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山本 貴大さん 『いちご工舎』 兵庫県多可町

202545日(土) 午前11時

イチゴ農家が営むケーキ店 店主

山本 貴大さん 『いちご工舎』 兵庫県多可町

兵庫県の中央に位置する、自然豊かな山あいの町・多可町。ここに、去年1月にオープンしたケーキ店『いちご工舎』が人気になっています。店主の山本貴大さんがケーキを作り、妻の真佑子さんが焼き菓子を担当。看板商品のひとつが、「いちご工舎ロール」。イチゴの量は何と1パック分!もうひとつの看板商品は、「いちご工舎タルト」。ここにもイチゴを贅沢に使っています。

ケーキを食べた多くの人が、口を揃えて言うのが、イチゴそのものの美味しさ。なぜなら、収穫するビニールハウスがお店の目の前にあるから。そう、山本さん夫妻はイチゴの生産者なのです。だから朝に採れたばかりのフレッシュな完熟イチゴを、ケーキに使うことができるのです。

午前6時。日が昇る前にイチゴを収穫します。美味しいイチゴを育てるため、農作業は毎日行います。つぼみや花を間引くなど、調整する必要があるからです。そして、イチゴの味わいを生かすため、生地の素材にもとことん拘ります。

今、イチゴ栽培の主流は、地面より高い位置で育てる「高設栽培」。作業や管理がしやすいのが特徴です。しかし山本さんは、あえて大地に根を張る「土耕栽培」を選びました。その理由は?

イチゴに情熱をそそぐ山本さんの人生は、紆余曲折がありました。愛知県で生まれ育った山本さんは、パイプ工場、引っ越し業、居酒屋など20以上の職を転々としました。真佑子さんと結婚後、「農業をしたら何かが変わるかもしれない」と思い、イチゴ農園で働くことに。洋菓子店も併設された農園で、イチゴの魅力を知ったのです。ケーキ作りにも、今までにないやりがいと達成感を感じて、独立することにしました。

山本さんには、土耕栽培を学んだ師匠がいます。この道30年のベテラン、柴田さんです。半年間、柴田さんのもとで土耕栽培を学びました。そんな柴田さんにあるお願いが。実は、自分が育てたイチゴを、師匠に食べてもらったことがなかったため、是非食べてほしいと持ち掛けたのです。早速、山本さんの畑にやって来て、イチゴを食べた柴田さん。その感想は…意外にも辛口でした。

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いちご工舎
概要兵庫県多可町にある山本貴大さんが営む、朝採れイチゴを使ったスイーツを販売するケーキ店
住所兵庫県多可郡多可町八千代区中野間586-1
営業時間10:00~16:00 ※売切れ次第、終了 
備考営業日
冬季 12月~5月 木曜・金曜・土曜・日曜
夏季 6月~11月 木曜・土曜
※夏季は米粉パンや米粉バーガーを販売

詳細はインスタグラムまで
https://www.instagram.com/ichigo_kousha
「OBENTOチーズケーキ」は4月5日(土)~13日(日)の期間で販売予定
柴田農園 いちご直売所
概要兵庫県加西市にある、山本さんの師匠 柴田さんが営むイチゴの直売所
住所兵庫県加西市常吉町442
営業時間10:30~ 売切れ次第、終了
備考5月中旬 販売終了予定  
農園若づる
概要兵庫県多可町にある、山本さんがケーキに使う米粉を販売する農園
備考詳細はホームページまで
https://wakadzuru.official.ec

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上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

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