バックナンバー

前田智之さん 京都市右京区 福井県越前市 「Tanzen」

2024330日(土) 午前11時

国産の木にこだわる家具製作

前田智之さん 京都市右京区 福井県越前市 「Tanzen」

今年3月16日、北陸新幹線が敦賀まで延伸されたことは、大きなニュースになりました。
福井駅前に新しい商業施設も開業します。そこにオープンするカフェに、椅子を納品する工房がありました。主宰するのは福井出身の家具製作作家、前田智之さん。国産の木にとことんこだわる前田さんの多忙な日々、その情熱と挑戦に密着します。

京都市右京区。京北に佇む築100年を超える古民家が、前田さんの自宅兼ショールームです。7年かけてリノベーションし、昨年9月に完成したこの家には、前田さんの様々な拘りが詰まっています。壁を作らず家具で仕切り、キッチンから寝室、バスルームまで回遊できる巨大なワンルーム。ここに前田さん夫妻と娘さん二人が暮らすのですが、家の中でドアがあるのはトイレだけ、という徹底振りです。床材は無垢の杉。クローゼットはクリの木、外部建具は吉野杉、洗面台は松と、様々な国産の木を使っています。

前田さんの工房『Tanzen』は、福井県の越前市にあります。家具の設計から製作、施工までをスタッフと共に手掛けているのですが、昔からある手作りの職人集団、とはちょっと違う働き方も実践しています。また国産の木、特に福井の杉への拘りは、どこから来ているのか、その納得の理由も明らかに。

オリジナルブランド「日記家具」は、国産の杉材をメインにして製作する子供用家具です。傷付きやすいという杉の特性を逆に生かして、「柱の傷」のように傷が思い出となり、子供の「日記」になる家具。角を丸く整え、無着色、無塗装で仕上げた日記家具は、家の中や保育園、公共施設でも活用されるヒット家具となりました。

さて、北陸新幹線延伸に合わせて福井駅前にオープンするカフェの椅子はどうなったのでしょう。大人用の椅子を作るのは初めて、という前田さん。福井産の杉で作る12脚の椅子は、納期までに仕上がったのでしょうか。

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
Tanzen
概要国産の木にこだわり、オリジナル家具・オーダー家具を製作。
住所福井県越前市家久町
備考日記家具 おうちのすべり台 59,950円
おもちゃの家 96,800円

自宅のショールーム見学
月に数回フリーオープンデー開催 OR 事前予約で見学可能
詳しくはTanzenホームページにて

ホームページ
https://tanzen-f.jp
インテリア末永
概要建物や空間のデザインからコーディネートまで永く使えるモノを提案。
住所京都市西京区上桂三ノ宮町13-4
電話番号075-392-2561
営業時間10:00~18:00
定休日水曜・木曜 ※水曜は完全予約制でご予約時のみ営業
備考阪急京都線「桂駅」から徒歩15分
茶屋cafeあたらしや
概要福井で愛されてきた「名物とうふ田楽」や「こんにゃくおでん」が楽しめる。
住所福井市中央1-3-5 MINIE1F
電話番号0776-37-3351
営業時間11:00~23:00
定休日火曜
備考ランチ 1,200円~2,000円
ディナー 1,200円~3,000円

JR福井駅前

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー

次回の放送

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー