2002/04/15

 先週、残念なニュースが飛び込んできました。神戸市内で1998年に設立された「神戸エコカー」が経営破たんし、自己破産したというものです。この会社は、世界で初めて電気自動車を専門にレンタルして、注目を浴び、環境保全と神戸の観光振興の両面で期待されていました。ところが長引く不況の下では売り上げが伸びず、経営が行き詰まったんだそうです。この「神戸エコカー」は、テレビの「ガラスの地球を救え」でも紹介していましたので、とても残念です。

 デフレ・スパイラルの中、企業活動も家計もレジャーも、全てはコストダウンが優先されています。それに引き換え「環境」にはお金がかかります。かつてこの事務局だよりで印刷の話をしましたように、地球環境を守ろうという意識が高まってきている反面、高度成長期に効率を重視して出来あがった「大量生産・大量消費」のシステムは、おいそれと壊すことは難しいのでしょう。材料やシステムに新たなものを導入するには、経費がかかってしまいます。それで安く便利になるのなら、人々はそちらへ動きますが、高価で不便になる方向へは行くはずがありません。「地球に優しく」なるには、多少の不便や面倒臭さには目をつぶって、コストをかけてでも、未来のために行動しなければなりません。そして今・現在それは、効率と快適さを求めることとは違う方向を向いているわけです。こうした時代の流れに「神戸エコカー」は飲み込まれてしまったのでしょう。

 ABC環境キャンペーン「ガラスの地球を救え」では、声高に、あれをしよう、これを変えよう、と主張はしません(できません)。ただ、このような現実を一人でも多くの人に知ってもらい、一人でも多くの人が行動を起こすキッカケになるように、できることを探しています。このキャンペーンもコストを削減してやりくりしてますが、それでも良い知恵を見つけて行きましょう。同じ気持ちを持っているあなたと、共に歩く方法を見つけたいと思っています。