バックナンバー

玉山弘季さん 大阪市天王寺区 「Tama atelier(タマ アトリエ)」

202468日(土) 午前11時

料理人から愛される大阪・玉造の陶芸家

玉山弘季さん 大阪市天王寺区 「Tama atelier(タマ アトリエ)」

「器(うつわ)」。それは料理を宝石のように輝かせ引き立たせる、大切なもの。ここに、今料理人から熱い支持を受け、依頼が絶えない陶芸家がいます。玉山弘季さん。陶芸家のイメージとはかなり違った、個性的な風貌です。その器もまた、色鮮やかでパワフル。今回は、料理人の熱い想いを焼き込み、「美食の器」を生み出す陶芸家に密着しました。

JR環状線「玉造」駅から連なる、下町ムードの商店街。ここに玉山さんのアトリエがあります。玉山さんは釉薬の原料を独自にブレンド。独創的な色合いと形が相まって、「料理が映える器」が次々と焼き上がっていきます。「器に料理がのってこそ、その器の完成なんです」と玉山さん。

実際にお店で使われている器を見てみましょう。ある割烹店では、ブルーの濃淡をつけて、刺身の新鮮さが伝わる涼しげな皿が好評。人気とんかつ店の、まるでパレットのような皿は、9種類の薬味が絵具にみえるユーモラスな作品。有名ラーメン店の社長から依頼されたラーメン鉢は、超独特なまがまがしさで、社長も大満足です。と、ここでおでん屋さんから新たな依頼が。「創作おでんに合う器」です。

土は主に「手回しろくろ」で成形、半乾きになったらなるべく重くならないよう、削って形を整えます。乾燥したら3日間かけて「素焼き」します。その器に、焼くと色合いが異なるブルーに変化する2種類の釉薬で模様を描きます。黒く発色する釉薬で縁取りしたら、最後に4日間かけて「本焼き」。さて、どんな器になったでしょう。

玉山さんには、もう一つの顔が。それは講師。高校で陶芸の授業を行っているのです。生徒さん達から、玉山先生の印象を聞くと、意外な答えが…

ある日、イタリアンのシェフとの打ち合わせ。「玉山さんの器とシェフの料理を楽しむイベント」を企画していたのです。そのメインディッシュに使う新たな器を焼くと決めた玉山さん、これまた、独創的な器を生み出します。さらに、玉山さんの器を愛用している鮨店から依頼された「陶器の重箱」とはいったい?ヒントは「火の玉」。

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
Tama atelier(タマ アトリエ)
概要玉造の日之出通り商店街にある陶芸家、玉山弘季さんのアトリエ。
住所大阪市天王寺区玉造元町16-2
営業時間来店の際は、ホームページ・インスタグラムにて要連絡
定休日不定休
備考6月22日(土)・23日(日)
心斎橋PARCOにて
「スーパー陶芸教室」を開催
6月26日(水)~7月2日(火)
あべのハルカス近鉄本店にて行われる
「工芸のちから2024」で展示販売会を開催

ホームページ
https://tama-atelier.net
インスタグラム
https://www.instagram.com/hirokitamayama
割烹たけだ
概要玉山さんが製作した器を使う、大阪の新町にある割烹店。
住所大阪市西区新町3-9-2
電話番号06-6534-2567
営業時間昼 11:30~14:00 ※昼はコースのみ 要予約
夜 18:00~22:00
定休日日曜
備考インスタグラム
https://www.instagram.com/kappou_takeda
ニューベイブ 難波店
概要玉山さんが製作した器を使う、大阪の難波にあるとんかつ店。
住所大阪市浪速区難波中1-14-12エベンエゼルビル1F
電話番号06-7777-0439
営業時間11:00~20:00
定休日無休 ※年末年始は休み
備考ホームページ
https://newbabe.jp
インスタグラム
https://www.instagram.com/newbabe_namba
食卓堂
概要玉山さんが製作した器を使う、大阪の土佐堀にある創作おでん店。
住所大阪市西区土佐堀3丁目1-13
電話番号050-1809-4544
営業時間昼 11:00~14:30(L.O.14:00)
夜 18:00~23:00(L.O.22:00)
定休日火曜・不定休
備考インスタグラム
https://www.instagram.com/syokutakudo_official
日本酒専門店 糀 コメノハナ
概要玉山さんが製作した器を使う、大阪の天満にある日本酒専門店。
住所大阪市北区天神橋2-5-31コンフォール南森町1F
電話番号06-6926-4059
営業時間物販 13:00~23:00
飲食 17:00~23:00(お酒L.O.22:30)
定休日月曜・日曜
備考ホームページ
https://umeshuya.com/komenohana
鮨すばる
概要玉山さんへ重箱の依頼をした大阪の肥後橋にある鮨店。
住所大阪市西区江戸堀1-16-29
電話番号06-6443-7772
営業時間17:00~23:00(L.O.22:00)
定休日不定休
備考インスタグラム
https://www.instagram.com/sushi_subaru.higobashi

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー

次回の放送

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー