新・企業史博物館

9月26日(水)放送

六甲バター株式会社
【 第3夜 】 日本の食文化を変えた「世界初」の大ヒット商品

オーストラリアからの依頼を受けて、プロセスチーズの製造を開始した、「六甲バター」。しかし、カビは生える、空気孔はあくなど、安定した製品がなかなか作れない。製造は困難を極めたが、オーストラリアの熱心な指導、技術者の熱い思い、そして良質なマーガリンを開発した経験が生き、半年がかりで日本人の嗜好に合うプロセスチーズが完成する。

ところが、昭和30年代の日本の一般家庭では、まだチーズに馴染みがなく、なかなか食べてもらえない。
どうしたら、家庭にも普及するのか・・・

そこで考えだされたのが、世界初の「スティックチーズ」。 同じ形状のソーセージにヒントを得た創業者・塚本信男社長のアイデアだった。一般家庭に冷蔵庫が普及しはじめた昭和35年に発売され、スティックチーズは爆発的に売れた。家庭の冷蔵庫には必ず「Q・B・B」のスティックチーズが入っている、といっても過言ではないほど、売れに売れた。消費者のニーズを的確にとらえた結果だった。

さらに、昭和46年には、日本で初めて一枚一枚が包装されたスライスチーズを、昭和47年には、現在も年間5億個以上を販売するベビーチーズを、そして昭和57年にはレアチーズケーキを発売。
こうして日本の食文化に「チーズ」を浸透させていった。

Q・B・B