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世界遺産のことどれだけ知っていますか? 「飛鳥・藤原の宮都」の次の登録有力候補は? 富士山の登録抹消を懸念する声も “絶対に行くべき”専門家オススメ世界遺産

06/11 11:30 配信

知っているようで知らない世界遺産のハナシ

 奈良県の「飛鳥・藤原の宮都」について、ユネスコの諮問機関が登録がふさわしいと勧告。世界文化遺産に登録される見通しとなりました。

 しかし、世界遺産は一度登録されれば安泰というわけではありません。NPO法人・世界遺産アカデミーの主任研究員、宮澤光さんに詳しく聞きました。

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そもそも世界遺産とは? 登録までの長い道のり

そもそも世界遺産はだれが決める?

 世界遺産とは「人類共通の財産」であり、みんなで守ろうという理念のもと、2026年4月時点で196カ国が条約を締結し現在、1248件が登録されています。これらは「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」の3つに分類されます。

 世界遺産に登録されるまでには、各国の政府が作成した「事前のリスト」の中から、条件が整った候補を1件だけ推薦し、ネスコの諮問機関(ICOMOS、IUCN)が現地調査をし勧告を作成、その後、勧告などを世界遺産センターが締約国や世界遺産委員会に提出します。そして、世界遺産委員会で最終決定が下されるという長いプロセスがあります。

NPO法人・世界遺産アカデミー主任研究員、宮澤光さん

 宮澤さんによると、推薦までに数十年かかることもあるといいます。その理由について、宮澤さんは「有名なものや素晴らしいものから順番に登録するわけではない」と指摘しました。

宮澤さん
「世界遺産は、人類や地球の歴史全体を守っていきましょうというものなので、すでに登録されているものではなく、穴になっているところを順番に登録していこうということになっています。そのため、まず暫定リストを作る時にも、どれが穴になっていて、それが日本にあるのか、きちんと登録されるのかという点で選ぶので、とても大変なんです」

 さらに、1カ国から1件しか推薦できないルールも、登録までの道のりを長くしている要因だといいます。宮澤さんは例として彦根城を挙げ、姫路城が木造城郭として、すでに世界遺産になっているので、彦根城は違う価値を出さなくてはいけない。暫定リストに入ってから30年以上経っていますが、まだ推薦に至っていないと、その難しさを語りました。

富士山は「文化遺産」 その理由は…

 世界遺産には「文化遺産」「自然遺産」、そしてそれら両方の価値を持つ「複合遺産」の3つに分けることができますが、2013年に登録された富士山は「文化遺産」に分類されます。

 意外に感じる人もいると思いますが、宮澤さんは次のように解説しました。

宮澤さん
「自然遺産というのは、人の手が入っていない自然の歴史を伝えるものですが、富士山は登拝、登ることが信仰になっているので、人工物がたくさんあります。そのため、自然遺産では評価できないということで文化遺産になりました」

 また、日本には複合遺産が生まれにくい背景として、文化を管轄する文化庁と自然を管轄する環境省で法律や省庁が分かれているという国内事情も影響しているということです。

登録抹消は現実に…ドイツとオマーンの事例を紹介 富士山もひと事ではない!?

世界遺産、実は登録抹消されることも…

 一度登録されても、その価値が損なわれれば「登録抹消」となるケースも存在します。

 ドイツの「ドレスデン・エルベ渓谷」は、2004年に登録されましたが、交通渋滞緩和のための橋の建設が住民投票で決定され、建設が始まったことで「文化的景観」という価値が損なわれたとして抹消されました。

 また、オマーンの「アラビアオリックスの保護区」は、1994年に登録されましたが、2007年に政府が天然ガスなどの資源開発のために保護区の約90%を縮減。これにより「普遍的価値が失われた」と判断され、抹消に至りました。

富士山でも“抹消”懸念の声…

 この「登録抹消」の危機は、日本の富士山もひと事ではありません。2013年の登録以降、来訪者が急増し、登山客の混雑やゴミのポイ捨てといった問題が深刻化。山梨県の長崎幸太郎知事は「このままではやがて、最悪“世界遺産抹消”される恐れも」と懸念しています。

 宮澤さんは「世界遺産は観光客、環境保全のコントロールが大事」と指摘します。富士山については、具体的な抹消の話が出ているわけではないものの、現状が改善されなければ、その可能性は否定できない状態にあるということです。

宮澤さん
「信仰の対象なのに、観光客が多すぎて大渋滞になっていたりとか、ゴミ問題があったりすると世界遺産としての価値が損なわれるのでは、ということで危機遺産になったり、世界遺産ではなくなってしまう可能性があります」

専門家が選ぶ「絶対に行くべき」世界遺産

 宮澤さんがおすすめする世界遺産を2つ紹介してもらいました。

 一つ目は、アメリカの「イエローストーン国立公園」。宮澤さんは「地球の鼓動を感じる世界遺産」と表現します。1872年に世界で初めて設立された国立公園であり、1978年に世界で最初に登録された12件のうちの一つです。熱水泉の鮮やかな色はバクテリアによるもので、季節や時間帯によってその色合いが変化することから、「地球も人間と同じように生きて変化することが分かる遺産」だとその魅力を語りました。また、この公園の100周年を記念して、自然遺産や文化遺産を保護する国際的な体制を立ち上げる動きがあったことから、世界遺産条約が作られることになったという歴史的な重要性についても説明しました。

 二つ目は、ブラジルの首都「ブラジリア」。宮澤さんは「まるでSFな世界遺産」と表現します。この都市は1960年に荒野にゼロから建設された計画都市で、その姿は「ジェット機型」と称されます。ヨーロッパの歴史都市とは異なる未来的な景観が広がっており、そのユニークさを強調しました。

次の有力候補は彦根城?「2年後に期待」

次の有力候補は彦根城?

 最後に、日本国内で次に世界遺産登録が期待される候補として、宮澤さんは「彦根城」を挙げます。

 彦根城は「事前評価制度」をすでに受けているため、最短で2年後には登録される可能性があるとのことです。すでに登録されている姫路城との差別化については、宮澤さんによると「300年近く続いた江戸時代の平和な社会を地方で実現したという点で評価されている」ということです。

(「newsおかえり」2026年6月9日放送分より)

最終更新:06/11 11:30

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