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陶芸家 高橋由紀子さん

2020711日(土) 午前11時

“練り込み”技法で注目される陶芸家

陶芸家 高橋由紀子さん

日本有数の焼き物の里として知られる滋賀県信楽町。信楽焼の窯元が点在する窯元散策路にある工房で、“練り込み”と呼ばれる技法を駆使して作品を生み出しているのが、陶芸家の高橋由紀子さんです。

“練り込み”とは、異なる色の土を組み合わせて模様や柄を作り出す技法のこと。焼いた器に色を付ける“絵付け”ではなく、土自体に顔料で色を付け、それを組み合わせ、模様を作ります。作品には裏側にも同じ模様が出るのが特徴。描いたものとは異なり、器と模様に一体感があるのも魅力です。そんな手間のかかる技法にこだわった高橋さんの作品は注目を集め、多くの人たちを魅了しています。

滋賀県近江八幡市に生まれ、美術系の短大に進学した高橋さん。しかし、卒業後はNSC(吉本総合芸能学院)に入学し、なんと、お笑い芸人に!漫才コンビを組み舞台で活動しましたが、6年で芸人を引退し、新たに陶芸の道へ。信楽の窯業技術試験場で陶芸を学び、窯元に就職、32歳で独立しました。

動物や植物をテーマに作品を制作する高橋さん。たどり着いた技法をさらに追求しようと、“練り込み”技法を使った、より写実的な風景の作品に挑みました。完成した作品は高橋さんの先輩作家も絶賛する出来ばえとなりました。

新境地を開拓した高橋さんの作品作りに密着しました。

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高橋 由紀子
概要「練り込み」技法で色彩豊かな作品を生み出す信楽の陶芸家
備考展示会などの情報は
【インスタグラム】
https://www.instagram.com/yukiko__takahashi/
【フェイスブック】
「高橋由紀子 陶芸 アルバム」で検索    
かまーとの森
概要陶芸家 高橋由紀子さんの作品を展示したギャラリー、ショールーム、雑貨&カフェのお店
住所滋賀県甲賀市信楽町長野1361-4
電話番号0748-60-8539
営業時間平日10:00~16:00 土・日・祝日10:00~17:00
定休日火曜 ※祝日の場合は営業、翌水曜が休み
備考詳細はホームページまで
http://www.kama-to.jp

高橋さんの作品を展示したグループ展は8月17日(月)まで開催
草津市立 水生植物公園みずの森
概要高橋さんが水辺の風景を見に行った、水生植物を中心にした植物が園内を彩る植物園
住所滋賀県草津市下物町1091
電話番号077-568-2332
営業時間通常 9:00~17:00
※夏季期間 7月11日~8月10日 7:00~17:00 
冬季期間 11月1日~2月28日 9:30~16:00
定休日月曜(※祝日の場合は翌平日が休園)・年末年始  
備考詳細はホームページまで
https://www.seibu-la.co.jp/mizunomori

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次回の放送

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

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