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失った体の一部、見た目で取り戻す 「再びシャッターを切りたい」男性の心に寄り添う“人工ボディ”
06/03 12:00 配信
失った右手の人差し指で、再びシャッターを切りたい。男性の心に寄り添う「人工ボディ」とは。
病気やケガなどで失った体の一部を取り戻す「人工ボディ」
肌の質感やシワ、かすかな血色の違いまでリアルに作られたパーツ。
病気やケガなどで体の一部を失った人が身につけられる「人工ボディ」と呼ばれるものです。
工房アルテ 福島有佳子・主任技師
完全オーダーメイドの「人工ボディ」をつくっている会社が、大阪市北区にあります。主任技師の福島有佳子さん(54)。この道、30年以上です。
工房アルテ 福島有佳子・主任技師
「この耳をつけても聞こえるわけじゃないんですね。物がつかめたり、曲がったりするわけではない。本当に見た目を復元する」
身体的な機能を補うことはできませんが、見た目上で失った体の一部を取り戻すのが「人工ボディ」です。
人差し指を失った男性、カメラのシャッターをもう一度切りたい
大阪府内に住む60代の男性。去年9月、難病で皮膚が壊死し、右手の人差し指を失いました。
大阪府に住む60代男性
「本当、がく然としたというか…言ってみれば10本の指の中で下手したら一番活躍していた指。しかも利き手で。精神的にもネガティブになった部分はあったと思います。隠したりして、できるだけ人には見せたくないなというか… 」
中学生の頃からカメラが趣味。シャッターを押していたのは、今はない右手の人差し指でした。
男性
「(人差し指がなくなって)写真撮れるのかな、というのがまずあった。今後の楽しみ、ずっと自分の趣味としてやってきたことができなくなるというのは相当なダメージなので」
人目を気にせず、シャッターを切りたい。さらに、娘の結婚式という大事な予定にも後押しされ、人工ボディをつくることに決めました。
5色を配合してつくる1200種類の肌見本
工房にある肌の色見本は約1200種類
個人差はありますが、血流によって肌の色は変化します。箸を持つとき、手を振るとき、その人がどんなシーンで肌を見られることが多いかを聞き取りながら、1番合う肌の色を決めます。
福島さん
「色は、これだけしかないんですよ。ここから、すべての色を出すんですね。こういう感じで色を混ぜていくんですけど、少量を混ぜていくだけなので… これで色が変わるので、数値化できない。そこがオーダーメイドの売りなので」
こちらの工房にある肌の色見本は、なんと1200種類。最近では外国に住んでいる人からのオファーもあり、どんどん増えていったそうです。
茶・黄・赤・青・白の5色を配合してつくられ、本物と見間違うリアルな肌感が生まれます。
完成した人工ボディをつけると…
福島さん
「どうでしょうか?」
男性
「すごいですね。指紋までついている」
久しぶりに戻ってきた右人差し指をつけ、カメラを構えます。
男性
「今まで、感覚を戻すために代わりに中指で押していた。これからは堂々と右手で持ったり、飲んだり食べたりできる。(Q.写真もいっぱい撮るし、楽しみ?)もちろん、そうですよね。つけていることを忘れるように早くなりたいなと」
人工ボディは「心に作用する存在でありたい」
人工ボディは「心に作用する存在でありたい」
福島さんは、人工ボディを少し勇気をもらえたり、行動するきっかけになったりするような「心に作用する存在でありたい」と話します。
福島さん
「身体の一部がなくて『結婚式やめました』とか『指輪の交換やめました』とか『プール行くのやめました』。いろんなことを諦めた人が実際にいる。人工ボディがあることでサンダルを履けたり、指輪の交換ができたり、そういうことができると知ってほしい。身体の一部のない人たちが、『私 こういう人工ボディをつけているんです』と言える世の中になったらいいな。知ってもらうことが大切なんです」
(「newsおかえり」2026年6月2日放送分より)
最終更新:06/05 17:46


