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都会のマンション高騰 外国人の取得規制はなぜ難しい? エコノミスト「規制しないと都会離れが進む」
06/05 06:45 配信
都会のマンションがますます高嶺の花に?
東京23区のマンション平均価格が1億円を突破するなど、高騰が続く不動産市場。政府は外国人のマンション取得に対する規制を当面見送る方針を示しました。
なぜ規制は難しいのか、このままではどうなるのか。第一ライフ資産運用経済研究所の永濱利廣さんが、海外の事例と比較しながら日本の現状と課題を解説しました。
外国人のマンション取得規制は「見送り」へ
外国人のマンション取得規制は「見送り」へ
政府が外国人のマンション取得規制を当面見送る方針であることが分かりました。
政府は安全保障上重要な土地(自衛隊基地や原子力発電所など)に限り、土地取得の規制を強化する方針。具体的には、周辺約1kmの調査権限の範囲を拡大し、特に重要な施設周辺での土地取得は、これまでの「事前届け出制」から「許可制」へと厳格化されます。ただし、この規制は外国人に限定されたものではなく、日本人も対象となります。
一方で、マンション価格高騰を背景に注目されていた、外国人を対象としたマンションの取得規制については「当面見送り」になる方針を固めたということです。
東京23区は平均1億円超え マンション価格高騰の実態
東京23区と近畿圏のマンション価格の推移は
マンション価格の高騰は顕著です。東京23区では、2012年に平均5283万円だったマンション価格が、2023年には1億3613万円と2倍以上に跳ね上がりました。また、近畿圏でも2012年の3438万円から2023年には5328万円へと上昇しています。
この価格高騰の要因について、第一ライフ資産運用経済研究所の永濱利廣さんは、建築コストの上昇など複数の要因があるとしつつ、「円安を背景にした外国人投資家の需要増も一因」と指摘しました。
永濱さんは、歴史的な円安によって、海外から見て日本の不動産がかなり安く映っていると説明。しかし、価格高騰は外国人投資家だけの問題ではないと続けます。「日本の富裕層も転売などで積極的に売買している」と述べ、投機的な動きが国内にもあることを指摘。そのため、外国人に限定した規制が見送られた側面もあるとの見方を示しました。
外国人所有割合、東京・新宿区で14.6% 投資先は地方へも
国土交通省が去年11月に公表したデータ(2025年1月〜6月期)によると、外国人居住者による日本のマンション所有割合は、東京23区の新宿区で14.6%に達しています。近畿圏全体では2.1%ですが、大阪市では4.3%となっています。
永濱さんによると、東京の価格高騰を受け投資家の関心は「近畿にシフトして、今では中部地方、名古屋なども少しずつ増えてきている」と投資先の分散化が進んでいるといいます。
また、国・地域別に見ると、台湾が62.3%と突出しています。この点について永濱さんは、台湾の半導体大手TSMCが熊本県菊陽町に工場を建設した影響で、台湾資本が出てきたことから不動産を購入している背景があると説明します。
不動産高騰は海外でも…購入禁止などの“外国人規制”も
海外では“外国人規制”も
不動産価格の高騰は世界的な現象であり、海外でも規制強化に動きがあります。
カナダでは、移民増加による住宅需要拡大を受け、2023年から4年間、外国人による住宅用不動産の購入を原則禁止。オーストラリアでも同様の背景から、2025年から2年間、外国人による投資目的の中古住宅の購入を禁止する措置を取りました。
永濱さん
「なぜ世界中で不動産価格が高騰しているかというと、実は新型コロナウイルスの感染が拡大して、世界中が景気を支えるために、お金をたくさん世の中に供給しました。それによって世界的に不動産価格が上がっているので、世界的な現象と言えると思います」
なぜ日本は規制が難しい? WTO協定と「抜け穴」の壁
“規制”なぜ難しい?
日本ではなぜ規制が難しいのでしょうか。その背景には、世界貿易機関(WTO)の協定があります。
原則として、加盟国は自国民と他国民を同等に扱わなければなりませんが、多くの国は、外国人の土地取得を規制するための「留保条項」を加盟時に盛り込んでいました。しかし、日本は外貨の呼び込みを優先したのか、盛り込まなかった経緯があります。
留保条項を後から追加するには、全加盟国との交渉が必要となり、手続き上、非常に困難とされています。
「このままでは都会離れが進む」求められる対策とは
こうした状況に対し、永濱さんは、WTOの協定を理由に諦めるのではなく対策を講じるべきだと考えます。
すでに一部の大手不動産会社では、投機目的の転売を防ぐため、同一人物への販売を控えるなどの自主的な規制を始めています。
永濱さんは、国が法整備を怠れば「投機マネーによって都市部の価格がまだ上がってしまう」と予測。その結果、「一般世帯や若い世代が、都市部から完全に締め出されてしまうような深刻な状況になってしまう可能性がある」と述べ、早急な対策の必要性を訴えました。
また、規制の対象については、外国人に限定するのではなく、投機目的の転売行為そのものを規制する必要があるとの見方を示しました。
第一ライフ資産運用経済研究所の永濱利廣さん
永濱利廣
第一ライフ資産運用経済研究所 主席エコノミスト
著書「お金と経済」「お金のしくみ」など多数
(「newsおかえり」2026年6月3日放送分より)
最終更新:06/05 06:45


