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ことしの台風の傾向は「多い」「巨大・強力」「迷走」か 珍しい6月の台風が西日本に爪痕 梅雨前線の効果で雨量増加したか 流行語大賞「二季」生み出した教授が解説

06/04 21:02 配信

台風6号の爪痕各地に

 台風6号の影響で、和歌山県や徳島県などで大雨となり、一部地域では警戒レベル5の「特別警報」やレベル4の「危険警報」が発表されました。
 和歌山県の古座川に出されていた「レベル5氾濫特別警報」は3日午前8時50分ごろに解除されました。このほか各地の「レベル4危険警報」も順次解除されています。

 6月に日本に台風が上陸するのは14年ぶりです。
 この先6月に台風がやってくることは増えるのでしょうか。気候変動の専門家で「二季」という言葉を生み出した三重大学大学院の立花義裕教授の解説です。日本の四季が失われ季節が2つになるという「二季」は、2025年の「T&D保険グループ 新語・流行語大賞」でトップ10入りしています。

珍しい6月の台風上陸 背景に太平洋高気圧の張り出しとエルニーニョ現象

14年ぶりに6月に上陸

 1991年から2020年までの30年間のデータによると、6月の台風発生数の平均は1.7個です。ただ、6月に上陸するのは、2012年に和歌山県南部に上陸して以来14年ぶりです。

 今回、6月に上陸した理由について立花教授は2つの要因を挙げます。
 第一の要因は、太平洋高気圧の強い張り出しです。通常、5月から6月にかけては太平洋高気圧の張り出しは弱いものの、今回は夏本番のように北側へ強く張り出しました。これにより、高気圧の縁をなぞるように台風が北上するルートができたということです。
立花教授
「これは夏の高気圧です。そのため、ことしは5月から暑かった。つまり夏が早く来てしまっている。まさに『四季』から『二季』に向かっていることの一因が太平洋高気圧の張り出しの早期化です」

6月に上陸したメカニズム

 第二の要因は、貿易風が弱かったことです。通常、この時期は貿易風が強く、発生した台風は西へ流されやすい傾向にあります。しかし、今回は貿易風が弱かったため、台風は西へ流されることなく、太平洋高気圧に引かれる形で北上しました。
 立花教授は、貿易風を弱めた原因は「エルニーニョ現象」であると説明します。ペルー沖の海面水温が上昇するエルニーニョ現象が起きると、その海域で上昇気流が強まり、貿易風とは逆向きの風が発生。これが貿易風と相殺しあうことで、風全体の力が弱まったと解説しました。さらに、エルニーニョ現象自体は自然現象であるものの、温暖化によってそのパワーが増した「スーパーエルニーニョ」が起きやすくなっていると語り、より台風が西に進みやすくなったといいます。

三重大学大学院 立花義裕教授

立花教授
「エルニーニョ現象自体は温暖化と関係ありませんが、現象のパワーが強い『スーパーエルニーニョ』が発生するのは、温暖化の影響です」

6月の台風が梅雨前線と合わさり大雨になりやすい 立花教授「最悪のコース」

6月の台風は大雨をもたらしやすい

 今回の台風は、梅雨前線と合わさることで各地に記録的な大雨をもたらしました。立花教授は、この台風の進路を「最も雨が降るパターンで、最悪のコース」だったと指摘しました。今回の台風では、徳島、和歌山、静岡、神奈川の各県で線状降水帯が発生しました。
立花教授
「ちょうど日本列島に梅雨前線が横たわる場所とほぼ同じ緯度を台風が通りました。もし台風のコースが少し南にずれていれば豪雨は海上にとどまり、逆に少し北にずれて早く上陸していれば台風の勢力は弱まっていた。『日本列島をかすめる』コースを通ったことで、台風の勢力が衰えないまま、太平洋側で大雨になりました」

ことしの台風の傾向は 「日本に接近」「強力で巨大」「迷走」か

ことしの台風の特徴は

 今後、日本は台風シーズンに入りますが、ことしの台風の傾向はどうなりそうなのでしょうか。立花教授は、「日本に近づく台風が多くなる傾向」、「巨大で強力な台風になる」、「”迷走台風”でゆっくり通過するようになる」と予測します。

 立花教授によると、エルニーニョの年は台風の発生位置が通常より東にずれます。そうなると、貿易風に乗って西に進んだ後、太平洋高気圧の縁に沿って進み、日本に来やすくなります。また、日本に到達するまでの距離が長くなるため、その長い移動中にエネルギーを吸収し、「巨大・強力」になる傾向があるといいます。
 さらに、ことしは猛暑が予測されており、日本付近を覆う太平洋高気圧が強くなる見込みです。高気圧に覆われると上空の風が弱くなるため、台風を流す力がなくなり、動きが遅く複雑になる「迷走台風」が発生しやすくなるとのことです。

立花教授
「この3つの傾向っていうのは、まさにエルニーニョと地球の温暖化の両方の作用です。そのため、ことしの台風はこのような傾向になると考えています」

(2026年6月3日 newsおかえり)

最終更新:06/04 21:02

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