2020.1.10
6000名を超える犠牲者を出した阪神淡路大震災から25年が経ちました。
神戸市に住むおよそ半数が、「震災を知らない人々」となり、記憶や教訓の風化が急速に進んでいます。
震災映像の公開にあたって、震災後に生まれた大学生のみなさんに、当時の映像を見ていただきました。
毎年のように起こる災害。こうした映像を見慣れているはずの彼らが、驚いた表情でこう語ってくれました。
「カメラに向かって、こんなに思いを語っている被災者を見たことがない」
「語り尽くせないほどの悲しみの中で、生きようとしているのがよくわかる」
「被災者のみなさんが語る言葉や表情に、今も活かせる教訓が詰まっている」
思いがけない大災害、街と暮らしが崩れた中で人は何をしたのか、何を考えたのか…
近年の災害映像からは感じ取れない何かを、大学生たちに伝えたのです。
阪神淡路大震災は、発生の瞬間と、その後の復興プロセスが映像でつぶさに記録された、世界で初めての大地震です。
そしてABCは、被災地を取材した、膨大な映像をライブラリーに保存しています。
映像が伝える「教訓」を広く共有し、
後世につなげたい。
そこで、私たちABCグループは当時取材した「阪神淡路大震災取材映像アーカイブ」の一部をWEBサイトで公開することにしました。
この貴重な映像を多くの人にご覧いただき、未来の「防災・減災」に活かしていただければ幸いです。
また、この取り組みをきっかけに、自然災害に関する映像記録が広く社会に還元され、持続的な利活用が図られる世の中になればと考えています。
今回の映像公開プロジェクトでは、弊社の阪神淡路大震災取材映像のうち、発生直後から8月23日までの約7ヶ月間のものから抜粋した、約38時間分を公開しています。
災害が発生した際の異常な状況がわかるように、できるだけそのまま公開しています。
映像クリップは、おおよその取材場所を、被災地の地図上に表示しています。
また、映像の取材日時・場面でも検索できるように以下の12のカテゴリ―に分類しています。
火災/建物倒壊/インフラ/救助/避難所/医療/くらし/教育/交通/復旧・復興/自衛隊・警察・消防/支援ボランティアなど/
この取材映像アーカイブは、社会の「防災・減災」のため、個人・家庭・学校での視聴に幅広くお役立てください。
ご覧になったご感想、ご意見などを、メールフォームでお聞かせいただければ幸いです。
本サイトの改善など、今後の活動の参考にさせていただきます。
上記以外、
などを希望される場合は、下記のフォームに必要事項をご記入の上、事前にお知らせください。
事前のご連絡なく映像を使用されますと、著作権侵害となる場合があります。
本映像公開に対する、皆さまのご理解とご協力をいただきますようお願いいたします。
ご感想、ご意見、映像の中で被災者が発している「言葉」の中には、今後の災害でも起こりうる「教訓」が多く含まれています。
震災を知らない世代の記者が、膨大な映像すべてを見直さなくてもその内容や現場の状況が理解できるよう、また映像内容を多様な方法で多くの方に届けられるように、記者リポートやインタビューなどの文字起こしを行い、アーカイブ映像の「見える化」を行いました。
ON:記者「午前6時半です。あたりが空、しらみかけてきましたが、芦屋市の大原町というところなんですが、手前にあります民家から火が出ました。漏電が原因ではないかとみられています。その火が隣の民家に燃え移っています。」
ON:男性「燃えなくて済むのをね。」
ON:記者「でも、全然水の勢いがね。」
ON:男性「足りないでしょ。素人が見たってわかる。」
※11月16日(土)に当社にて開催しました。
阪神淡路大震災を経験していない大学生達にABCテレビの震災アーカイブ映像を視聴して頂きました。さらに
などの点について、学生の「新鮮な目」で評価をしていただきました。
映像視聴のあと、学生の皆さんからは
「今では見ることのない、避難所の内部の惨状がよくわかる」
「被災者自身が『今何が足りないか』を語っている姿が新鮮」
「復興に向けて、被災者自身がたくましく立ち上がっている様子がよくわかる」
などのご意見をいただきました。
※12月6日(金)に当社にて開催しました。
災害や映像アーカイブ、肖像権等に詳しい研究機関・学術研究者(下記)をお招きして研究会を行いました。
被災者の肖像権を巡るデリケートな問題や東日本大震災の図書館アーカイブの課題、人と防災未来センター(神戸市)の資料室が保有する災害アーカイブの保存や公開に関する課題を共有するとともに、学生ワークショップで集めた意見・感想や、アンケートの結果などを踏まえ、より効果的な活用法を議論しました。
≪ご協力いただいた研究者の皆さま≫(敬称略、五十音順)
朝日放送グループでは、今年度、近年の大規模自然災害の頻発を受け、グループCSR方針≪行動指針≫のひとつ◆明日の暮らしへ・・『地球環境と人の営みを大切にし、命と暮らしを守る情報を届けます』により注力し、自然災害や防災・減災情報につながる情報発信と取り組みを行っています。
開催終了しました
大震災直後の「阪神・淡路」を、この取材映像アーカイブサイトの地図を頼りに案内人と一緒に歩きます。
地震直後の街の様子を「見る」…
地震を体験した人、避難所で暮らす人、子どもたちの話を「聞く」…
1995年の被災地、阪神・淡路をWEB体験して、災害への備えを「学ぶ」ツアーです。
Zoom
【同時配信】YouTube 「ニュースとキャスト特集」公式チャンネル
2020.2.18
朝日放送グループホールディングス株式会社は、2月2日(日)に「阪神淡路大震災25年映像にまなぶ! 都市災害と明日の防災」イベントをABCホールにて開催いたしました。
阪神淡路大震災から25年。
当時の震災取材の映像アーカイブから学び、考え、そして未来の防災・減災に役立てて欲しいという想いから開催した今回の防災イベント。内容の異なる1本約44分の映像アーカイブ「激震の記録」(計6本)の上映会を中心に、会場内を大きく4つのゾーン(「逃げる」「救う」「食べる」「生きる」)に分け、防災関連の展示やパネル解説をテーマごとに展開しました。
また、自転車を使った汚水の浄水ろ過体験、アルファ化米のレシピ紹介&試食、作業の負担が軽減されるパワードウェア体験、レスキューロボットの展示&実演、そしてAED講習など様々なプログラムを実施しました。
映像公開と展示という異なるコンテンツを扱うマルチイベントでしたが、上映された映像を真剣に見入られる方々、防災関連の展示やパネルを興味深くご覧になる方々、様々なプログラムを体験される方々が多くおられ、来場の皆さまと一緒に未来の防災・減災のヒントを考える意義深い1日となりました。
「悲しい記憶ではあるが、次に同じ過ちをしてはいけない」
25年たった今、震災を経験した世代、経験していない世代に関わらず、ひとりでも多くの方々とこの想いを共有し後世に伝えることが、毎年各地で起こる自然災害に備えることにつながるのでは、と改めて認識しました。
朝日放送グループホールディングスでは、これからも命と暮らしを守る情報を発信し、「明日の防災」を考え実践する活動を継続してまいります。
①「激震の記録」2020年版を上映
1995年8月に放送された「特別番組 激震の記録」を再編集しました。(6本/各44分)
10:00頃・激震の記録「大都会が崩れた」
カメラがとらえた震災直後の神戸市中央区三宮、元町、ポートアイランド…11:30頃・激震の記録「廃墟と化した街1」
神戸市内で最も火災被害が多かった長田区。12:20頃・激震の記録「廃墟と化した街2」
崩れた病院で救出される入院患者たち。災害は弱者を容赦なく襲う。13:50頃・激震の記録「生死を分けた日」
倒れた阪神高速、想像だにしなかった土砂崩れ…いたるところで人の生死が分かれた。14:40頃・激震の記録「避難所で生きた」
突然の地震に行き場失った人々が集まった避難所。16:00頃・激震の記録「淡路島」
震源地に近かったにもかかわらず、その被害があまり報道されなかった淡路島。②展示イベント
会場内を4つのゾーンに分けて、映像から読み取れる「明日の防災」のヒントとなるコンテンツを展示します。
③イベント、展示体験、試食プログラム
【ご視聴にあたって】こちらの映像には、ご遺体を搬出する場面が含まれています。
【ご視聴にあたって】こちらの映像には、汚物が映る場面が含まれています。
記者レポート
この「大震災でどんなことが起こるか」e-ラーニングサイト(試行版)は、阪神淡路大震災の取材映像を、防災教育や防災研修にご活用いただきやすいようにと制作したものです。
地震発生の瞬間に加え、主な被害のテーマごとに5~7本の映像を選び、地震災害のリアリティを体系的に学んでいただくことができます。
試行版ですが、防災学習にご活用いただけます。
▼本格運用版の開発に向け、アンケートにご協力ください
遺体などが映った映像は含みませんが、災害の映像は心に負担を与える可能性もあります。
本格運用に先駆け、映像の類型に応じて見る人にどのくらいの心理的負担があるかを把握して、年齢や被災経験などに応じて、効果的に学べる映像の選択を目指して研究を行っています。
一本動画を見るごとに、簡単なアンケートが表示されます。
是非ご協力をお願いします。
(本研究は京都大学防災研究所との共同研究です)
入力いただいた情報については厳正に管理し、本研究のみに利用します。
また、当社の個人情報取り扱い方針に従って適正に取り扱います。
≫朝日放送グループホールディングス 個人情報取り扱い方針はこちら
※以下の設問の回答は、各動画の再生後に表示されるアンケートに自動で反映いたします。
阪神淡路大震災が起こった瞬間に、関西でただひとつ生放送をしていた朝日放送テレビのスタジオの様子です。
停電で明かりが消えた後も、生き残った音声回線を使って、出演者たちは呼びかけを続けます。
そして数分後、非常電源が復旧して通常通り番組が始まりますが、その時はよもやこれほどの被害が出ているとは、想像できていませんでした。
地震直後、被災地のいたるところから火の手が上がりました。
倒れた家や電柱が消防車の行く手を阻み、水道管が壊れて火を消す水がありませんでした。
住民たちはバケツリレーで火を消そうとしました。それは、近くの倒れた家に下敷きになった人が残されていたからです。
しかしそれもむなしく、焼け野原になってしまいました。
地震からしばらくして、電気が復旧しはじめると、またあちこちで火事が起こり始めました。
地震で壊れた家にも電化製品があり、スイッチが入ったままになっていたからです。
どうしたら火事が防げるか考えてみましょう。
地震の激しい揺れで、壊れると思っていなかった頑丈な建物が無残に壊れてしまいました。
過重の集中する1階部分が壊れたマンションやビルが多かったです。
また、新幹線や在来線、高速道路や高架道路などもいたるところで崩れ、被災地での移動は長期間困難になりました。
地震の発生は早朝でしたが、もしこれが昼間に起こっていたら、人的被害はさらに拡大していたかもしれません。
阪神淡路大震災では、神戸市民の6.5人に1人が避難所に身を寄せました。
家が壊れなくても、停電や断水で避難を余儀なくされました。でも「避難所」とは名ばかりで、寝るすき間も、十分な食料も、トイレを流す水もありませんでした。
満員の室内では感染症が流行り、外で生活する人も。
込み合った避難所で生活しないでいいように、事前にどんな対策をしておけばいいのでしょうか。
一度は生き埋めになって救われた人の9割は、自力ではい出したり、近所の人に救われました。
大規模な災害では、警察や消防の手が回らない可能性があります。
なんとかはい出せても、病院はけが人でいっぱい。診察、治療してもらうまでに何時間も待たなければなりませんでした。
大地震が起こった時、あなたはほかの人に助けられる人ですか?ほかの人を助ける人になれますか?
大きな災害が起こった時、避難所になる学校は数多くあります。
教室や体育館が避難者でいっぱいになり、子供たちの学びの場は失われます。
しかし教育はこどもたちの権利であり、大人には教育を受けさせる義務があります。
災害の時にすみやかに学びの場を回復できるように、どんな準備をしておけばいいと思いますか?
【ご視聴にあたって】こちらの映像には、ご遺体を搬出する場面が含まれています。
【ご視聴にあたって】こちらの映像には、汚物が映る場面が含まれています。
記者レポート
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地震直後の街の様子を「見る」…
地震を体験した人、避難所で暮らす人、子どもたちの話を「聞く」…
1995年の被災地、阪神・淡路をWEB体験して、災害への備えを「学ぶ」ツアーです。
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