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土橋諒太さん、健太さん 奈良市 双子のキッチンカー「CUCI奈良」

2022910日(土) 午前11時

母の思いを継いだ双子のキッチンカー

土橋諒太さん、健太さん 奈良市 双子のキッチンカー「CUCI奈良」

奈良の食材で、奈良に住む人、奈良に来た人を笑顔にするため、日夜、走り続けているキッチンカー。乗っているのは、小学校から高校まで、同じチームでサッカー一筋に打ち込んだという双子の兄弟、土橋諒太さんと健太さんです。お店の名前は『CUCI奈良』。人気メニューは、「スパイシーポークオーバーライス」。奈良産「ひのひかり」を使った十六穀米の上に、その日選んだ新鮮なレタス。キャベツ、奈良産「大和ポーク」が乗る一品。スパイスの効いた大和ポークとご飯の相性が抜群だと評判です。その他のメニューも絶品だとか。

「食へのこだわりは、母です。母の手作り料理は、安心・安全な食材を使った身体に優しいものでした。スーパーで我々が籠に入れた甘いものは全部返されました」。高校を卒業した二人は、揃って奈良の調理専門学校へ。その後、東京や大阪のレストランで経験を積みます。実家に帰ると母親から、「いつか二人でお店をやったら?」と言われることもしばしば。ところが2010年、66歳の母親が癌になり、2011年1月に亡くなります。二人は母との約束を果たすべく、8年をかけて資金を貯め、キッチンカーで開業したのが2020年。しかし、コロナ禍で出店を予定していたイベントはことごとく中止となり、苦難のスタートとなりました。

それでも二人は、厳選野菜やお肉にこだわり、次第に評判となっていきます。「キッチンカーを通して、美味しさだけじゃなく、喜びや楽しさも届けられれば」。さらに、セレッソ大阪の審査を経て、セレッソバルでの出店が認められます。ホームとアウェー、どちらのお客さんからも好評です。

奈良の農家と直接つながって、奈良の食材で、奈良に住む人、奈良に来た人、そして大阪のオフィス街で働く人を笑顔にするため、日夜走り続ける「CUCI奈良」。イタリア語で台所を意味する「クッチーナ」と奈良を掛け合わせた屋号のとおり、依頼があればどこにでも出かけて「台所」を開きます。そんな二人の夢のツヅキは・・・。

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CUCI奈良
概要奈良を拠点に活動するキッチンカー。
営むのは双子の料理人、土橋諒太さんと健太さん。
備考スパイシーポークオーバーライス 700円
ロコモコ丼 850円
ふわとろたまごのオムライス 700円
アップルマンゴーヨーグルト 700円
ベリーBERRYヨーグルト 600円
※メニューや料金は、その日によって変更。
※新作オーバーライスは、秋以降の発売予定。

※月曜・金曜はビーロット江坂前に出店。
その他は週ごとに変更。

ホームページ
https://cuci-nara.com/

インスタグラム
https://www.instagram.com/cucinara.ktc/
寺田農園
概要CUCI奈良の新作のために主人公が訪れた農園。
ハーブを100種類以上扱っている。
住所奈良県葛城市大畑53番地
電話番号0745-48-7755
備考ホームページ
http://www.teradafarm.com/
StEAK JiN
概要CUCI奈良の二人が仕込みを行う、友人のステーキレストラン。
住所奈良市西大寺芝町1丁目2-1
電話番号0742-93-8280
備考ホームページ
http://steakjin-nara.com/

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浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

2025524日(土) 午前11時

最後の京瓦職人

浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

京都市伏見区。この地で110年以上、瓦を作り続けている『浅田製瓦工場』。現在、京都でただ一人、「京瓦」を製造しているのが、三代目の浅田晶久さん。「京瓦」の神髄は「磨き」と呼ばれる技法。金属のヘラで丁寧に磨き上げ、重厚な光沢と深い鈍色の風合いを持たせる伝統の技術です。浅田さんの手掛けた瓦は、歴史ある寺社や建物の屋根を飾っています。

そんな「京瓦」も、時代と共に需要が激減。かつて京都に十数軒あった瓦工場は、今やここだけ。後継者もおらず、厳しい状況が続いています。「それでも後に残していかなあかん」。伝統を次の世代へ繋げたい。喜寿を目前にしても、休むことなく「京瓦」の可能性と未来への道を追求する浅田さん。しかし今、ある大きな決断を迫られていました。

先月、開幕した大阪・関西万博。「関西パビリオン」の中の京都ゾーンの床と壁を覆う素材として使われたのが「京瓦」です。瓦製作を監修したのが、浅田さん。オファーしたのは、空間デザインを担当した彫刻家の名和晃平さんです。「京瓦のおかげで、ここは静謐な空間になりました」。

浅田さん、屋根がダメなら床や壁にと、京瓦の未来のために、新たな可能性に挑みます。「これ、アインシュタイン・タイルといって、床に敷く」。不思議な形の13角形。早速、デザイン会社から発注がありました。その枚数、1840枚。一枚一枚、想いを込めて仕上げていきます。納品するのは東京都内のオフィス。さて、どんな空間になったでしょう。

切なる思いで、京瓦を残す道と、後継者を探し続けてきた浅田さん。しかし経営は厳しく、人材の採用すらままならないのが現実です。そこで昨年12月、大きな決断に踏み切りました。それは114年の歴史を持つ『浅田製瓦工場』の経営権の譲渡。

同じ未来を見据え、経営権の譲渡にむけて共に歩んできたのは、息子の憲和さんです。憲和さんが2年以上かけて探したのが、京都指定伝統工芸品の「事業再生と企画運営」を行う会社でした。しかし新体制に向けての大切なミーティングで、親子は激突します。心の整理がつかない父親の姿勢を見て、憲和さんがぶち切れました。「何が残したいや!全部自分で潰してるやんけ!必死やねんこっちは!」

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