授業風景

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大阪市立苅田南小学校

2012年6月7日

授業風景16

記憶に残してもらってこそ価値があるのが天気予報

授業対象5年生(58名)


青々した芝生の中庭がきれいな大阪市立苅田南小学校での出前授業です。男子45名、女子13名と圧倒的に男子が多い5年ですが、少ない女子も負けずにみんな元気いっぱいでした。
金環日食や金星の太陽面通過、関東での竜巻や落雷と天文現象や気象に関するニュースが最近たくさんありました。5月6日に関東地方で発生した竜巻は死傷者も出て、たくさんの映像がニュースで流れました。
そこで今回は気象予報士清水とおるさんに竜巻の話を中心に気象予報士の仕事について教えてもらいました。

「竜巻のメカニズムを知り、身を守る」

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竜巻のメカニズムを理解してもらおうと清水さんが取り出したのはなんとフタに穴を開けたペットボトルです。水を入れたそのペットボトルを逆さにしてひねりを加えると、竜巻のような渦ができフタの穴から水が勢いよく流れ出します。この渦が竜巻と同じなのです。清水さんの説明によるこの実験に子供達はくぎづけでした。
では、竜巻が近づいてきたらどうすればよいのでしょうか?竜巻が危険なのは強風が巻き上げたものがたいへんな勢いで飛んでくるからです。「外では頑丈な建物の物陰やミゾにかくれる」「家の中では窓やカーテンを閉めて、家の中心部や窓の無い部屋に逃げる」などで身を守るように清水さんから教わりました。

「アナウンサーと気象予報士になってみよう!」

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次は、体験コーナーです。
ニュースを伝えるアナウンサー役と天気を伝える気象予報士役に前に出てきてもらいました。講師が「前に出てきて挑戦したい子いますか?」と聞くと、たくさんの子供たちの手があがり私たちもびっくり!2台のカメラを切替えると2人が順番にテレビに映し出され、まるで本当の番組のようです。
まずはアナウンサー役の子供が通天閣にちなんだニュースの原稿を読みます。「つづいては○○くんの天気予報です」という合図で、天気予報のBGMが流れ気象予報士役の児童にバトンタッチ。明日の天気から気温、そして「熱中症と紫外線に注意してください」のコメントでしめると、クラスメイトから大きな拍手がわき起こりました。最初は緊張していた2人の表情も“晴れ”の笑顔に変わっていました。

「気象予報士の仕事のたのしさとつらさ」

最後に皆からの質問コーナー。
清水さんに「一番しんどかったのはいつ?」や「なぜ、気象予報士になったの?」などたくさんの質問があがりました。
10個の台風が上陸した2004年、毎週のように徹夜したのが一番しんどかったらしいです。そして、子供の頃から空を見るのが好きで、理科の勉強も得意だったので気象予報士をめざしたと語っていました。
「記憶に残して役立ててもらってこそ天気予報は価値がある」と清水さんは考えています、「そのためには分かりやすく記憶に残るような言葉を使って天気を伝えている」とのことでした。
この仕事でうれしいのは天気予報を見たり聞いたりした人達から「役に立ったよ」と声をかけられることだそうです。
今回の授業で児童たちには、いま一つ竜巻の怖さを自分のことと結びつけられなかったかも知れませんが、頭のすみにでも残してもらえたらと思います。

みんなの感想
清水とおるさんが講師と決まってから、クラスの友達が朝日放送の「『キャスト』の天気予報コーナー」を見て楽しみにしてくれていたそうです。
「本物の清水さんに会えてうれしかった」「竜巻の仕組みが良く分かった」「お天気コーナーでかっこいいマイクをつけてもらってうれしかった」などの感想が児童たちから届き、学校の先生からも「今回の授業がなければ分からなかったことが学べ、児童にとって大変よい経験となりました」と感想をいただきました。
みんなの感想