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橋田佳未さん 京都下京区・七条通 「Marufuku KYOTO」

2023722日(土) 午前11時

仲卸店が営む新世代お惣菜屋さん

橋田佳未さん 京都下京区・七条通 「Marufuku KYOTO」

古くからの店が軒を連ねる商店街で、一際オシャレな店構え。カフェかスイーツ店のようですが、店内に並ぶのはお惣菜。京都のおばんざいの定番「いわしの炊いたん」をはじめ、新鮮な食材を使ったお惣菜が40種類以上、日替わりのお弁当も並びます。この新感覚のお店を作った女性店主が、橋田佳未さんです。

橋田さんの実家は、京都市中央市場の仲卸、丸福水産。その直営店として2年前に立ち上げたのが『Marufuku KYOTO』です。共に調理する料理長は、祇園の和食店で腕を振るっていた市村征洋さん。接客は村上香苗さん。この3人を中心にお店を切り盛りします。

素朴に見えるお惣菜ですが、日本料理の技で手間暇かけて作ったものも。「お店で食べる料理を家庭で」。いわしは3日かけて炊き上げ、骨まで崩れる柔らかさ。鯛はオリーブオイルで焼き、自家製のバジルソースをかければ、立派なメインディッシュです。

0歳児の男の子を女手一つで育てる橋田さんは、朝6時に出勤。お子さんを背負いながら仕込みを始め、途中子供を保育園に預けて、18時までひたすらお惣菜を作る日々です。ある時は新商品の開発も。この日は夏の定番「はも」を使って、華やかで彩りも美しい「はも寿司」を仕上げました。他にも、若い世代に人気が出そうなオシャレなピクニックセット「オシャピク」を売り出したりと、若い感性で色々な提案をしています。

元々はアパレルメーカーに就職していた橋田さんですが、コロナ渦で実家の卸売業が大打撃。「家業を守りたい」と8年勤めた会社を辞め、お惣菜屋さんをオープンしました。
そして店の未来のため、猛勉強して市場のセリに参加できる資格試験を受け、見事に合格。初めてセリに参加した橋田さんが狙ったのは、天然の鯛。これを使って、商店街を盛り上げるイベントで作りたい、ある料理がありました…

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Marufuku KYOTO 
概要魚の仲卸直営の惣菜店。市場直送の新鮮な魚介中心のお惣菜が並ぶ。
住所京都市下京区朱雀裏畑町17
営業時間10:00~18:00
定休日水曜・その他休日あり(インスタグラムで告知)
備考惣菜・お弁当は日替わり
丼は毎週土曜

インスタグラム
https://www.instagram.com/marufuku_kyoto/

お弁当・ピクニックセット予約専用ページ
https://reserva.be/marufuku_kyoto

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網野篤子さん 京都市

2025712日(土) 午前11時

ガラス細工で作るリアルな金魚

網野篤子さん 京都市

ガラス工芸の博物館で開催されていた「超絶技巧 硝子展」。ここで注目を浴びたガラス細工が…夏の風物詩、金魚。細部まで再現されたガラス細工の金魚は、まるで生きているような躍動感があります。まさに「超絶技巧」。この金魚の作品を作っているのが、ガラス作家の網野篤子さん。彼女が金魚をガラスで表現する理由、それは「金魚が大好きだから」。

京都の深泥池のほとりに、この地で生まれ育った網野さんのアトリエがあります。網野さんはバーナーワークという技法で、色ガラス棒を素材に20年以上、金魚を作っています。とにかくリアル。本物と比べてみても、その再現性に驚かされます。品種ごとに異なるシルエットや、ヒレの微細な特徴まで、見事に再現されています。では、その作品制作を見せてもらいましょう。

様々な色のガラス棒をバーナーで溶かして形にしてゆきます。溶けたガラスが垂れぬようつねに回転させ、温度を均一に保ちます。温度差ができると、ガラスが割れてしまうので、この調節がとても難しい。ガラスを継ぎ足し、先の細いピンセットでひれの膜を作り、尻びれ、尾ひれと、様々な器具を駆使して、本物に近づけてゆくのです。時には金箔や銀箔を使うことも。

網野さんは、ガラスの金魚を美しく仕上げるため、日々、研究を重ねています。やって来たのは、金魚の一大生産地・大和郡山。養殖のプロの話を聞き、様々な種類の金魚を見て、創作の源にしています。今日のお目当ては「大阪らんちゅう」。江戸時代から大阪を中心に、広く飼われた品種で、太平洋戦争の時代に絶滅の憂き目に遭いました。近年、愛好家たちが力を尽くし、見事、復活したそうです。網野さんのガラス細工で表現した「大阪らんちゅう」とは?

この日、網野さんに東京での展示会のオファーが舞い込みました。そこで新作を披露することにしたのです。挑戦するのは「ピンポンパール」という金魚。その名のとおり、まるでピンポン玉のように金魚です。網野さんはピンポンパール専門店を訪ね、じっくり見学して、創作のヒントを得ました。初めて表現する「ピンポンパール」、はたして納得のいくガラス細工に仕上がるのでしょうか。

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