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ゾンビたばこ、ニコパフ・・・ 若者の間でまん延する薬物、背景に取り締まり強化 「いたちごっこ」の構図も?
06/05 15:00 配信
薬物事件増加の背景は
薬物をめぐる事件が後を絶ちません。
「ゾンビたばこ」や「ニコパフ」など、新たな薬物が次々と出現するほか、スポーツ選手の摘発も相次いでいて、懸念が広がっています。
国内での薬物のまん延にはどういった背景があるのでしょうか。
元警視庁警部補で、薬物事件に多く関わってきた小比類巻文隆さんの解説です。
バレーボール元日本代表も逮捕 摘発増える「乾燥大麻」とは
バレーボール元日本代表の大麻所持が発覚
バレーボールの元日本代表・佐藤駿一郎容疑者が先月28日、乾燥大麻を所持したとして麻薬取締法違反の疑いで逮捕されました。
日本代表の強化合宿中に、パチンコ店の忘れ物の中に乾燥大麻が入っていたとされます。
容疑者は「5月中旬にアメリカで吸った」とも話しているということです。
乾燥大麻とは、使用すると時間や空間の感覚が歪み、運動失調や精神障害などを引き起こすほか、薬物依存のリスクもあります。
近年、売人からの直接購入だけでなく、SNSを通じて郵送などで簡単に入手できることから、若者を中心に広がっています。
小比類巻文隆さん
小比類巻さん
「最近の若い人は、大麻についてファッショナブルなイメージを持ってしまっている印象があります。SNSで検索するなかで見つけて、興味を持って手を出してしまったり、友人に勧められたりして手を出してしまう例が多いようです」
「日常生活で疑わしい人をみかけることも」 若年層への広がり、想像以上に
大麻関連の検挙人数は年々右肩上がりで、2023年には6342人にのぼりました。
特に若年層での増加が著しく、30歳未満ではこの9年間で4.4倍、20歳未満では7.9倍に急増しています。
警視庁時代、主に薬物関連の事件に関わってきた小比類巻さんは、日常生活の中で使用が疑われる人をみかけることがしばしばあると語ります。
小比類巻さん
「私は薬物使用者に現れる特徴を体感的に分かっているので、電車に乗っていたりフードコートで食事をしていたりしても『この人ちょっと様子がおかしいな』ということに気づくことがあります。私たちが思っている以上に、使用している人は多いということだろうと思います」
Q.近年、検挙人数が増えている理由は何でしょうか
「大麻は『ゲートウェイドラッグ』とも呼ばれます。コカインなどのより強いドラッグを使用する入り口になる薬物という意味です。強い薬物の取り締まりが厳しくなると、大麻の使用量が多くなってくるという現象がどうしても起きてしまいます」
新たな薬物「エトミデート」 プロ野球選手も摘発の「ゾンビたばこ」とは
プロ野球・広島カープの元選手に有罪判決
大麻のほか、新たな薬物も問題となっています。
プロ野球・広島カープ元選手の羽月隆太郎氏は5月15日、指定薬物「エトミデート」を使用した罪で執行猶予つきの有罪判決を受けました。
羽月氏はSNSの生配信で、自身を含め6人のカープの選手が、同じ人物からエトミデートを購入していたと発言しました。
「ゾンビたばこ」とは
羽月氏の事件が発覚したことで、エトミデートを含むリキッド(液体)を電子たばこで吸引する、通称「ゾンビたばこ」の問題が表面化しました。
エトミデートは海外では麻酔や鎮痛剤などとして使用される医薬品成分ですが、日本国内では未承認です。去年5月からは指定薬物となり、製造・輸入・販売・所持・使用が禁止されました。
小比類巻さん
「エトミデートも、SNSなどを通じて簡単に手に入ってしまうのが現状です」
「ゾンビたばこ」が広がった背景には、他の薬物との関係があります。
覚醒剤事犯の検挙数は、この10年で1万1200人から6306人へ減少しました。小比類巻さんは、他の薬物の取り締まりを厳しくしたために「ゾンビたばこ」が広まったと分析しています。大麻の検挙数増加と同じ構図といえます。
小比類巻さん
「ドラッグの世界には、ひとつの薬物が規制されると別の薬物がその“空席”を埋める、という現象があります。エトミデートは、覚醒剤などが規制強化によって売れなくなったために、その代わりとして新たに広がってきたのです」
「ニコパフ」も若者の間で広がり 使用は違法でないものの・・・?
「ニコパフ」とは
このほか若者の間では、「ニコパフ」の広がりも問題となっています。
ニコパフとは、ニコチン成分入りの液体を加熱して吸引する電子たばこの一種です。使用自体は違法ではないものの、日本国内での販売や譲渡は禁止されています。
大阪府警は去年3月、ニコパフを販売した疑いで大学生らを全国で初めて摘発しました。
大阪府警によると、去年夏ごろからニコパフを所持する若者が増えていて、主に未成年にまん延しているということです。
若者に広がる理由について小比類巻さんは次のように分析します。
・「ニコチンは大丈夫」というイメージがある
・吸っている姿がスタイリッシュにみえる
・未成年でもインターネットで安価に入手できてしまう
「ニコパフ」の問題点
厚生労働省は、海外ではニコチン以外の有害物質が含まれている事例もあるとして注意を呼びかけています。
また、ニコパフについて小比類巻さんは、他の薬物を使用するきっかけになる恐れがあると指摘します。
小比類巻さん
「ニコパフを扱う組織は、違法薬物の販売組織と繋がっている可能性が高く、薬物の世界の入り口のような役割を果たしています。そもそも、販売することが禁止されているものを国内で販売するのは犯罪組織です。そういった人たちは、ニコパフだけを扱っているわけではなく、他の薬物を準備しています」
Q.こうした薬物にはどう対応すれば良いのでしょうか
小比類巻さん
「犯罪組織は、違法薬物を諦めることはありません。手を変え品を変え、様々なものを販売しますので『いたちごっこ』になってしまいます。重要なのは、薬物を体内に取り入れることの危険性を周知していくことだと思います」
(「newsおかえり」2026年6月1日放送分より)
最終更新:06/05 15:00


