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ドールハウス作家 植田定信さん(シック・スカート)

202074日(土) 午前11時

人々の暮らしを模型で蘇らせるドールハウス作家

ドールハウス作家 植田定信さん(シック・スカート)

歴史の街として知られる奈良県橿原市を拠点に、“シック・スカート”という名で活躍するドールハウス作家の植田定信さん。全国に熱烈なファンを持つアーティストです。

植田さん作品の多くは古き良き日本の風景を再現したもので、懐かしさや親しみやすさが特徴。「観る人に想い出を重ねてほしい」と作品のリアリティにこだわり、人々が暮らした日々の景色を模型で蘇らせています。

ライフワークと位置づける「ドールハウス教室」の開催をはじめ、動画サイトのYouTubeでは作品作りを教える人気YouTuberとしても活動しています。

植田さんの地元、橿原のなかでも今井町は、“生きた博物館”とも呼ばれる地区。歴史的な建造物が建ち並び、江戸時代の町並にタイムスリップしたかのような風情ある町ですが、新型コロナの影響で人影が減少。地元を盛り上げたいと、植田さんは町をテーマにしたドールハウスを制作することにしました。

植田さんがテーマにするのは、明治時代創業の老舗醤油店。代々、受け継がれて来た醤油蔵をドールハウスにします。現場をつぶさに観察、奈良に息づく昔ながらの情景を見事模型に移しこんだ植田さん。醤油蔵のご主人も大満足の出来ばえとなりました。

思いを込めたドールハウス作りに密着しました。

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クラフト工房 シックパパ
概要「シック・スカート」の名で活躍するドールハウス作家の植田定信さん。関西で5つの教室を運営している。
備考HP:https://thick-papa.com/
YouTubeチャンネル:「シック・スカートドールハウス教室」
近鉄文化サロン阿倍野
概要植田さんのドールハウス教室も開催。
住所大阪市阿倍野区阿倍野筋2-1-40 and4階
電話番号06-6625-1771
営業時間9:45~20:00(日曜・休講日は~17:30)
今井まちなみ交流センター 華甍(はないらか)
概要植田さんが制作した醤油蔵のドールハウスを展示。
住所奈良県橿原市今井町2-3-5
電話番号0744-24-8719
営業時間9:00~16:30
定休日展示期間中(7/4-8/2)は無休
備考入場無料

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浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

2025524日(土) 午前11時

最後の京瓦職人

浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

京都市伏見区。この地で110年以上、瓦を作り続けている『浅田製瓦工場』。現在、京都でただ一人、「京瓦」を製造しているのが、三代目の浅田晶久さん。「京瓦」の神髄は「磨き」と呼ばれる技法。金属のヘラで丁寧に磨き上げ、重厚な光沢と深い鈍色の風合いを持たせる伝統の技術です。浅田さんの手掛けた瓦は、歴史ある寺社や建物の屋根を飾っています。

そんな「京瓦」も、時代と共に需要が激減。かつて京都に十数軒あった瓦工場は、今やここだけ。後継者もおらず、厳しい状況が続いています。「それでも後に残していかなあかん」。伝統を次の世代へ繋げたい。喜寿を目前にしても、休むことなく「京瓦」の可能性と未来への道を追求する浅田さん。しかし今、ある大きな決断を迫られていました。

先月、開幕した大阪・関西万博。「関西パビリオン」の中の京都ゾーンの床と壁を覆う素材として使われたのが「京瓦」です。瓦製作を監修したのが、浅田さん。オファーしたのは、空間デザインを担当した彫刻家の名和晃平さんです。「京瓦のおかげで、ここは静謐な空間になりました」。

浅田さん、屋根がダメなら床や壁にと、京瓦の未来のために、新たな可能性に挑みます。「これ、アインシュタイン・タイルといって、床に敷く」。不思議な形の13角形。早速、デザイン会社から発注がありました。その枚数、1840枚。一枚一枚、想いを込めて仕上げていきます。納品するのは東京都内のオフィス。さて、どんな空間になったでしょう。

切なる思いで、京瓦を残す道と、後継者を探し続けてきた浅田さん。しかし経営は厳しく、人材の採用すらままならないのが現実です。そこで昨年12月、大きな決断に踏み切りました。それは114年の歴史を持つ『浅田製瓦工場』の経営権の譲渡。

同じ未来を見据え、経営権の譲渡にむけて共に歩んできたのは、息子の憲和さんです。憲和さんが2年以上かけて探したのが、京都指定伝統工芸品の「事業再生と企画運営」を行う会社でした。しかし新体制に向けての大切なミーティングで、親子は激突します。心の整理がつかない父親の姿勢を見て、憲和さんがぶち切れました。「何が残したいや!全部自分で潰してるやんけ!必死やねんこっちは!」

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