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『some:teco』 染色デザイナー 池田圭さん

2021529日(土) 午前11時

夏にぴったり!元気が出る華やかなデザインが魅力の染色家

『some:teco』 染色デザイナー 池田圭さん

手に取る人がハッピーになるオリジナルテキスタイルブランド「some:teco(ソメテコ)」を展開する染色デザイナー、池田圭さん。「some:teco」では、ブラウスなどの衣類、手ぬぐい、日傘など、あらゆる布のものを展開。カラフルな色使いが池田さんの作品の特徴で、「元気になれて、パワーが出る」と評判になっています。デザインのインスピレーションは、散歩中に見かけた鳥から旅先の風景まで、かつて触れたものから湧いてくるという池田さん。 拠点としているのは、神戸・北野の「海外移住と文化の交流センター」の中にあるアトリエ。見学も可能で、作品を実際に手に取ることができます。

池田さんが手がけているのが、江戸時代に確立されたという日本の伝統的な染色技法で、型を使用して布などに模様を施した染めをおこなう「型染」。和紙にカッターや刀で切り絵のように模様を彫っていき、アルミ等で細かい網目を付けて型を作り、布の上にその型を置いて、米ぬかともち米で作られた型糊を均一に塗ってはがします。すると、その型の模様にあわせて布に糊がつくので、その糊を乾燥させて、染色剤で染めていく。このとき糊が付いている部分には色が入らないので、水で布を全部落としたときに白く残り模様が出るという技法です。

大阪出身の池田さんは幼いころから絵を描くことや創作すること、空想の世界にふけることが好きだったといいます。「美術や手仕事に関わりたい」と京都市立芸術大学工芸科に進学。「大好きな“色”をたくさん扱えそう」と染色の道に入りました。大学卒業後に友人と共同開催した展覧会に向けて、日本伝統の染色技法の一つである「型染のタペストリー」を制作。「型染の面白さに改めて出会うことができた」という池田さんは、その後、小学校の図工の教師や大学講師などを務め、2016年に、「some:teco」を立ち上げました。そんな彼女に舞い込んだ、思いもよらない発注とは?
新たな作品に挑む、染色デザイナーに密着しました。

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some:teco(ソメテコ)
概要今回の主人公、池田圭さんが展開するオリジナルブランド。神戸にある「海外移住と文化交流センター」の4階にアトリエをかまえている。色彩豊かな型染作品が人気。
住所兵庫県神戸市中央区山本通3-19-8 4F
営業時間不定
定休日不定
備考オンラインサイト
someteco.thebase.in

販売はオンラインのみ。アトリエでは作品を販売していません。
岡本コミンカ ヒーハーカレー
概要今回、池田さんにかき氷の旗を依頼したカフェ。夏限定のかき氷が人気。
住所兵庫県神戸市東灘区岡本5-2-5
電話番号078-940-1517
営業時間不定
定休日不定
備考インスタグラム
https://www.instagram.com/yeehaw.curry/

阪急岡本駅のすぐ北側(緊急事態宣言中は休業)

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上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

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