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中国で大発展!? 「人型ロボット」が大記録 陸上選手さながらの“走り”で人類の記録を超えるタイム 商業の現場だけでなく家事など日常生活にも浸透!? 背景に中国の国家計画&AIの発展が 一方の日本のロボット業界は?【深掘り解説】
06/09 18:48 配信
中国で普及しつつある人型ロボット
驚くべきパフォーマンスを見せる中国の人型ロボットたち。
発展の背景は一体?その実態を深掘り解説します。
マラソン大会で新記録 陸上選手さながらの走り
陸上選手のような走りをみせる「閃電」(ライトニング)
4月、中国で開催されたある“ハーフマラソン”の大会で、驚きの大記録が打ち立てられました。
スタートダッシュを見せたのは人ではなく、赤いロボット。
その名も「閃電」(ライトニング)です。
ロボットのマラソン大会に出場した「閃電」は両手を大きく振り、まるで陸上選手のようなランニングフォームで、カーブでもバランスを保ちスピードを落とすことなく颯爽と走り抜けていきます。
記者が並走を試みるも、あっという間に置き去りに・・・。
大記録を打ち立てた「閃電」
「閃電」の記録は50分26秒。去年も開かれた大会記録は2時間40分42秒で、わずか1年で一気に2時間近く短縮!
ハーフマラソンの人類世界記録、57分20秒をも上回りました。
今年を、人型ロボットの「実用化元年」と位置づけている中国。飲み物などの売店にも導入されるなど、すでに日常生活の場にロボットが浸透しています。
中国のロボット開発企業
「ロボット開発において最も重視しているのは実用性です。従業員のためにより優れた職場環境をもたらすことができます」
中国版「紅白」では見事なカンフーを披露 1年での発展すさまじく
カンフーを披露する人型ロボット
中国版紅白歌合戦とも呼ばれる、春節を祝う大型番組にもロボットが登場。
去年登場した人型ロボットは、二足歩行で足踏みをしながら、集団でパフォーマンスを披露し、中国伝統の“ハンカチ回し”をそつなくこなしました。
それにとどまらず、わずか1年後のことしは、去年と比べものにならない滑らかな動きで一糸乱れぬカンフーを披露しました。
華麗なヌンチャクさばきや、超特大の宙返りなど、アクションスターさながらの動きに、SNSでは「去年はハンカチ振るしかできなかったのにびっくり!」、「本物の人かと疑っちゃったよ!」などといった驚きの声が上がりました。
中国ロボット発展の背景にAI
スピーチする王興興CEO
この滑らかなカンフーを披露した人型ロボットを開発したのは、杭州市で急成長したロボット企業「ユニツリー」。
創業から、わずか10年の新興企業です。
中国が誇るテクノロジーの象徴となった人型ロボット。飛躍的に進化した背景には何があったのでしょうか。
「ユニツリー」の広報担当者
「(ロボットの進歩は)AIの発展に伴うものですね。AIにとって人型ロボットは最も動かしやすいハードウェア(実体)です。両者が組み合わさることで今後も一層発展すると思います」
5年前、中国政府は国の新しい柱として、ロボット産業を飛躍的に発展させる国家計画を発表しました。
劇的な技術の発展について、ユニツリーの創業者はこう話します。
ユニツリー創業者 王興興CEO
「中国におけるAIロボットの爆発的な成長は国家政策のサポートなしには考えられません。業界を代表して感謝いたします。AIとロボットは新時代。最大のチャンスであり、若い世代にとってもチャンスです」
人型ロボットのショップに行ってみた! 目を引く人型ロボットに手頃な価格設定
目玉商品の「G1」
中国ロボット業界の最先端を探るため、「ユニツリー」の店舗を、上海支局の尾崎文康記者が取材しました。
上海市内の一等地にオープンしたショールーム。
尾崎記者
「レストランやアパレル店が並んでいる中にロボットのお店ができたというのは、誰でもロボットに手が届く時代が来たことを感じさせますね」
「ユニツリー」の目玉は人型ロボット「G1」です。価格は84,500元、日本円で200万円ほどと、ロボットとしては手頃な価格設定が「ユニツリー」の特徴です。
手頃な価格の4足歩行ロボット
店内には、4本足の犬型ロボットも展示されていました。犬型も人気で、中国ではイベントでのレンタルも多いとのことです。
価格は手頃なもので20万円から30万円台、車輪付きのしっかりしたモデルでも140万円程度です。
荷物を運んだり危険な場所をパトロールさせたりといった用途で中国では普及しているそうです。
ロボットのパフォーマンスに見入る子ども
店内では犬型ロボットによるパフォーマンスが披露され、それに小さな子どもたちが釘付けになっている光景も。
「ユニツリー」は、創業者が30代で非常に若い企業ですが、すでに中国のロボット産業を代表する存在になっています。
ただそれは珍しいことではなく、中国では30代~40代の若い経営者が率いるロボット企業が多く、互いに切磋琢磨しながら成長しているといいます。
「ユニツリー」がある杭州はハイテク産業の集積地で、「中国のシリコンバレー」とも呼ばれるほどの熱気にあふれていて、中国のロボット産業の盛り上がりがうかがえます。
世界のロボット業界で“覇権”握る中国のカラクリは?
人型のロボット日本の勝ち筋も
中国でロボット産業が急成長している背景について、千葉工業大学未来ロボット技術研究センターの古田貴之所長が解説します。
古田さんによると、中国はばく大な資金を目当てに多くのベンチャーを乱立させ、競わせて勝ち残った企業を育てるという、いわば「バトルロワイヤル方式」を採用しているということで、これは、かつて500社あったEVメーカーが数十社に淘汰されたのと同じ戦略だといいます。
中国国内では、少子高齢化による労働力不足が深刻な問題となっていて、解消が急務となっています。
一方、中国の世界戦略としては、従来の画面の中のAIではなく、「身体を持ったAI」でアメリカから覇権を奪いたいという狙いがあります中国が人型のロボットにこだわる理由については、国内で、少子高齢化による労働力不足が深刻な問題となっていて、解消が急務となっていること。また世界戦略として、従来の『画面の中のAI』ではなく、『身体を持ったAI』でアメリカから覇権を奪いたい狙いがあるといいます。
そのためには、ただ賢いだけのAIではダメだと古田さんは語ります。
千葉工業大学未来ロボット技術研究センター・古田貴之所長
「たとえば、『コンビニの棚にサンドイッチを並べて』と指示しても、ChatGPTのようなAIは指示を理解できても、どう体を動かせばいいか分かりません。AIの知能を実際の行動につなげる「フィジカルAI」が不可欠です」
最後に、中国が目指す「身体を持ったAI」の実現に日本の活路が隠されていると古田さんは分析します。
古田さん
「ChatGPTのようなAI(大脳)がどんなに賢くなっても、身体を動かす運動神経(小脳=フィジカルAI)が発達しても、肉体(ロボットの身体)がやわでは産業が成り立たない」
「世界がITへ舵を切り工業を軽視する中、先進国で日本は「ものづくり」を維持してきました。今後、『超優秀なAIが要求する最高の器』を提供できるのは、一周回って日本しかない可能性がある」
(「newsおかえり」2026年6月8日放送分より)
最終更新:06/09 18:48


