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地元住民からは「喜び」「困惑」半々?? 北陸新幹線延伸「桂川案」絞り込み

07/15 18:42 配信

 福井県の敦賀駅から新大阪駅までの延伸が計画されている北陸新幹線。
 延伸ルートを再検討していた与党整備委員会は15日、福井県小浜市から京都市の桂川駅付近を通る「桂川案」に絞り込んだことを明らかにしました。

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紆余曲折のルート選定 仏教会からは「千年の愚行」の声も

京都仏教会が強い危機感を表明

 延伸ルートをめぐっては、2016年に当時与党だった自民・公明の整備委員会が「小浜-京都」を選定。
 しかし、このルートについては京都市などから財政負担や地下水への影響を懸念する声が上がっていました。

 中でも強い危機感を示していたのが京都仏教会です。

京都仏教会 長澤香静事務局長(2024年)
「(要望書に)千年の愚行とならないようにという言葉を入れております」

 京都仏教会は13日にも見直しを求める約6万3000人の署名を整備委員会に提出しています。

連立与党の枠組み変わりルート再検討で合意したのは・・・「桂川案」

与党整備員会の前原誠司氏(左)と西田昌司氏(右)

 去年、連立与党の枠組みが変わり、整備委員会に参加した維新の要望で小浜・京都ルートを含む8つのルート案で再検討することになりました。

 そして15日、ようやく小浜・京都ルートの「桂川案」に決まりました。

 委員会後の囲み取材で、与党整備委員会の自民・維新の両共同委員長が説明しました。

自民・西田昌司共同委員長
「利便性とか事業者利益、利用者利益、経済効果等を考えると(小浜・京都の)南北ルートだと思うが、なかなか着工するには地元自治体、市民の理解がまだまだ乏しい。
早期に着工するためには桂川ルートのほうがより市民の理解が得られやすいのではないか」

(記者Q.後戻りはない?)
「後戻りはもちろんない。ないように進めていかないといけない」

(記者Q.(桂川に)ターミナル駅の整備が進むことへの期待は?)
維新・前原誠司共同委員長
「西の新たな玄関口になるポテンシャルがあるのは間違いない。
 京都市内へのアクセスをどのようにしていくのか、(京都市から)要望が出てくればしっかりとアクセス改善のためのサポートを国としてやっていく」

地元・京都は「歓迎」よりも「懸念」 新駅設置見通しの桂川はどんなところ?

松井孝治京都市長(左)西脇隆俊京都府知事(右)

 「桂川案」の工費は、最大5兆5000億円にのぼると試算されています。
 その3分の1を負担することになる地元自治体の長から聞かれたのは、「歓迎」よりも「懸念」の声でした。

京都府・西脇隆俊知事
「京都府域を通る場合は、府民の皆さんの理解と納得と関係市町の協力が不可欠。できる限り負担の軽減に向けて国に対応を求めていきたい」

京都市・松井孝治市長
「具体的に例えば財政1つをとっても市にとってどれくらいの負担になるのか。それをしっかり見極めていかなければならない」

 新幹線の新駅が建設される予定となっているのは、京都市南区にあるJR桂川駅付近の地下で、JR京都駅とは約5km離れた場所になります。

桂川駅の周辺住民

報告:岩本計介記者
「JR桂川駅の西口には大きなロータリーがあります。大型ショッピングモール、新しいマンションも建っています。
 駅の東側には一戸建て住宅が多く建っていて、公園もあります。そして田んぼもあり、非常に落ち着いた住宅街という印象です」

 静かな住環境と生活の利便性のバランスが整ったこの街に、新幹線の駅ができることについて、地元の人の賛否は割れました。

住人の声
「そこまで強く反対はしないけどちょっと怖いですよね。地震とかで掘ったら逆に地盤がゆるむんじゃないかとか。期待6割不安4割」

他にも・・・
「京都の水がどうなるかってありますよね、それが1番」
「旅行に行きやすくなるのですごい便利だなと思って楽しみです。昔は田んぼばっかりだったので、活性化されたらすごいうれしいです」

8つのルートから3つまで絞るも…『南北案』や『米原ルート』は採用されず

与党それぞれが掲げたルート案

 ルートの決定にあたっては、当初8つのルートがありました。

 それらの案の中から自民・維新の与党整備委員会は、「小浜・京都ルート」2案と米原ルートの合わせて3つに絞っていました。

 当初、自民は「小浜・京都ルート」のうち京都駅を通る「南北案」を提案し、維新は、滋賀県の米原に乗り入れる「米原ルート」を推していました。

 「桂川案」は自民・維新双方が掲げていたことから、今回の合意に至りました。

 住民からの不安に対し、与党整備委員会で維新・前原共同委員長は「桂川案とて地下を通す。その上に住んでいる方々の懸念をどう払拭していくかが今後の大きなミッション」と語りました。

 桂川駅から京都駅へは、JR京都線で約6分かけて移動する必要があります。アクセスについて自民・西田共同委員長は、「早期着工のためには桂川ルートの方が市民の理解を得やすいのでは。大阪府の新大阪駅のように”新京都駅”でやれないかと考えた」との構想を語りました。

「桂川案」でも残る5つの懸念

「桂川案」5つの懸念

 桂川案には、5つの懸念があると指摘されています。

①財政
 2016年時、建設費の試算は約2兆1000億円。それが物価高や建材費の上昇で約5兆5000億円まで膨れ上がっています。また、工期も15年から26年に延びています。

②地下水への影響
 “京都の地下水”は市民にとっても存在が大きく、酒造業の97.1%が利用しているのをはじめ、食品製造業、染色業の半分以上が京都の地下水を使っています。
 市内区間のほとんどが地下を通る想定の延伸は、地下水への影響が懸念されています。

③建設残土問題
 建設で発生する土の問題で、延伸ルートは約8割がトンネル。
 トンネルを掘ったときなどに発生する残土は10tトラック約180万台分ののぼると見込まれています。

④渋滞
 残土運搬など工事車両による長期間の交通量増加が見込まれ、周辺の道路で渋滞が慢性化する恐れが指摘されています。

⑤文化財への影響
 京都には国宝など歴史的建造物が点在していて、地下工事の最中に新たに史跡などが発掘された場合は、工事が止まることに。開業時期が後ろ倒しになるという懸念も。

 試算では「桂川案」の工期は26年で、開業は最短でも2050年代となります。
 その際に、北陸新幹線の需要はどのようになっているか、周辺自治体がどのように変化しているかは見通せていません。

(『newsおかえり』2026年7月15日放送より)

最終更新:07/15 18:42

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