関西ニュースKANSAI
「なぜここまで傷つけるのか」元検事正の性加害事件 2年ぶり再開した公判で一転して無罪主張 被害女性の苦悩
10/28 12:00 配信
かつて大阪地検の“トップ”だった男が、被告として法廷に立ちました。
元部下の女性検事に対する性的暴行の罪に問われている、元検事正の北川健太郎被告です。
初公判では起訴内容を認めていましたが、27日は一転して無罪を主張しました。2年ぶりに再開した裁判で何があったのでしょうか。
【岩本計介ニュースの現場から】2年ぶり初公判で一転否認 元女性検事への性的暴行で起訴の元大阪地検トップ 女性が明かした胸の内
「検事の仕事が大好きだった」 辞職の日を迎えた女性の“無念”
「非常に無念」被害女性の苦悩
ひかりさん(仮名)
「バッジをもらったときは、本当に検事になれると思ってなかったから、検事になれてすごくうれしいなって思いながら…本当に辞めるんだなって今になって実感が湧いてきました」
この日、検事として最後の日を迎えることになったひとりの女性、ひかりさん(仮名)。
ひかりさん(仮名)
「検事の仕事は大好きだったから、辞職に追い込まれたのは、自分の本意ではないので非常に無念です」
長年、検事として被害者に寄り添ってきた、ひかりさんになにがあったのでしょうか。
北川被告は「尊敬する上司だった」「現実として受け止められない」
事件が起きたのは8年前。2018年9月。元大阪地検の検事正・北川健太郎被告が参加する職場の懇親会の後でした。
起訴状などによりますと、北川被告はこの懇親会の帰り、酒に酔って抵抗ができない状態のひかりさんに、官舎で性的暴行を加えたとされます。
ひかりさん(仮名)
「北川被告からその検事のイロハというか、捜査や検事としての在り方みたいなのをたたき込まれた。本当に尊敬する上司でした」
岩本計介アナウンサー
「そんな被告から被害を受けてしまった。そのときにはどんなことを思われましたか」
ひかりさん(仮名)
「なんかもう現実として受け止められないんですよね」
事件の1年後に北川被告から渡された“ある手紙”
組織のトップから受けた性被害。
事件の1年後、ひかりさんは北川被告から“ある手紙”を渡されました。ひかりさんにとってそれは「被害申告を断念させよう」とする目的で書かれたとしか思えないものでした。
北川被告の書面
「今回の事件が公になった場合、自死するほかないと考えている」
「検察組織に対しても強烈な批判があることは明らかです」
ひかりさん(仮名)
「検事正の大スキャンダルとして報じられて、検察はもう終わるぐらいのことを書かれ、あなたが愛する組織や職員のために口外しないでくれというふうに脅迫されました。私が被害を訴えることで、みんなに迷惑かかるんじゃないかと思ってしまったし、何より自分が被害者だということが世間に知られてしまったら、私はもう仕事できなくなるし、家族も子どももどうなるか怖くなっちゃって、被害申告できなくなりました」
ひかりさんは事件の直後からPTSDを発症。被害の申告に至るまでに、約5年半の月日が経過していました。
事件後、ひかりさんは検事を辞職
2024年6月、北川被告は準強制性交等の容疑で逮捕。その後、起訴。
ですが、ひかりさんは職場で被害のうわさを広められるなどの二次被害を受け、検事を辞職せざるを得なかったといいます。
ひかりさん(仮名)
「辞めたくなかった、天職だったので。私にしか解決できない事件が山のようにあったので、本当に辞めたくなかったし。誰からも『お疲れさん』と言われずに辞表を提出せざるを得なかったことが、本当に悲しかったです」
被告は初公判で謝罪も…約1カ月半後に一転 “無罪主張”の方針へ
北川被告は初公判で起訴内容を認める
2024年10月、北川被告の裁判が始まりました。
北川被告(初公判時)
「公訴事実を認め争うことはしません」
「被害者に深刻な被害を与えたことを深く反省し、謝罪したいと思います」
初公判で北川被告は起訴内容を認め、ひかりさんもいる法廷で謝罪。
ひかりさん(仮名)
「約6年間、本当にずっと苦しんできましたので、なぜもっと早く罪を認めてくれなかったのか。もっと早く罪を認めてくれていたら…」
約1カ月半後に「同意があったと誤信」 一転無罪主張の方針へ
しかし、その約1カ月半後。北川被告は「同意があったと誤信していた」と一転して無罪主張する方針を明らかにしました。
岩本アナ
「(無罪主張の)一報に触れたときはどうでしたか」
ひかりさん(仮名)
「そのときは本当に…おたけびを上げて号泣しました。なんでここまで傷つけるんだって」
岩本アナ
「ひかりさんの闘いが終わったと言える瞬間があるとしたら、いつだと思いますか」
ひかりさん(仮名)
「第三者委員会が入って、この出来事が一体どこに何が原因で、こういうことになったのかという真相を明らかにしてもらい、私たちを傷つけてきた人たちに謝ってもらう、謝ってほしい。真実を教えてほしい、謝ってほしい」
2年ぶりの公判で「抗拒不能であったことは否認し、争います」
2年ぶりの公判で被告は無罪主張
初公判から2年経ち、ようやく迎えた2回目の裁判。冒頭、小さな声で名前を答えた北川被告。続く罪状認否では「性交したことは認めます。しかしながら、記載してある事情により、抗拒不能であったことは否認し、争います」と述べました。
一方、検察は“検事正としての影響力を部下職員に及ぼし得ることを理解した上で犯行に及んだ”と指摘しました。
判決は来年3月12日に言い渡される予定です。
裁判を終え、ひかりさんが会見
27日の裁判が終わり、ひかりさんは…
「自分が被害を受けた状況を検察官が説明してくれてるときは、被害を思い出しておえつしてしまいましたし、検察官が私と夫や子どもの関係や、私がなぜ検事になったのか、どうやって検事を頑張ってきたのかという調書の朗読があったときには、もうたまらない気持ちになり、おえつしてしまいましたけども、被告の嘘八百は…真相は一つなので証拠で排斥できますので、そこはもう淡々とやっていきます」
(「newsおかえり」2026年10月27日放送分より)
最終更新:10/28 13:14


