これまでの放送リスト
2012年6月10日(前編)・6月17日(後編)放送

気の抜けない家

この物件が抱える問題

  • ■家の玄関までの道は、段差や大きなエアコンの室外機やガスボンベなどの障害物が置いてあるので歩きづらい
  • ■玄関はタイル張りでかなり滑りやすく、滑らないようにマットを敷いている。また、小さな段差がありつまずきやすい
  • ■玄関を入ると、そこには荷物が大量に置いてあり食品庫代わりになっている、荷物で廊下が狭くなり歩きづらい動線になっている
  • ■小さな段差や家財道具など、家の中にも動線を邪魔するものが点在している
  • ■居間には壁一面の大きな食器棚が置かれ、廊下を狭くしている。さらに、棚の上に荷物が山積みになっており、万が一地震が起こった時などに荷物が降ってくる危険がある
  • ■居間から台所へ抜ける廊下には、治療院への扉があり、開けると廊下が塞がれて通れなくなる。廊下にあるコンセントが扉に当たり、コンセントが抜けてしまう恐れがある
  • ■台所は狭く、家族5人が台所にある食卓で食事をとるが、とても窮屈で身動きを取る余裕がない状態
  • ■お風呂の浴槽は、タイル張りの浴室にはやや不釣り合いな古代檜の浴槽で手入れが大変
  • ■2階へ上がるまわり階段は、、狭いうえにかなり急傾斜。階段の内側は足場が狭く足を踏み外しやすいので、目の不自由な娘さんにとって最大の難関になっている
  • ■2階の孫の寝室でおじいちゃんが孫と一緒に寝ているが、おじいちゃんはベッドの脇の50センチの隙間に毛布を敷いて寝ている
  • ■寝ているおじいちゃんの横で勉強する孫は、おじいちゃんを起こさないように気を遣いながら勉強している
  • ■娘さんのご主人は、娘さんが寝静まったころに帰宅するので、二間続きの手前の部屋で寝ている娘さんを起こさないように、気を遣いながら部屋に入らないといけない
  • 写真:サムネイル
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この問題を抱えた物件に、立ち上がった「匠」とその技

写真:「匠」の顔写真

五感住宅のソムリエ 吉原健一

広さは十分あると思うが、全体の空間のバランスが崩れてしまっているので、その辺りをもう一度見直す必要がある。目の不自由な娘さんがいるので、普段の生活の中で家の中での安全性を確保してあげたい。

全ての問題を解決したそのビフォーアフターをご覧ください!!

赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます

家族の幸せを願った「匠」からのアイデア

家族が集う明るいリビング
新しくなった玄関を入ると、左手には靴の脱ぎ履きがしやすいようにベンチが設けられました。そして、その壁面には大容量の靴箱が設けられ、家族5人分の靴も難なく収納できます。

家族が集うダイニングテーブルを照らすのは、以前お風呂で使われていた古代檜の浴槽の蓋を再利用したものです。照明にデザインされた8つの山は八山家を表したもの、古代檜の質感が部屋の雰囲気にも合っています。

リビングには、お母さんが持っていた反物と帯で作ったロールスクリーンで仕切られた仏壇置き。掃除道具などが収められる収納。移動しやすさを考えて階段への動線は2つ設け、生活しやすいように細かな工夫がされています。
画像: 匠のアイデア
「匠」特製のキッチン
「匠」オリジナルのキッチンは、この家の為に作られたもの。キッチン側とその背面にたくさんの収納を備え、かつて壁一面の食器棚にしまわれていた食器がすべて収められます。

水に強い古代檜はキッチンには最適な木材でした、キレイに磨かれてキッチンの天板に再利用しました。そして、火を扱えず専ら仕込み担当だった娘さんが、これから調理しやすいようにとコンロはIHを採用しました。

キッチンの奥の食品庫には、野菜やお米など重いものが簡単に運べるよう専用のワゴンが設けられました。食品庫とキッチンの間の持ち運びだけでなく、玄関からも近いので買い物をして帰ってきたときなども重宝することでしょう。
画像: 匠のアイデア
娘さんが安全に暮らせるように
フローリングは足ざわりの良いコルク製、3本の柱には円形の手すりが取り付けられています。これは娘さんのための道しるべ、手すりを3つたどれば迷うことなく安全に階段へと向かうことができます。

階段の杉のフローリングは微妙な凹凸を付けて、登り口と降り口の印に。1段目と踊り場と最後の段は、木目を浮き立たせる加工を施し、足ざわりでも場所が分かるようになっています。こうした質感の違いで暮らしやすさだけでなく、楽しみも増えることでしょう。

娘さんが寝起きする2階の寝室には、特に大きなクローゼットが設けられました。さらにここだけの特別な工夫として、少しでも中の荷物が見やすいようにと、かつての針灸院の蛍光灯を再利用した照明が設置されました。
画像: 匠のアイデア
機能的になった鍼灸院
鍼灸院の入り口も一新されました。靴箱は以前のものを化粧直しして再利用。待合室には「匠」オリジナルの、温かみのある木製のベンチが置かれています。

治療ベッドの奥にある、在庫棚の横の壁には小さな建具が。この小窓がリビングと繋がっており、鍼灸院の仕事をしながら家族と会話ができたり、患者さんにお茶が出せたり、何かと便利な使い方ができるようになっています。

広々とした事務机以外にも収納を完備、これまでは出しっぱなしだった大きな治療器具も、壁の中へしまえるように大容量の収納を設けました。これによりコンパクトになった治療室を狭苦しくなく機能的に使えます。

治療器具収納の横にも30センチ四方の小窓が設けられました。こちらは施術で使ったタオル入れ。この裏にある収納スペースから洗濯場へ最短距離で繋がっていて、使ったタオルがすぐ洗える機能的な動線になりました。
画像: 匠のアイデア
一新した水回り
新しくなった脱衣洗面室はとても広々としたものになりました。大きな洗面台は収納力も抜群、家族全員の洗面用具も収納でき、二人並んでも使えます。


洗面台の横の、階段下にあたるスペースも無駄なく洗濯機置き場として有効活用。こうして無駄になりがちな空間を有効活用しているおかげで、脱衣洗面所が広々と使えるようになっているのです。


トイレは鍼灸院の奥の扉の先になりました。ここは住居スペースからも行きやすい場所で、両方から使える無駄のない動線になっているのです。
画像: 匠のアイデア
気を遣わずに暮らせる空間
2階の一番日当たりのいい部屋が娘さんの寝室です。2部屋あるうちの奥に位置するので帰りが遅い旦那さんも気を使わずに帰ってこれます。この娘さんの寝室からは旦那さんの部屋を通らずに和室に行けるようにもなっています。

民謡仲間が気軽に集まれるように、和室は真ん中に掘りごたつが設けられました。そんな掘りごたつも、蓋をすればいつでもフラットな畳敷きに早変わり。来客の場合でも2人分の布団が余裕で敷けます。

和室は大きな窓が設けられ日当たりも良好。その窓の向こう側は、以前よりたたみ1帖分広くしたベランダになっています。ベランダの囲いも新しくして他人の視線も気になりません、洗濯物を干すのにも最適の場所です。

孫にとって初めての個室が作られました。これで以前のようにおじいちゃんに気を遣うことなく勉強に専念できます。さらにこの部屋には構造補強を兼ねて1.5帖分のロフトができました。これから荷物が増えてもここに収納すれば部屋はいつでも広く使えることでしょう。
画像: 匠のアイデア
今回お手伝いいただいた工務店の皆さん
写真:工務店の皆さん
東京都中央区 株式会社八洲クリエーション
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