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2015年7月26日放送

厨房でシャワーを浴びる家

この物件が抱える問題

  • ■外観も中もお店のまま、廃業後17年間閉めたままのシャッター
  • ■わずか間口2間が、玄関と元板場になっている。10坪の建坪、1階のスペースすべて元店舗で、営業当時と何ひとつ変わっていない
  • ■厨房をそのまま台所としていて、親子2人暮らしには広すぎる
  • ■食事は小さい客席テーブルで、土間のため靴は履いたまま
  • ■1階すべてが土間のため、お母さんは日中ほとんど靴を脱ぐことができない
  • ■大きな寸胴がおけるよう低く作られたガス台、業務用のシンクをそのまま使用
  • ■厨房のシンクのひとつを洗面台として使用
  • ■土間の給湯器をシャワー代わりに。冬の寒さは過酷で、体は洗えず、洗髪の水は、そのまま土間の排水溝へ
  • ■湿気で壁際の土台が白アリの被害に。柱の荷重を受けられず、いつ家が倒れてもおかしくない状態
  • ■元魚の焼き台があった場所に洗濯スペースがあり、そこには屋根がなく、ほぼ外
  • ■洗濯機がトイレへの動線をじゃましている
  • ■洗濯スペースから物干し台に行くには、土間から靴を脱いで45センチの段差をあがり、踏み板の幅の狭い、傾斜角55度の急勾配の階段をのぼり、さらに寝室から物干し台へ出るため55センチの段差をあがらなくてはいけず、145センチの小柄なお母さんにはつらい
  • 写真:サムネイル
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この問題を抱えた物件に、立ち上がった「匠」とその技

写真:「匠」の顔写真

長屋住まいの伝え人 伴 現太

厨房でのシャワーは見たことがなく、驚き。
元店舗でそのまま生活をしているので当然不便が多く、改修が必要。10坪の長屋で駐車場を確保した場合、生活空間がどこまで取れるかが課題。
親子のコミュニケーションを大事にして、新しい長屋の生活スタイルを提案したい。

全ての問題を解決したそのビフォーアフターをご覧ください!!

赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます

家族の幸せを願った「匠」からのアイデア

初めてできた住居用の玄関
新たな玄関へのアプローチに使われたのは、かつての客席の土間にあった鉄平石と玉石。
お母さんが好きだった店の面影を残しました。

玄関扉には、思い出深い配達用の木桶を再利用。
古材の色幅がでていい色にやけているので、表側はあえてそのままに。手書きで味のある屋号「魚よし」の文字を3つあしらいました。


きれいな木目の敷き台は、キッチン天板をくりぬいたカツラの端材。その横の、座って靴が脱ぎ履きできるベンチも再利用。 お母さんの要望に応え、匠はお父さんの調理台の横にあった厚さ10センチもあるヒノキの材を、ベンチとして再生しました。


そのベンチの横には、お母さん自慢の花の写真も飾れ、2人分の靴が入る靴箱が作られました。
画像: 匠のアイデア
水回りを一か所に配置
家族の念願だった、初めてのお風呂が完成。冬でも温かい浴室乾燥暖房機付きです。
洗面脱衣所には、タオルや雑貨がしまえる収納が作られました。

脇には、洗濯機置き場とトイレを配置しました。
画像: 匠のアイデア
便利な場所にお母さんの寝室
水回りに一番近い便利な場所に、お母さんの寝室を用意しました。


壁面にはテレビラックや大容量のクローゼットも備え、身の回りのものがすべてしまえるようにしました。



わずかなデッドスペースも収納として有効活用。小柄なお母さんでも楽に出し入れできるよう、下に引き下ろして使う、スライド式のハンガーパイプに なっています。
画像: 匠のアイデア
草花を育てられる庭
物干し場の片隅には、お母さんが大好きな草花を育てられるささやかな庭も出来ました。


底を抜いてキッチンのタイルに使った寿司桶を再利用したプランターは、お母さんの気持ちを汲んだ匠からのプレゼント。お母さんお気に入りだった和風の柄が、落ち着いた雰囲気とうまく調和しています。



ウッドデッキの脇には、草花の世話に使う道具や肥料がすっきり仕舞えます。



さらに嬉しいのは、庭の緑がお風呂からも眺められる事。寛ぎの時間が、一層心豊かなものになることでしょう。
画像: 匠のアイデア
広く使いやすいシステムキッチン
3メートルもある使い易いシステムキッチンには、古材を使った吊り戸棚も作り、たくさんあった食器類もすっきりしまえます。

お父さん愛用の調理台を再生した天板や、寿司桶をくりぬいたタイルなど、思い出の品をふんだんに取り入れました。



厨房の奥で家族を支え続けて来た調理台。
新材のように美しく蘇り、防水塗装が施されて、親子の新しい食卓へと役割を変えました。
壁には、この家の古材で作った額縁。そこには板場に立つお父さんの姿が。


仏間を兼ねた小上がりの足下には、日中でも日影で涼しい駐車場土間の空気を室内へ取り入れるための窓が。




デッドスペースを活用した収納から梯子を引き出すと、ダイニングの真上にあるロフトへと上る事が出来ます。そのロフト空間は四畳半の広さがあるため、遊びに来た孫たちも気軽に寝ることができます。
画像: 匠のアイデア
1階まで明るい長屋
屋根の東面には幅130センチの大きなトップライトを設置。電動で開閉出来るその窓からは風が通り、家の中に熱がこもらない心地よい環境を作ります。

天窓から取り込んだ光を1階まで届けるため、2階の真下にあたる部分には、格子の床を取り付けました。
画像: 匠のアイデア
今回お手伝いいただいた工務店の皆さん
写真:工務店の皆さん
大阪市阿倍野区 春 建築工房
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