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小西栄二さん 『YOSANO ROASTAR KYOTO 』京都 与謝野町

202528日(土) 午前11時

チョコレートで世界2位に輝いた溶接職人

小西栄二さん 『YOSANO ROASTAR KYOTO 』京都 与謝野町

のどかな田園風景が広がる京都・与謝野町。去年3月にオープンした『YOSANO ROASTAR KYOTO 』が話題になっています。カカオ豆からチョコレートを自家製する
「ビーントゥバー」で世界2位に輝いたお店なんです。作っているのは、店主の小西栄二さん、58歳。実は本職は、ショコラティエでも料理人でもありません。意外にも、溶接工。
高度な技術でチタン合金のオートバイのパーツや自転車を作り、「現代の名工」にも選ばれた凄腕の職人です。そんな小西さんが、何故チョコレートを?

小西さんのこだわりはコーヒーにも。美味しさの秘密は、なんと焙煎機を自分で作ってしまったこと。一度、既製品を参考に製作するも、納得がいく機械が出来なかったことから、独学で焙煎機を作ってしまったのです。「何度も失敗するうちに、成功が見えてくる」と、2年の歳月をかけ出来上がったのが、セラミック遠赤外線ロースターです。

自家製の焙煎機を開発した時、様々な素材を試し、抜群に美味しかったのがカカオ豆でした。小西さんのチョコレートはこうして生まれたのです。遠赤外線ロースターで焙煎することの効能を教えてもらいましょう。

チョコレート作り始めて直面したのが、豆の皮をむく大変さでした。手作業だと1キロむくのに2~3時間かかります。そこで小西さん、カカオ豆粉砕分別装置を開発し、10分で皮むきを終わらせました。皮むきからチョコレートの原料となる「ニブ」の分別・粉砕まで行えるため、「チョコレート専門店から『神の機械』とよばれて全国から発注が来ました」。

この日、進学で京都を離れている2人の娘さんが帰省。溶接工の父親がチョコレートを作り始めたとき、どう思ったのでしょう?一緒に『YOSANO ROASTAR KYOTO 』を営む、妻の暢子さんは?そして、様々な技術を身に着けるうち、「すべての分野でトップになりたい」、「人の役に立つものを作りたい」という小西さんの熱い想いとは?

「地元を盛り上げたい」と58歳であるイベントを初開催する小西さん。京都・舞鶴にある赤レンガパークに、全国から名だたるコーヒーショップとチョコレート専門店が集結しました。さらに、バレンタインデーに向けて新たなチョコレート作りもスタートさせます。

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YOSANO ROASTER KYOTO
概要自転車の溶接職人が作るコーヒーとビーントゥーバーのチョコレートが頂けるお店
住所京都府与謝郡与謝野町明石2400
営業時間10:00~16:00
定休日月曜・火曜・水曜・日曜 インスタグラム確認
備考ホームページ
https://kyotoyosano-roaster.com/

インスタグラム
https://www.instagram.com/yosanoroaster.kyoto/
COCOKYOTO本店
概要カカオ豆からチョコレートになるまでの製造を一貫して京都の工房で行うビーントゥバーチョコレートの専門店
住所京都府京都市中京区西ノ京三条坊町15-3
電話番号075-874-4870
営業時間10:30~18:30
定休日不定休
天橋立ワイナリー
概要日本三景天橋立を目の前にしたワイナリーで、自社農園と契約農家で栽培したぶどうを原料とするワインを醸造
住所京都府宮津市国分123
電話番号0772-27-2222
営業時間10:00~17:00
定休日水曜(ワイナリー内無休)

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上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

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