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「しょうへい3000」大西昇平さん

2019112日(土) 午前11時

3,000円で割烹コースを出す元海上自衛隊員の料理人

「しょうへい3000」大西昇平さん

大阪・心斎橋に、懐石料理を3000円で提供するお店があります。お店の名前は「しょうへい3000」。店主の大西昇平さんの名前とコースの価格が、そのまま屋号になっていて、本格的な日本料理を手頃な値段で味わえると、
評判を呼んでいます。

店主の昇平さんは、高校卒業後に海上自衛隊に入り、給養員という、隊員の食事を作る職種につきました。
船上での限られた食材の中、体が資本の隊員を満足させる5年間の経験が、今、リーズナブルに料理を堪能して貰いたいと考える昇平さんの原点となっています。

3000円での懐石料理は、原価を考えるとギリギリのラインなのだそうですが、「可能な限りの食材を使って、お腹をいっぱいに満足させたい」という心意気で市場を駆け巡っています。また、海上自衛隊が海で曜日感覚を忘れないように毎週金曜日に食べるという「海軍カレー」も単品メニューであり、人気となっています。

今回、1月の懐石メニューを考案する昇平さん。
一定以上の大きさの穴子に名付けられる「伝助穴子」を使うことにしましたが、果たして大西さんがイメージする「伝助穴子」料理とはどのようなものなのでしょうか。


3000円で懐石料理に挑む!リーズナブルで本格的な日本料理を作る元海上自衛隊員に密着しました。

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しょうへい3000
概要3000円で懐石料理のコースを提供するお店。
元海上自衛隊の給養員だった店主の海軍カレーも人気。
住所大阪市中央区東心斎橋1丁目17-27 日宝ニューコロンブス8F
電話番号050-1142-0519
営業時間17:00~24:00
定休日不定休(2月から月曜定休)
備考睦月懐石 3000円(1月メニュー)
※メニューは月替わりです。
※要予約

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

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浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

2025524日(土) 午前11時

最後の京瓦職人

浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

京都市伏見区。この地で110年以上、瓦を作り続けている『浅田製瓦工場』。現在、京都でただ一人、「京瓦」を製造しているのが、三代目の浅田晶久さん。「京瓦」の神髄は「磨き」と呼ばれる技法。金属のヘラで丁寧に磨き上げ、重厚な光沢と深い鈍色の風合いを持たせる伝統の技術です。浅田さんの手掛けた瓦は、歴史ある寺社や建物の屋根を飾っています。

そんな「京瓦」も、時代と共に需要が激減。かつて京都に十数軒あった瓦工場は、今やここだけ。後継者もおらず、厳しい状況が続いています。「それでも後に残していかなあかん」。伝統を次の世代へ繋げたい。喜寿を目前にしても、休むことなく「京瓦」の可能性と未来への道を追求する浅田さん。しかし今、ある大きな決断を迫られていました。

先月、開幕した大阪・関西万博。「関西パビリオン」の中の京都ゾーンの床と壁を覆う素材として使われたのが「京瓦」です。瓦製作を監修したのが、浅田さん。オファーしたのは、空間デザインを担当した彫刻家の名和晃平さんです。「京瓦のおかげで、ここは静謐な空間になりました」。

浅田さん、屋根がダメなら床や壁にと、京瓦の未来のために、新たな可能性に挑みます。「これ、アインシュタイン・タイルといって、床に敷く」。不思議な形の13角形。早速、デザイン会社から発注がありました。その枚数、1840枚。一枚一枚、想いを込めて仕上げていきます。納品するのは東京都内のオフィス。さて、どんな空間になったでしょう。

切なる思いで、京瓦を残す道と、後継者を探し続けてきた浅田さん。しかし経営は厳しく、人材の採用すらままならないのが現実です。そこで昨年12月、大きな決断に踏み切りました。それは114年の歴史を持つ『浅田製瓦工場』の経営権の譲渡。

同じ未来を見据え、経営権の譲渡にむけて共に歩んできたのは、息子の憲和さんです。憲和さんが2年以上かけて探したのが、京都指定伝統工芸品の「事業再生と企画運営」を行う会社でした。しかし新体制に向けての大切なミーティングで、親子は激突します。心の整理がつかない父親の姿勢を見て、憲和さんがぶち切れました。「何が残したいや!全部自分で潰してるやんけ!必死やねんこっちは!」

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