バックナンバー

「ハチマル蒲鉾」 店主 河内慎太郎さん

2020125日(土) 午前11時

かまぼこの概念を変えたい!

「ハチマル蒲鉾」 店主 河内慎太郎さん

今やグルメの町として人気のある大阪・福島にかまぼこ料理の専門店「ハチマル蒲鉾」があります。店主の河内慎太郎さんが提供するのは、まるで創作料理のような絵になるかまぼこ料理の数々。自家製のタラのすり身を、その場で練って揚げる出来たてのかまぼこには、ひとつひとつに熱い想いが詰まっています。

実は、河内さんは元お笑い芸人。オープンから2年経った今も店の壁には多くの人気芸人から贈られた開店祝いが飾られています。「ジョニーレオポン」というコンビ名で活動していた芸人時代、飲食のアルバイトに明け暮れていた河内さん。そんなとき、たまたま入って食べた店のかまぼこに運命を感じたといいます。それが「八尾蒲鉾」の2代目であり、河内さんが尊敬する師匠の八尾尚さんとの出会いでした。
師匠とかまぼこの味に惚れ込み、9年間の芸人生活に幕を下した河内さんは、調理師免許を取り、師匠のお店で修行。独立して福島に「ハチマル蒲鉾」をオープンし、わずか1年後の昨年、彼にとっての聖地「なんばグランド花月」のすぐ近くに2号店もオープン。共に店を盛り上げてくれるアルバイトスタッフの多くが現役の芸人で、夢を追う若手芸人たちをバックアップしています。

コロナ禍で苦しい状況が続く飲食業界ですが、先日、2号店の1周年をお祝いすることができました。さらに、テイクアウト商品にも力を注ぐ河内さん。薄い「かまぼこシート」を開発し、斬新なかまぼこのテイクアウトメニューも考案。そして、シートを使った冬の新作メニューに取りかかります。
「かまぼこの概念を変えたい」と意気込む河内さんが向かったのは、新潟にある老舗のかまぼこ店。そこは、師匠の父の「八尾蒲鉾」の初代が修行したお店でした。

河内さん、この冬の新メニューとして串に刺してあって食べやすい「かまぼこおでん鍋」を開発。また一歩、かまぼこ料理の世界を広げました。

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
ハチマル蒲鉾 福島店
概要元お笑い芸人・河内慎太郎さんがかまぼこの概念を変えたいと立ち上げた「かまぼこ料理専門店」。
住所大阪府大阪市福島区福島5-6-13
電話番号06-6458-8858
営業時間月曜~土曜 17:00~25:00
日曜 14:00~22:00
定休日無休
ハチマル蒲鉾 なんば千日前店
概要昨年11月にオープンしたハチマル蒲鉾の2号店、なんばグランド花月のすぐ近くでお笑いファンも多く訪れる。
住所大阪府大阪市中央区千日前2-3-33 カモンホテル1F
電話番号06-6647-6608
営業時間月曜~土曜 17:00~25:00
日曜 14:00~22:00
定休日無休
備考ハチ鍋コース(要予約メニュー)
飲み放題付き 1人 4,200円(税込)
※12月中旬から予約受付開始予定
八尾蒲鉾
概要ハチマル蒲鉾の店主・河内さんが修業した大阪・天満のお店。
住所大阪府大阪市北区天神橋5-1-5
営業時間17:00~22:30(L.O)
定休日日曜・月曜
備考予約不可
竹徳かまぼこ 本社工場直営店
概要新潟の老舗で全国に蒲鉾の製法を広めたと言われている河内さんが学んだ「八尾蒲鉾」の初代が60年前に修行した店。
住所新潟県新潟市中央区東堀前通11-1775
電話番号025-222-0223
営業時間11:00~17:00
定休日日曜・祭日・市場休み
備考ネットにて販売 https://taketoku.com

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー

次回の放送

浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

2025524日(土) 午前11時

最後の京瓦職人

浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

京都市伏見区。この地で110年以上、瓦を作り続けている『浅田製瓦工場』。現在、京都でただ一人、「京瓦」を製造しているのが、三代目の浅田晶久さん。「京瓦」の神髄は「磨き」と呼ばれる技法。金属のヘラで丁寧に磨き上げ、重厚な光沢と深い鈍色の風合いを持たせる伝統の技術です。浅田さんの手掛けた瓦は、歴史ある寺社や建物の屋根を飾っています。

そんな「京瓦」も、時代と共に需要が激減。かつて京都に十数軒あった瓦工場は、今やここだけ。後継者もおらず、厳しい状況が続いています。「それでも後に残していかなあかん」。伝統を次の世代へ繋げたい。喜寿を目前にしても、休むことなく「京瓦」の可能性と未来への道を追求する浅田さん。しかし今、ある大きな決断を迫られていました。

先月、開幕した大阪・関西万博。「関西パビリオン」の中の京都ゾーンの床と壁を覆う素材として使われたのが「京瓦」です。瓦製作を監修したのが、浅田さん。オファーしたのは、空間デザインを担当した彫刻家の名和晃平さんです。「京瓦のおかげで、ここは静謐な空間になりました」。

浅田さん、屋根がダメなら床や壁にと、京瓦の未来のために、新たな可能性に挑みます。「これ、アインシュタイン・タイルといって、床に敷く」。不思議な形の13角形。早速、デザイン会社から発注がありました。その枚数、1840枚。一枚一枚、想いを込めて仕上げていきます。納品するのは東京都内のオフィス。さて、どんな空間になったでしょう。

切なる思いで、京瓦を残す道と、後継者を探し続けてきた浅田さん。しかし経営は厳しく、人材の採用すらままならないのが現実です。そこで昨年12月、大きな決断に踏み切りました。それは114年の歴史を持つ『浅田製瓦工場』の経営権の譲渡。

同じ未来を見据え、経営権の譲渡にむけて共に歩んできたのは、息子の憲和さんです。憲和さんが2年以上かけて探したのが、京都指定伝統工芸品の「事業再生と企画運営」を行う会社でした。しかし新体制に向けての大切なミーティングで、親子は激突します。心の整理がつかない父親の姿勢を見て、憲和さんがぶち切れました。「何が残したいや!全部自分で潰してるやんけ!必死やねんこっちは!」

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー