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新・世界文化遺産「飛鳥・藤原の宮都」魅力は!? 考古学者がオススメの遺跡4選を紹介

07/27 18:57 配信

 26日、奈良の「飛鳥・藤原の宮都」が世界遺産に登録されました。

 おすすめの巡り方や魅力の秘密は!?
 考古学者ながら観光ガイド歴30年以上の専門家に案内してもらいました!

「よく知っている場所が登録されてうれしい」地元・奈良でも喜びの声 「飛鳥・藤原の宮都」が世界文化遺産に 

「飛鳥・藤原の宮都」が世界文化遺産に 専門家おすすめの4カ所は

「飛鳥・藤原の宮都」の世界文化遺産への登録決定

 26日、奈良県の「飛鳥・藤原の宮都」の世界文化遺産への登録が決定。
 これで日本国内の世界遺産は27件となりました。

 「飛鳥・藤原の宮都」は今から約1400年前の飛鳥時代の遺跡群です。

 当時、権力を持っていた豪族・蘇我入鹿を、中大兄皇子や中臣鎌足らが乙巳(いっし)の変で打倒。
 その後、天皇を中心とする中央集権国家が築かれ、「日本」という国号も誕生した歴史的な時代を示すもので19の資産で構成されています。

中村想人アナ(左)と来村多加史先生(右)

中村想人アナウンサー
「きょうは『飛鳥・藤原の宮都』を巡りたいと思います!が、わたくしには全くと言っていいほど知識がないので、きょうは専門の先生にお越しいただきました!」

 遺跡を案内してくださるのは考古学者であり、観光ガイド歴30年以上の来村多加史先生。飛鳥・藤原の宮都を構成する19の資産のうち、先生のおすすめの遺跡4カ所を巡って、見るべきポイントを教えていただきます。

来村先生「その前にちょっとね、気分を変えたいなと思いまして、ちょっと衣装を変えましょう!」
中村アナ「ということで着替えました。あれ?だいぶ差がありますね」
来村先生「そちらは舎人(とねり)という付き人。私は上級なお役人」
中村アナ「会社でいうと、どのくらいの差が?」
来村先生「部長と新入社員ぐらいかな」
中村アナ「結構ありますね」

オススメ①牽牛子塚古墳 古墳の形と石室に注目!

最初にやってきたのは「牽牛子(けんごし)塚古墳」

 古代の衣装に着替えたら早速最初の遺跡へ。最初にやってきたのは「牽牛子(けんごし)塚古墳」。牽牛子塚古墳に埋葬されているのは乙巳の変ののちに日本初の生前退位をし、その後2度目の即位をした女帝・斉明天皇だと言われています。

 ここで最初のポイント!「古墳の形に注目!」

来村先生
「真上から見ると八角形。古墳は丸いものや四角いもの、鍵穴のような前方後円墳はたくさんありますが、こういうしっかりとした八角形というのは珍しい」

 八角形の古墳は、中国の思想を取り入れて造られたもので「天命を受けながら大地を治める」という支配者の象徴でもあるそうです。

2つの部屋がある石室

中村アナ「おお、なんかありますね」
来村先生「石室でございますね」

 石室とは「遺体を納める部屋」のこと。石室は決まった時期にしか公開されていませんが、今回特別に中を見せていただけることにー

 ここでポイント!「2つの部屋がある石室!」

来村先生「左右に2つの部屋があるのが一番の特徴ですね」

 斉明天皇と一緒に埋葬されたのは斉明天皇の娘だと言われていて、「最愛の娘と共に眠りたい」という斉明天皇の遺志によるもの、かも知れないそうです。

オススメ②石舞台古墳 見えている石は実は…

続いてやってきたのは「石舞台古墳」

 続いて2人がやってきたのは、国の特別史跡にも指定され、明日香村の顔とも言える石舞台古墳。かの有名な蘇我馬子が埋葬されていたと言われています。

 ここでポイント!「見えている石は見えないものだった!」

来村先生
「実はこういう石は本来見えないものなんです。この上に墳丘を作らないといけないので、それがなぜか露出してしまっている。それが歴史の謎なんですよ。乙巳の変、昔は大化の改新と呼んでいましたが、あれで蘇我家が没落します。それと関係があるんじゃないか、という方もいらっしゃる。これが露出してから、踊れるような石だということで石舞台という名前がついた」

石室の奥には権力の象徴?

 古墳の謎が少しわかったところで石室にー

来村先生「ここは日本でも有数の巨大な石室で、巨石古墳なんて呼ばれております」

 この広い石室にもポイント!「石室の奥に権力の象徴?」

来村先生「数ある石の中で、一番の見せどころがありまして」
中村アナ「上じゃないんですか?」
来村先生「上じゃないんです、奥なんです。奥が一番の見せ石、つまり鏡石なんです」

 「鏡石」とは城の石垣や入り口に設置される権力の象徴とされる巨石。石室を作る際に、石室がより立派にみえるように鏡石が置かれたということです。

来村先生「もともと上と下でひとつの石でした。ところが上の石の重さに耐えきれず、ひびが入ってしまった。他の石と比べると一番大きいでしょ」
中村アナ「縦3m、横3m以上ありますね」
中村アナ「なおかつ丸みを帯びてるので、一番美しく見える」
中村アナ「入っていって、その正面にドンと」
来村先生「ドンと、見せ石ですね。これが横穴式石室の1つの鑑賞法というか、見どころ。奥にどれほど良い石を使ってるのかということです」

地元の食材を使ったグルメも堪能!

ブランシエラ石舞台テラス

 まだまだ話はつきませんが、そろそろお昼の時間。衣装を脱いでお昼ごはんにー。

 やってきたのは、石舞台古墳から歩いて3分のところにある、長谷工グループが運営する「ブランシエラ石舞台テラス」。
 ここは、レストラン&ステイの体験型ホテルとして去年7月にオープンしました。

 2階の客室は、奈良の吉野ヒノキで造られた家具に囲まれていて、テラスからは明日香村の自然を一望することができます。1室2食付で3万2000円~(1人あたり)、オールインクルーシブでラウンジなどが楽しめます。

「石舞台カレー」1800円(税込)

 レストランで2人が頼んだのは…明日香村で採れた野菜に石舞台を模したコロッケが特徴の石舞台カレーと、石舞台定食。せっかくなのでテラスでいただきます。

来村先生「いただきます。うん、石舞台!」
中村アナ「いただきます。おいしい、しっかり味が濃いですよ。奈良っていいですね。土地の豊かさを感じますよ」

オススメ③酒船石 造っていたのは酒じゃなかった!?

3カ所目は「酒船石」

 美味しい食事をいただいたあとに、やってきたのは酒船石。
 この石を使って酒を造っていたと考えられたことから、この名前がつけられたということですが…

 さっそくポイント!「造っていたのは酒じゃなかった!?」

来村先生
「一番考えられるのが、キョンシーのおでこに貼るお札。(中国の道教では)お札を水に溶かして病人に飲ませると治りますよと言っていた。だから言ってみれば、疫病を防ぐための水を造るという」

 ほかにも「油を絞るため」や「砂金の精選に使われた」という説もありますが、今もはっきりしたことはわかっていません。

オススメ④藤原宮跡 注目は平原にある林

最後にやってきたのが「藤原宮跡」

 最後にやってきたのが、藤原宮跡です。さっそくですがポイント!「注目は平原にある林」

来村先生「木のところなんか野原が盛り上がってません?」
中村アナ「ちょっと島みたいになってますね」

 広い野原にぽつんとある林。そこがまさに、天皇が政務や儀式を行っていた場所で、藤原宮の中心となる建物があった場所です。

来村先生
「大極殿という今でいう国会議事堂みたいな建物でして、大極殿には持統天皇とか文武天皇、元明天皇とかがいらっしゃったので、飛鳥時代の天皇がいたところに立てるというのが非常に贅沢」

大和三山が見渡せるスポットも

 さらに、ある場所に案内していただいたところでポイント!「1300年以上変わらない山の風景」

来村先生
「ここは有名な大和三山が見渡せるというところですね」

1300年以上変わらない景色を見ることができます

 畝傍山、天香具山、耳成山の三山からなる大和三山は、藤原宮の三方にあり、都を永遠に安定させる役割を担っていたようです。藤原京をどこに置くかを決める際の決め手にもなったと言われるほど、非常に重要な存在だったといいます。

来村先生「世界遺産は遺跡の環境が大事だみたいなこと言われますけどね。ここはそういう意味ではもう抜群ですね。環境を守ったというのが大切です。それと同時に、都をつくる決め手になった三山が今もこのような形で見渡せるというのも、いいんじゃないですかね。」

 1300年以上の時を経て、世界遺産に登録された「飛鳥・藤原の宮都」。その姿を現代まで残し続けてこられたのは、地元の人の努力があるからだと言います。

来村先生
「実際このように美しく見えるのも、草を刈らないと草ぼうぼうになるので、地域の方々の努力で美しい風景が保たれているということも忘れちゃいけないなと。それを感じていただきたい、というのもありますね」

世界文化遺産登録の一方で課題も…

かつて「古代史ブーム」で観光公害が問題になったことも…

 今回、世界遺産に選ばれたことで注目度が高まる一方で、懸念されていることもあります。

 1972年に高松塚古墳で「飛鳥美人」が発見されました。当時は大発見とされて古代史ブームが訪れ、1982年度の観光客は約175万人に急増。

 しかし、観光客の増加によって、地元住民の敷地や田んぼに侵入するトラブルや、ポイ捨ての増加で観光公害になってしまいました。

 現在では観光客数は72万人(2025年度)まで減少。
 加えて宿泊施設も23施設・265客室と、あまり多くないのが現状です。

 さらに明日香村は道幅が狭く、駐車場も少ないといいます。明日香村・世界遺産戦略課の担当者によると「新たな土地を利用するなどの急激な対応は難しい。年間120万人を目標に、徐々に受け入れ態勢を整えていきたい」としています。

(「newsおかえり」2026年7月27日放送分より)

最終更新:07/27 19:10

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