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検察が控訴しても「無罪がくつがえることは難しい」 王将社長射殺事件 暴力団幹部に無罪判決 今回の判断のポイントは?

10/16 21:16 配信

裁判長「主文、被告人は無罪」

 そのとき被告は、2度うなづきました。

「餃子の王将」を展開する会社の社長が射殺された事件で、京都地裁は16日、暴力団幹部の被告に無罪判決を言い渡しました。

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「餃子の王将」社長射殺事件 暴力団幹部の被告に無罪判決

王将フードサービスの社長(当時) 大東隆行さん

 2013年12月19日、京都・山科区。事件は約13年前の師走の朝、まだ日が昇る前に起きました。

 王将フードサービスの当時の社長・大東隆行さん(当時72歳)が本社前で何者かに銃撃され死亡しました。警察はのべ36万人以上の捜査員を投入しましたが、決定的な証拠がなく捜査は難航しました。

特定危険指定暴力団「工藤会」系の組幹部・田中幸雄被告

 事態が大きく動いたのは、事件から9年近く経った2022年10月。

京都府警の会見
「福岡県下におきまして、本件被疑者として男性1名を逮捕しました」

 逮捕されたのは、九州に拠点を置く特定危険指定暴力団「工藤会」系の組幹部・田中幸雄被告。

 外食チェーン店の社長と暴力団幹部に接点はあったのか…

 初公判で、田中被告は「私は決して犯人ではありません。『決して』がつきます」「任侠道を志す者として濡れ衣の1つや2つ甘んじて受け入れますが、センセーショナルな事件までは到底承服できません」と無罪を主張しました。

たばこの吸い殻が争点の一つに

 凶器とされる拳銃が見つからないなど、直接的な証拠がないなかでの裁判。争点の1つとなったのは「現場付近で見つかったたばこの吸い殻」でした。

 吸い殻からは田中被告と同じDNA型が検出され、検察側は「待ち伏せしていた際に吸ったもの」と主張。一方、弁護側は「吸い殻は犯人が田中被告を陥れるのに持ち込んだもの」と反論しました。

 もう一つの争点が、防犯カメラの映像です。現場周辺のカメラに映った人物の歩き方について、検察側は「被告と矛盾がない」と主張。一方、弁護側は「歩き方から人物を特定できる科学的な基準はない」と訴えました。

 検察側は「周到に準備された組織的計画的な犯行で、事件の反社会性は極めて大きい」として無期懲役を求刑。一方、弁護側は「証拠はいずれも決め手にならない」などと無罪を主張しました。

無罪判決の被告がコメント「4年の垢が洗い流された」「真犯人を追って」

法廷で無罪判決が言い渡される

 16日の判決で京都地裁は、吸い殻について「被告の喫煙後のものと認められるが、下見の際に落とした可能性や、第三者が捜査をかく乱するために、現場に持ち込んだ可能性も捨てきれない」などと指摘。

 また防犯カメラの映像についても「正確な身長や体格が映像から判明せず、調査官の鑑定精度も低い」として、検察側の主張を退け、無罪を言い渡しました。

 判決後、田中被告がコメントを発表しました。

「裁判官の判決の言葉に溜飲が下がるとともに、この4年の垢が洗い流された気持ちになりました。検察も人間ですから、間違うこともあります。過ちは過ちとして、勇気を持って振り出しに戻って過ちを正され、真犯人を追っていただきたい」

裁判所の判断のポイントは

裁判所の判断のポイントは

 今回の裁判をめぐり、亀石倫子弁護士は「状況証拠だけで有罪にするにはルールがある」と説明します。

 そのルールとは「被告が犯人でなければ合理的に説明できないような事実関係が含まれていなければならない」というものです。

 今回の事件で、凶器の拳銃は今も発見されておらず、現場で見つかったたばこの吸い殻から検出されたDNA型は被告と一致しましたが、それが「いつ吸ったものなのか」「誰が・なぜそこに置いたか」を立証できませんでした。

 今後、検察側が控訴すれば、審理は大阪高裁へと移ります。ただし、控訴審は「事後審」と呼ばれ、一審の判決に誤りがなかったかをチェックするものです。

 そのため、追加の立証や補充の立証を検察がしても、採用するかは裁判所の判断となり、一審で出せたような証拠であれば採用されないケースもあるといいます。

 亀石弁護士は「無罪がくつがえることは難しいのでは」と話します。

(「newsおかえり」2026年10月16日放送分より)

最終更新:10/16 21:16

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