バックナンバー

加悦徹さん、順子さん、雅乃さん、千惠子さん 京都市左京区 「猫猫寺」

2024511日(土) 午前11時

猫が好き過ぎる家族の美術館

加悦徹さん、順子さん、雅乃さん、千惠子さん 京都市左京区 「猫猫寺」

猫ヒゲをたくわえた【武田猫玄(にゃんげん)】の鎧兜。小判ならぬ【猫判(ねこばん)】。顔が猫の【織田信猫(にゃが)像】。どこも猫、猫、猫、な『猫国(にゃんごく)武将展』と名付けられた企画展には、国内外から猫好きのお客さんが多数来場しました。開催された場所は、古民家を寺院風に改装した美術館、その名も【猫猫寺(にゃんにゃんじ)】です。

菅長の加悦徹さんは、神社仏閣を彩色する日本有数の絵師。猫作家の長男・雅乃さんと共に、猫猫寺に展示する作品を作っています。徹さんの妻・順子さんは、羊毛フェルト作家として猫のぬいぐるみを製作。依頼が3ヶ月待ちという人気です。裁縫が得意の祖母・千惠子さんは猫猫寺のグッズ作りを担当。つまり家族全員が猫アーティストなのです。

自然豊かな京都の奥座敷、八瀬。ここに【猫猫寺 開運ミュージアム】ができたのは4年前です。半年に一度のペースでユニークな企画展を開催していますが、毎回2万人近くのお客さんが集まり、猫マニアの聖地となっています。

猫作家歴14年という長男の雅乃さんは、小学生の時に描いた猫の絵で賞をとり、ピカソやルノワールを輩出したパリの名門展に最年少の17歳で入選。世界からも注目されるアーティストに成長しました。これまでの作品を見せてもらいつつ、5月からの企画展【猫仏展】の仏像製作の模様や、大作の製作を追いました。また、徹さんも今回の目玉でもある大屏風【風猫雷猫図(ふうにゃんらいにゃんず屏風)】を制作。順子さんも千惠子さんも、新作作りに余念がありません。

さて、半年かけて家族が仕上げた【猫仏展】。開催前日の最終準備から5月1日のオープンまで密着しました。はたしてお客さんの反応は…

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
猫猫寺(にゃんにゃんじ)
概要猫に特化した作品を展示するミュージアム。
5月1日~10月末まで『猫仏展』を開催中。
住所京都市左京区八瀬近衛町520
電話番号075-746-2216
営業時間11:00~17:00(土日祝18:00)
定休日火曜
備考大人 800円
小、中、高 300円

ホームページ
https://nyannyanji22.www2.jp/
インスタグラム
https://www.instagram.com/nyan_nyanji/

https://twitter.com/NYANNYANJI

加悦雅乃インスタグラム
https://www.instagram.com/miyano.99/

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー

次回の放送

佐々木萌水さん 京都市

202575日(土) 午前11時

川底から宝物を探す漆作家

佐々木萌水さん 京都市

よく見るとガラス玉が埋め込まれていたり、様々な模様が散りばめられていたりする独創的な見た目の器たち。実は川で拾った様々な陶器のカケラを漆の力で継ぎ合わせて、一つの器に仕上げた作品なんです。川の清掃活動から作品づくりを始めるのが、京都で活躍する漆作家の佐々木萌水さん。

京都市内の中心部を北から南に流れる、高瀬川。江戸時代初期に運河として造られた水深、数十センチの浅い川です。この川の川底には、江戸時代から昭和中期にかけて捨てられた陶器のカケラが眠っていました。萌水さんは高瀬川を掃除しながら、そのカケラを拾い集めているのです。

カケラを繋ぎ合わせるのは漆の力と、萌水さんオリジナルの技法「羊毛乾漆」。イメージする器に足りない部分を、漆をたっぷり吸ったフェルトで補います。隙間を漆で接着するのは、金継ぎと同じ要領。様々なカケラを一つの器にしていきます。

漆を学ぶきっかけになったのは、祖母とのやりとり。持っていた漆塗りの茶器の柄がズレていたのが気になって祖母に聞くと「これは機械で絵付けしてるから、出力した時にズレたのよ」。機械で作る割に完璧じゃないなら、人の手でやればもっと良いものが出来るのではと考え、京都市立芸術大学、そして大学院に進学し、本格的に漆を学びます。

漆という材料が持つ魅力を、もっと多くの人に広めたい。萌水さんは漆教室の活動も精力的に行っています。この日、漆教室の受講生を連れて向かったのは、1909年創業の老舗漆店です。漆がどのように製造されているのか、見学ツアーを企画しました。

京都市立芸術大学のキャンパス内にも流れる高瀬川の環境を整備するにあたり、ホタルを育てる活動が始まっていました。成虫が上がってきやすいよう砂利を敷いたりと、地道な作業が実って、光を灯し始めたホタルたち。新しく生まれた高瀬川の風景を萌水さんは新たな作品のモチーフにします。さて、どんな作品が生まれたのでしょうか。

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー