよし、訪れてよし』の国づくりということ」だと強調し、「住んでる人間が訪れてきた人から迷惑を受けることは、あってはならない」と住民の生活を守ることの重要性を訴えました。
そして、この問題は大阪の特区民泊に限った話ではなく、新法民泊やホテルといった他の宿泊形態においても「全国で起こる可能性がある」と指摘。地域との共生という原点に立ち返る必要性を訴えました。
(「newsおかえり」2026年5月29日放送分より)
最終更新:06/01 17:00


