バックナンバー

いわたまいこさん

2019216日(土) 午前11時

小さな生き物たちに魅せられた女性切り絵作家

いわたまいこさん

小さな生き物を切り絵で表現する、いわたまいこさん。
神戸の自然に囲まれた環境に育ち、幼少期から昆虫や動物が好きで、勤務していた王子動物園での子供向けイベントをきっかけに、切り絵の世界に魅了されました。
そして退職し、切り絵活動に専念してきました。

いわたさんの切り絵は、あまりスポットライトが当たらない昆虫などの小さな生き物たちです。「小さくても懸命に生きる命の美しさを知って欲しい」という愛情を持ち、切り絵を通じて、知らない生き物への驚きと、感動を伝えたいと考えています。

生き物自体にも興味と魅力を感じて貰おうと、リアリティーにこだわる切り絵は、本物そっくりです。作品に取り掛かる前には、写真資料のほかに実物や標本を顕微鏡で観察し、時には生態も徹底的に調べてから、昆虫の1本の細かい毛までをも緻密に表現します。

今回、伊丹市昆虫館から、数種類の昆虫の標本と、そのそれぞれの切り絵を並べて展示したいという依頼がありました。モチーフとなるのは、あまりにも珍しい昆虫たちですが、果たしてどのように切り取り、どんな切り絵を完成させるのでしょうか?


小さな生き物たちに、愛を注ぐ!
驚きと感動を届ける女性切り絵作家に密着しました。

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
伊丹市昆虫館
概要切り絵作家のいわたまいこさんの新作昆虫切り絵が伊丹市昆虫館所蔵の昆虫標本とともに展示
住所兵庫県伊丹市昆陽池3-1 昆陽池公園内(展示は2階第2展示室)
電話番号072-785-3582
営業時間9:30~16:30
定休日火曜(火曜が祝日の場合は翌日が休館)
備考入館料 個人
大人 400円
中高生 200円
3歳~小学生 100円

ホームページ http://www.itakon.com/
切り絵作家 いわたまいこ
概要小さな生き物を精緻なデザインで切り出す切り絵作家

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー

次回の放送

浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

2025524日(土) 午前11時

最後の京瓦職人

浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

京都市伏見区。この地で110年以上、瓦を作り続けている『浅田製瓦工場』。現在、京都でただ一人、「京瓦」を製造しているのが、三代目の浅田晶久さん。「京瓦」の神髄は「磨き」と呼ばれる技法。金属のヘラで丁寧に磨き上げ、重厚な光沢と深い鈍色の風合いを持たせる伝統の技術です。浅田さんの手掛けた瓦は、歴史ある寺社や建物の屋根を飾っています。

そんな「京瓦」も、時代と共に需要が激減。かつて京都に十数軒あった瓦工場は、今やここだけ。後継者もおらず、厳しい状況が続いています。「それでも後に残していかなあかん」。伝統を次の世代へ繋げたい。喜寿を目前にしても、休むことなく「京瓦」の可能性と未来への道を追求する浅田さん。しかし今、ある大きな決断を迫られていました。

先月、開幕した大阪・関西万博。「関西パビリオン」の中の京都ゾーンの床と壁を覆う素材として使われたのが「京瓦」です。瓦製作を監修したのが、浅田さん。オファーしたのは、空間デザインを担当した彫刻家の名和晃平さんです。「京瓦のおかげで、ここは静謐な空間になりました」。

浅田さん、屋根がダメなら床や壁にと、京瓦の未来のために、新たな可能性に挑みます。「これ、アインシュタイン・タイルといって、床に敷く」。不思議な形の13角形。早速、デザイン会社から発注がありました。その枚数、1840枚。一枚一枚、想いを込めて仕上げていきます。納品するのは東京都内のオフィス。さて、どんな空間になったでしょう。

切なる思いで、京瓦を残す道と、後継者を探し続けてきた浅田さん。しかし経営は厳しく、人材の採用すらままならないのが現実です。そこで昨年12月、大きな決断に踏み切りました。それは114年の歴史を持つ『浅田製瓦工場』の経営権の譲渡。

同じ未来を見据え、経営権の譲渡にむけて共に歩んできたのは、息子の憲和さんです。憲和さんが2年以上かけて探したのが、京都指定伝統工芸品の「事業再生と企画運営」を行う会社でした。しかし新体制に向けての大切なミーティングで、親子は激突します。心の整理がつかない父親の姿勢を見て、憲和さんがぶち切れました。「何が残したいや!全部自分で潰してるやんけ!必死やねんこっちは!」

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー