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空き家が突然崩壊し生活道路をふさぐ でも法律上は「空き家ではない」 “隠れ空き家”とは・・・

10/07 13:48 配信

 大阪市生野区で、ある空き家が突然、崩壊しました。2階の壁が斜めに滑り落ち、生活道路をすっかり塞いでしまった現場。しかしこの空き家、法律上の区分は"空き家ではない"といいます。全国で増え続ける空き家問題の中でも、特に見えにくい"隠れ空き家"のリスクとは何か。ニュースの現場からお伝えします。

【岩本計介ニュースの現場から】突然の長屋崩壊 「きのうもミシミシ・・・」 "隠れ空き家"のリスクどうすれば?

雨が降るたびミシミシと 崩壊したがれきが道路をふさぐ

大阪・生野区で空き家が崩壊した現場

 10月1日、大阪市生野区の住民から「空き家が崩れそうだ」と119番通報がありました。駆けつけた消防隊が崩れかけた壁の一部を取り除くなどして緊急対策を取りましたが、4日午後、突然崩壊しました。けが人はいませんでしたが、2階部分が斜めに崩れ落ち、道路はがれきで完全にふさがれてしまいました。
 倒壊した空き家の前に16年間住んでいるという女性に話を聞きました。女性によると、16年前から、この家は廃墟のような状態だったといいます。
(空き家の前に住む女性)
「うちは前なので、地響きもあった。最近ちょっと雨が多かったでしょ。多分それできしんできたと思うんです」
 女性の自宅2階から空き家を見ると、まだ残っている空き家の部分が今にも崩れそうな状態で目の前に迫っています。雨が降るたびにミシミシという音が聞こえるといい、「(残された部分が)自然に落ちたとしても、うちの家が破損するかも」と嘆きます。
 市には対応を求めているものの、なかなか進まない事情があるようです。

法律上は"空き家ではない" こぼれ落ちた隠れ空き家

この家は法律上の空き家には該当しないという

 放置された空き家を適切に管理するため「特別措置法」があり、大阪市内では、この法律に基づく空き家が約30万戸あるといいます。しかし、今回生野区で崩壊した建物は、その30万戸の中に含まれていませんでした。
 大阪市によると「行政としてこの建物は、一部が空室になっている長屋とみていました。特別措置法上の空き家としてはカウントされていませんでした」

 長屋とは、何軒かの家が連なって建っている建物のことです。その一部が空き家状態であっても、ほかの家に所有者がいたり誰かが住んでいたりすると、長屋全体で「1軒」として認識されます。そのため、法律上の"空き家"にはカウントされないということです。
 これが"隠れ空き家"と呼ばれる問題で、大阪市も複数存在することを認めています。法律の抜け穴からこぼれ落ちているため、行政が手を打ちにくい状況が続いています。

ほかにも倒壊寸前の空き家 3カ月前から状況変わらず

生野区の別の空き家

 ABCテレビでは3カ月前にも生野区の別の空き家を取材していました。当時から幹線道路沿いの歩道に壁が崩れ、放置されていると報じていた現場です。
 改めてその場所へ行ってみると、今も状況は変わっていませんでした。崩れた壁が歩道の約半分を塞いでおり、すぐ横は幹線道路という危険な状況が続いています。
 この空き家からわずか80メートルほどの場所に校舎を構える学校では、生徒の安全を守るための対応に追われています。
(学校法人プール学院・安福朗常務理事)
「私どもは、(生徒が)できるだけ現場を通らないように、う回して登下校するように指導している。また、崩れたものが歩道の半分を占拠していて、自転車が通り抜けたり、歩行者と自転車が同時にいると非常に危ない。何とか1日も早い解体をお願いしたい」
 学校が費用を出して解体しようとしましたが、専門業者でも空き家の所有者は分からなかったといいます。

増え続ける空き家、私たちにできることは?

空き家は全国的に増え続けている

 空き家の問題は生野区だけではなく、全国的に見ても空き家の数は増え続けています。2023年の空き家率は全国平均で13.8%、つまり大体7軒に1軒が空き家という状況です。
 一方、今回の現場となった生野区の空き家率は同じ年で22.8%。約4軒に1軒が空き家という、全国平均をはるかに上回る深刻な数字です。
 空き家の問題に詳しい古民家再生協会大阪第一支部の長井正広支部長は「行政のマンパワー的にも、把握しきれていない空き家が多い」と指摘します。

 では、私たちに何ができるのでしょうか。長井さんが挙げる対策は大きく2つです。

・見つけたら行政へ報告する:窓が割れている、ゴミがあふれている、木や柱が倒れかけているなど、異変に気づいたらすぐに行政へ連絡する。
・空き家になる前に流通させる:空き家になる前に、中古住宅やリノベーションした飲食店など、新たな形で市場に出していくことが最大の対策。
 大阪府と民間が連携して運営する「大阪版空き家バンク」というサービスもあります。府内の空き家と、活用したい・住みたいという人をマッチングするサイトで、空き家の数を減らすための取り組みの1つです。
 近くに気になる空き家があるという方は、ぜひ行政へ連絡してみてください。あなたの一報が、誰かの命や生活を守ることにつながるかもしれません。
(『newsおかえり』10月6日放送分より)

最終更新:10/07 13:48

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