バックナンバー

「御猟野乃杜(みかりののもり)牧場」磯部育実さん

2019511日(土) 午前11時

日本古来の在来馬を未来に繋ごうとする女性牧場主

「御猟野乃杜(みかりののもり)牧場」磯部育実さん

日本古来の「日本在来馬」。普段よく目にする競走馬のサラブレッドとは違い、背が小さくて足や首が太いのが特徴です。かつては、武術や農作業、物資の運搬など、日本人の暮らしには欠かせない存在でしたが、今では、約2,000頭しかおらず、絶滅の危機に瀕しています。

そんな在来馬を未来へ残そうとしているのが、御猟野乃杜(みかりののもり)牧場の磯部育実さんです。牧場は、滋賀県近江八幡市の賀茂神社の近くにあり、この周辺は天智天皇が全国で初めて馬の国営牧場を開いたとされることから「馬の聖地」とされています。

静岡県浜松市で生まれ育ち、小学生の頃から、在来馬に興味を抱いていたという磯部さん。大学卒業後は、地元の農協などで働いていましたが、ある時、山梨県に在来馬を飼育している牧場があることを知り、住み込みで働き始めました。

磯部さんは、この牧場で、飼育だけでなく、在来馬固有の乗り方や、馬上の武術といった文化を学び、1年前に独立。今の牧場を立ち上げ、馬と共生しながら、流鏑馬(やぶさめ)や、重機の通れない狭い場所での物資運搬など、在来馬の歴史と文化を継承しようと奮闘しています。


日本に古くから伝わる馬と共に伝統を守る!
在来馬を未来に繋ぐ女性牧場主に密着しました。

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
御猟野乃杜牧場
概要日本古来の馬「日本在来馬」を専門に扱う牧場。
和式馬術や流鏑馬が体験できる。
住所滋賀県近江八幡市加茂町1780
電話番号0748-43-0410
定休日不定休
備考流鏑馬体験(1時間程度)
小中学生3,000円 大人(高校生以上)5,000円
※要予約

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー

次回の放送

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー