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関西のクマが人を襲う危険性は? 京都や兵庫で目撃情報相次ぐ 「アーバンベア」を増やさないために…専門家が対策の必要性を強調

06/17 15:00 配信

神戸で初出没…関西で目撃が多いワケ

 関西各地でクマの目撃情報が相次いでいます。神戸市内では初めて出没が確認され、京都の観光地・天橋立や、兵庫県の宝塚市、西宮市などでも目撃されています。

 なぜ今、クマの出没が増えているのか、その危険性について、兵庫県森林動物研究センターの横山真弓さんが詳しく解説しました。

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関西各地でクマの目撃相次ぐ、神戸市では初の出没確認

関西各地でクマの目撃相次ぐ

 京都府宮津市の天橋立付近では10日に1頭が出没し、麻酔銃で捕獲・駆除されましたが、その2日後の12日には再び目撃情報が寄せられました。

 兵庫県では、11日に神戸市北区で1頭の姿がカメラに捉えられ、神戸市で初めての出没が確認されました。これを受け、13日には捕獲用の檻が設置されています。12日には西宮市名塩赤坂と中国自動車道・西宮名塩サービスエリア付近で、数分の間に2件の目撃情報がありました。

 さらに15日夜、宝塚市川面の県道をバイクで走行していた男性が体長約1mの黒い動物を目撃したということです。警察はクマの可能性が高いとして注意を呼びかけています。

なぜこの時期に出没が増えるのか? 2つの要因

兵庫県森林動物研究センター研究部長・横山真弓さん

 この時期にクマの出没が増える理由について、横山さんは2つの要因を挙げました。

 一つは「繁殖期」です。6月から8月はクマの繁殖期にあたり、特に大人のオスは繁殖のために広範囲で動き回る傾向があります。

 もう一つは「親離れ」です。春は、1歳になった子グマが親元を離れて自立する季節。親と過ごした場所から去り、新たな生息地を求めてさまざまなエリアを動き回ります。

 横山さんは、これらの要因が重なることで「大人と子どもの両方が今まで活動していなかった場所に行くので突発的な出没が増えやすい時期」と説明。これは今年に限ったことではなく、毎年この時期に見られるクマの生態的な特徴であると述べました。

兵庫県では「頭数管理」の取り組みも

兵庫県のクマ対策の取り組み

 関西のクマの個体数は増えているのでしょうか。目撃が相次いでいる兵庫県では、クマ対策の「最先端」とも言える取り組みが実施されています。

 兵庫県では2003年、ツキノワグマに絶滅の恐れがあるとして保護政策を開始。個体数を把握するため、捕獲したクマにマイクロチップを装着して放獣し、生息数や行動範囲のデータを蓄積してきました。

 そのデータに基づき、頭数をコントロールしています。個体数が400頭未満の場合は、人里に出たクマを爆竹や唐辛子スプレーなどで脅かし、山へ帰します。一方、400頭以上に増え、人里で事故が起きた場合は「駆除」に踏み切るということです。

1つの個体群で800頭以下に調整する管理計画

 現在、兵庫県内には2つの地域個体群が存在し、西側の「東中国地域個体群」には710頭、東側の「近畿北部地域個体群西側」には837頭と推定されています。

 これを受け、兵庫県は岡山、鳥取、京都の4府県と連携し、1つの個体群の数を800頭以下に調整する管理計画を進めています。

横山さん
「私達も試行錯誤を重ねながら進めていますが、環境省が800頭いれば絶滅しない数という基準を出しているので、まずはそれに従って800頭で管理して、被害の状況や人との共存をみているところです。おおむね、人身事故もかなり低い状況になっていて、めったに大きな事故が起こっていないという状況ですので、今はいったん800頭で管理をしています」

被害が深刻化する東北との違いは“20年間のデータ蓄積”

クマは全国的に増加傾向

 横山さんによると、クマによる被害が深刻化している東北地方と関西では「データの有無」が大きな違いだといいます。

横山さん
「(東北地方は)兵庫県よりずっと山が深くて広範囲で、クマがいて当たり前という環境の中で、あまり個体数の調査がされてきていません。気づいた時にはもう激増しているという状況です」

 そのため、環境省が主導し、今年から東北でも精度の高い調査が始まる段階ではありますが、対策には約20年のタイムラグがあるということです。

関西のクマが人を襲う危険は?  専門家が語る「アーバンベア」対策の必要性

クマは全国的に増加傾向

 2026年度のクマによる人身被害の半数以上が人の生活圏で起こっています。

 人里の食べ物の味を覚え、人を恐れなくなった「アーバンベア」の増加が問題となっていますが、関西のクマが人を襲う危険はないのでしょうか。

 横山さんは次のように解説しました。

横山さん
「関西のクマはまだ人に慣れていない。若いクマの割合が増えてきている。若いクマに人間界のおいしいものを覚えさせないことが大事」

 横山さんによると、関西では2010年頃にアーバンベアが多発した時期がありましたが、その際に人なれした高齢の「問題個体」を駆除してきた経緯があります。その結果、現在の関西のクマの個体群は、問題行動を起こす高齢のクマが少なく、若いクマの割合が多い、比較的健全な状態にあると説明しました。

 京都の「天橋立」付近に出没したクマの映像についても、人を恐れて逃げ惑う様子から攻撃性はなく、たまたま新しい生息地を求めて人里に出てきてしまった個体だと分析。しかし、こうした若いクマに人里の味を覚えさせないための対策が、今後ますます重要になると強調しました。

もし遭遇してしまったら…専門家が教える対処法

 万が一、クマに遭遇してしまった場合はどうすればよいのでしょうか。横山さんは、クマ自身も人に会うとパニック状態に陥ることがあると指摘し、人間側が冷静に対応することの重要性を訴えました。

 人間がパニックになり、大声を出したり騒いだりすると、かえってクマを興奮させてしまう危険性があります。

 しかし、そうは言ってもパニックにならないのは難しいので、「大声を出してしまうとクマを興奮させてしまう可能性があるということを知っておくだけでも、かなり違ってくる」と述べ、冷静な避難を心がけるよう呼びかけました。

(「newsおかえり」2026年6月16日放送分より)

最終更新:06/17 15:00

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