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中村美穂さん 伊勢神宮・外宮 パン屋「麦」

2023916日(土) 午前11時

地域の人々に愛される伊勢神宮のパン屋さん

中村美穂さん 伊勢神宮・外宮 パン屋「麦」

一年を通して参拝客で賑わう伊勢神宮。その玄関口となる外宮前の参道には、100年以上も前から飲食店や物産展が軒を連ねています。その一角に、日々の暮らしに欠かせない店があります。パン屋『麦』。食パン、カンパーニュやフォカッチャなど、お食事パンをメインとする街のパン屋さんです。近所の常連さん、お店の人など、地域の人はもちろん、観光客も足を運びます。「朝食はここの食パンと決めている」「伊勢で1番おいしと思う」と評判です。店主の中村美穂さんは「日々の中で食べるパンを美味しく提供したい。地元の人と観光客が交流できるパン屋にしたい」と語ります。

オープン以来、地元に愛されてきたパン屋『麦』ですが、元々料理人を目指していた中村さんがパン屋さんを開くまでには、ある事情がありました。

三重県伊勢市で三姉妹の三女として生まれ育った美穂さん。料理好きな姉二人に影響を受け、相可高校へ入学。調理師免許が取得できる食物調理科を専攻します。そこで調理の基本と接客をみっちりと勉強。高校卒業後は、地元で人気のフレンチレストラン「ココット山下」へ就職。その後、料理人としてさらに腕を磨くため、東京屈指の人気フレンチビストロなどで日々調理に励んでいました。ところが…

「ココット山下」のオーナーシェフが開いたパン屋さんが閉店するという話を聞いてショックを受けた美穂さん。すると山下さんから「よかったら店を引き継いでもらえないか」という電話が。将来は伊勢に帰って店を持ちたいと思っていた美穂さんは、地域の味を守ろうと、すぐさま伊勢へと帰り、パン職人の修業を開始。毎日パンを焼きまくり、2021年9月、たった2か月でパン屋『麦』をオープンさせたのです。

オープンから2年。地元店からコラボのオファーが引きも切らない人気者となっている美穂さんですが、新たな展開を考えていました。それは2号店。姉と作る新しいモーニングメニューとはいったい?

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パン屋 麦
概要今回の主人公、中村美穂さんが店主を務めるパン屋さん。名店から受け継いだ食パンや、ハード系のパンなど、食卓を彩る食事パンが人気。地元の方や観光客も訪れる。
住所三重県伊勢市本町13-6
電話番号0596-64-8626
営業時間10:00~18:00 ※売り切れ次第終了。
定休日火曜・水曜(臨時休業あり)
備考白い角型食パン 1斤450円
カンパーニュ ホール500円 ハーフ250円

インスタグラム
https://www.instagram.com/panya_mugi/
ココット山下
概要主人公の中村さんが、かつて働いていたレストラン。フレンチをベースにした創作料理が人気。食パンを託したのはオーナーシェフの山下由華さん。
住所三重県伊勢市本町19-21
電話番号0596-25-9910
営業時間朝8:00~10:00(L.O.)
昼12:00~14:00(L.O.)
定休日火曜・水曜(臨時休業あり)
備考朝ごはん 1,800円
ランチコース(A)4,000円
(要予約)

ホームページ
http://ise-cocotte.com/
プラウドコーヒー
概要スイーツと自家焙煎コーヒーが人気のカフェ。今回「麦」の周年コラボイベントで塩焼きそばパンと限定コーヒーを提供。
住所三重県伊勢市宮後2丁目17-16
電話番号0596-67-4029
営業時間11:00~19:00(L.O.18:00)
定休日水曜(臨時休業あり)
備考ドリップコーヒー(HOT/ICE) 500円~

ホームページ
https://www.proudcoffee-ise.com/

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次回の放送

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

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