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京都市東山区 「蘇嶐窯」 涌波隆、まどか夫妻

2021911日(土) 午前11時

蘇嶐窯

京都市東山区 「蘇嶐窯」 涌波隆、まどか夫妻

歴史情緒漂う京都市東山区。お茶屋や神社仏閣が立ち並ぶこのエリアに、清水焼の工房「蘇嶐窯」があります。工房を囲むギャラリーに並ぶのは、凛とした佇まいを見せる陶磁器の数々。これらの器を作っているのが、四代目の涌波隆さんと、奥様のまどかさんです。

代表作は、「青磁飛び鉋」シリーズ。作り方は、まず涌波家が受け継いできた青磁器の「青色」を出すため、釉薬とは別に、土に鉄分を練り込みます。隆さんが成型して、乾燥させた器は、まどかさんが引き継ぎます。ここで器に模様を入れるのが、福岡で14代続く窯元に生まれた、まどかさんの伝統的な技、「飛び鉋(とびがんな)」です。高速で回る器の上を飛び跳ねるカンナの動きで、わずか2秒で見事な模様が入ります。隆さんの「伝統の青」に、まどかさんの「伝統の模様」。二人の異なる組み合わせが、新しい磁器を生んだのです。

一流の料理人たちからも愛される「青磁飛び鉋」シリーズ以外にも、清水焼の枠を超え、新たな作品に挑戦し続ける「蘇嶐窯」。陶器と竹細工を組み合わせた斬新なデザインの「スパイラル」は、雑誌にも取り上げられて大きな反響を呼び、土偶をあしらった可愛い器やコーヒーカップの「縄文シリーズ」も人気です。

そんな「蘇嶐窯」の涌波家ですが、ある日、仕事を離れて、息子さん、娘さんと、家族4人で器作りに挑戦します。モノ作りの楽しみを、一家全員で味わうことはできたのでしょうか?

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蘇嶐窯
概要京都・東山にある清水焼の窯元。4代涌波蘇嶐を受け継ぐご主人と福岡・小石原焼の窯元で生まれた奥さまのお二人が共同で生み出す新しい清水焼が話題。
住所京都市東山区清水4丁目170-22
電話番号075-561-8004
営業時間10:00~17:00
定休日日曜
備考https://soryu-gama.com/
FARO(ファロ)
概要銀座にあるイタリアンの名店。創造性豊かな料理でイタリアの2つのレストランに星をもたらしてきた能田耕太郎さんがエグゼクティブシェフを務める。
住所東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル10F
電話番号03-3572-3911
定休日月曜・日曜・祝日/夏季(8月中旬)/年末年始
ビームスジャパン京都
概要日本の銘品をBEAMS JAPANの選択眼でアレンジしたお土産や、京都の作家や企業とのコラボ商品などが並ぶセレクトショップ。蘇嶐窯の作品も取り扱う。
住所京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2 新風館1F
電話番号075-708-6848
営業時間11:00~20:00
定休日不定休
京東都 東京スカイツリータウン・ソラマチ店
概要京都の刺繍工房が、新しい文化継承のかたち・刺繍の可能性を考える「京都発、東京経由~世界行き。」の、刺繍ブランド。
住所東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン・ソラマチ4F
電話番号03-6274-6840

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次回の放送

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

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