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中塩屋祥子さん、宜弘さん 兵庫県尼崎市 「HIBANAS(ヒバナス)」

2022129日(土) 午前11時

夫婦が変えた鉄工所・オシャレな鉄雑貨

中塩屋祥子さん、宜弘さん 兵庫県尼崎市 「HIBANAS(ヒバナス)」

美味しそうな鉄板焼き。一般的な鉄板の2倍はある分厚い調理用鉄板で焼くと、味も格別です。そして、かわいくて便利で、おしゃれな鉄製品の数々。
これらは「HIBANAS(ヒバナス)」という名の鉄製品ブランドの商品です。2018年に誕生したばかり。たとえばテントを固定する金具には、色々な動物をかたどるなど、ユーモラスな新商品が次々と生み出されています。
これらを作って、全国にファンを持つのが、尼崎にある鉄工所「ヒロセエンジニアリング」です。

創業50年以上という「ヒロセエンジニアリング」。船舶のタンクや生コンクリート工場の設備設計などを手掛けてきた、プロ仕様の鉄工所です。社員数は7名。「下町の工場」を支える熟練の職人たちです。社長は2代目の中塩屋宜弘さんですが、妻の祥子さんが「ヒバナス」を立ち上げました。工業用品を作る町工場が、なぜ一般家庭向けグッズを始めたのでしょうか。
以前は材料業者に切断された鉄板を外注していたのですが、発注から納品まで何週間もかかるため、自社で裁断・加工できるプラズマ加工機を導入。納期を大幅に短縮して、取引先も増えました。そして祥子さんは、自分たちで裁断加工ができるなら、端材でオリジナルグッズができる、と閃いたのです。社員たちも最初は戸惑いますが、もとより裁断・溶接のプロフェッショナルですから、他と差別化できる商品が出来て、一般の人と触れ合う場面が増え、社内も明るくなりました。

「ヒバナス」は祥子さんが図面を引き、宜弘さんが試作して製品化します。すると、キャンプ用の商品が注目を集めてヒット。他にも、お好み焼き屋さんの鉄板や、鍋、お店の看板といったオーダーも舞い込むようになりました。

そんな「ヒロセエンジニアリング」が、3月の「アウトドアフェス」のための新作に挑戦しました。また、子供さんの体験学習施設にも、ある新作を作成。さて、それはどんなモノだったのでしょうか。

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HIBANAS(ヒバナス)
概要鉄工所の技術で作る鉄のアウトドア雑貨。
備考ホームページ
http://hibanas.jp/
インスタグラム
https://www.instagram.com/hibanas_hibanas/
facebook
https://www.facebook.com/hibanashibanas/

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上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

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