関西ニュースKANSAI
インフルエンサーとやり取りしていたはずが…いつの間にか“別人”に? SNSで副業持ちかけ詐欺か 巧妙な手口の実態
07/31 11:30 配信
SNSで副業持ちかけ詐欺か 41人を逮捕
SNSを通じて副業を持ちかけ、お金をだましとったか
全国で、約6億5000万円に及ぶ被害が出た特殊詐欺事件。主犯格の1人は、大阪市の会社役員・松村真吾容疑者。
先月、松村容疑者の会社を警察が一斉捜索すると…
記者リポート
「こちらのビルの一室に松村容疑者の会社のオフィスが入っていて、この会社の関係者41人が逮捕されました」
41人が逮捕され、1000点以上のスマホやパソコンが押収されました。詐欺グループはSNSを通じて副業を持ちかけ、お金をだましとっていたとみられています。
その際、グループが目を付けたのは、SNSの「インフルエンサー」でした。
「料理や子育ての投稿で親近感」インフルエンサーからの“メッセージ”きっかけに…
大阪府在住 Aさん(30代)
Aさん
「何がうそで何が本当かも、見分けるのは無理だと思います」
大阪府内に住む30代のAさん。会社に勤めながら、3人の子どもを育てるお母さんです。2年前から、子ども向けのお弁当を紹介するインフルエンサーのSNSアカウントをチェックしていました。
ある日、そのインフルエンサーから“メッセージ”が届いたといいます。
Aさん
「『25万円を払うと月10万円ぐらいの収入をSNSの運用だけで得られる副業があるので、やってみませんか』と」
WEB教材を購入し、サポートを受けながらアフィリエイト収入を得る副業をやってみないかと誘われたのです。
最初は興味がなかったというAさんですが、丁寧なメッセージのやりとりが続くうちに、次第に気持ちが変わっていきました。
Aさん
「フォロワーの数だったりとか、インスタでのアカウントで投稿されている内容も、同じ主婦としてお料理や子育てのことだったので、親近感が湧くようになってきて」
約25万円を支払うも…収入を得る具体的な方法は教えられることはなかった
料金が高いと思いつつも、子ども達のためにお金を増やしたい気持ちと、インフルエンサーへの信頼から約25万円を支払いました。
しかし、教材に従いサポートを受けていても収入を得る具体的な方法を教えられることはなく、その後、詐欺だと気づきました。
Aさん
「一生懸命言われたとおりにしてたので、全部無駄だったかなって思うと、スマホを触ってた時間も、子どもと過ごしてあげたらよかったなとか、自分に対しても情けないといいますか、もったいない時間を過ごしてしまった」
インフルエンサーとやり取りしていたはずが…途中から“全くの別人”に?
インフルエンサーとやり取りしていたはずが…途中から“別人”に?
実は、Aさんがやり取りしていたインフルエンサーは、途中から“全くの別人”に変わっていたとみられます。
詐欺グループは、仲介業者を通してフォロワー数の多いSNSアカウントを購入。アカウントの持ち主だったインフルエンサーになりすまし、副業の投稿をする役、フォロワーから相談を受ける役などに分かれ、詐欺行為をしていたとみられています。
さらに、アカウントを維持するため、副業と関係の無い投稿も続けていたとみられます。メンバーの1人が取材に応じました。
詐欺グループのメンバー
「友達からSNSの投稿を一時的に頼まれたので、料理の動画を投稿していた。詳しいことは何も知らない」
ウェブ上には多くのSNSアカウントが出品
信じていたインフルエンサーが、いつの間にか別人に。ウェブ上には、SNSアカウントを売買するサイトがいくつも存在しています。
記者リポート
「SNSのアカウントの売買を仲介しているウェブサイトでは、多くのアカウントが出品されています。こちらは400万円を超えていますね。かなり高額で取引されています」
大地総合法律事務所 佐久間大地弁護士
専門家は…
大地総合法律事務所 佐久間大地弁護士
「インフルエンサーとか、何となくすごそうな人を使って集客して、だましにかかる典型的なやり口」
3~4年前からフォローしていたアカウントから突然「在宅ワーク」の誘い
3~4年前からフォローしていたアカウントから突然「在宅ワーク」の誘い
インフルエンサーを装った詐欺。大阪府警担当の岡谷藍記者がその実態について解説します。
今回取材に応じたのは、沖縄在住の30代の妊娠中の主婦です。出産後も、子どものそばにいながらできる在宅ワークを探していました。
女性が3〜4年前からフォローしていたのは、便利な100均グッズの紹介などを発信するインスタグラムのアカウント、フォロワーは23万人でした。
ところがある日突然、「在宅ワークをしませんか?」という呼びかけをするようになりました。内容はインスタグラムのアフィリエイト収入を得るためのノウハウを教える、というもの。
被害者たちは「いつから入れ替わっていたのか全く分からず」
大阪府警担当・岡谷藍記者
女性がDMで「興味があります」と連絡したところ、やり取りはすぐに「専門的な話をするので、LINEで話しましょう」と個別のLINEへと移行させられました。
女性は教材・指導費として約44万円を支払いましたが結局、収益が得られるような結果には結びつきませんでした。
なぜこうなったのでしょうか。実はこのアカウント、途中から詐欺グループがインフルエンサーになりすましていたとみられています。
岡谷記者は複数の被害者に取材しましたが「いつから入れ替わっていたのか、まったく分からなかった」と口をそろえていたということです。
岡谷記者
「今回、大阪府警は去年の秋ごろからの容疑で逮捕しましたが、詐欺グループはその時点でアカウントを買い取って、インフルエンサーになりすましているので、在宅ワークの勧誘投稿が始まった時点では、すでに詐欺グループが運営していたとみられています」
なぜ被害に? そこには4つの“落とし穴”が…
こんな投稿見たことは?
なぜ詐欺だと気づくことができなかったのでしょうか。そこには4つのポイントがあります。
・フォロワー数が多く、ずっと投稿を見ていた
・なりすました後も以前と同じ投稿を続けていた
・プライベートで顔を出すような投稿もあった(実際はネット上のフリー素材や他人の写真だった可能性も)
・やり取りが丁寧で、子育ての悩みにも共感してくれた
岡谷記者
「もともとはお弁当や商品紹介、ダイエットのアカウントだったりするので何の疑問も抱いていません。その中で、プライベートな投稿が増えて、少しずつ副業の話が織り交ぜられるようになります。プライベートな投稿も『きょう子どもとマクドに行ってきました』とか『ママ友とランチ行きました』といった内容なので、まさか詐欺グループとは思いません」
2025年度の“副業”詐欺は2962件 約7割がSNS経由とみられる
全国の“副業”詐欺件数は2025年度で2962件。そのうちSNSとみられるものは約7割にのぼります。
佐久間弁護士は「なりすましの場合は、最初に詐欺と見抜きづらい。お金を払う段階で一度冷静になってほしい」と注意を促します。
もし被害に遭ったら、まずここへ
詐欺に遭ってしまった場合、直接振り込みでの支払いはお金が戻ってこない場合があります。クレジットカードの分割払いであれば、カード会社に連絡を。
トラブルに遭った時は、以下に相談してください。
・消費者ホットライン:188(「いやや」と覚えましょう)
・警察相談:#9110
(「newsおかえり」2026年7月30日放送分より)
最終更新:07/31 11:30


