関西ニュースKANSAI

ダブル台風と梅雨前線のトリプルパンチ? 「大阪では2日間で1カ月分の雨量に匹敵」 長雨蓄積で災害リスクも上昇 注意が必要な“前兆”は?【気象予報士解説】

06/25 18:45 配信

 2つの台風が日本列島に接近しており、梅雨前線とあわせて長期間にわたって雨が続く「長雨蓄積型」となる恐れがあります。気象予報士の岡雄介さんは、過去の豪雨災害との類似性を指摘し、早めの備えを呼びかけています。

近畿各地で警報級の大雨のおそれ 台風7号も接近中 交通機関にも影響広がる

台風7号・8号の現状 気圧が低くなくても油断は禁物

台風7号・8号の予想進路

 現在、日本の南には台風7号と8号が存在しています。気象予報士の岡雄介さんは、台風の強さを見る指標として「中心気圧」を挙げました。この数値が小さいほど発達した台風を意味し、「900hPa台前半ぐらいだとかなり発達している」とのこと。

 現在の7号(985hPa、25日午後4時推定)と8号(998hPa、25日午後3時現在)は、それほど気圧が低くなく発達している状況ではないものの、油断は禁物だと指摘します。岡さんは「前回の台風6号も日本に近づいてきた頃には980hPa台でしたので、それでもあれだけの大雨をもたらしました。この勢力でもまだまだ油断はできない」と述べ、勢力が比較的弱くても大きな被害をもたらす危険性があることを強調しました。

2つの台風の進路予測 最接近は土曜日

 最新の進路予測によると、台風8号と7号は、27日土曜日にかけて近畿地方に最も接近する見通しです。岡さんは、2つの台風の動きについて「まず8号がスピードを上げて土曜の朝に近畿の南まで近づいてきて、その後一気に東へ抜けていく。この8号に関しては、早々に梅雨前線に取り込まれる」と解説しました。その後を追いかけるように、台風7号が西から東へと抜けていく予測です。

 2つの台風が接近することで互いの位置や進路に複雑に影響を及ぼしあう「藤原の効果」の可能性について、岡さんは「今回はそれぞれの勢力がそこまで強くなく、独立して接近してくる」との見方を示しました。ただし、今後の勢力変化によっては状況が変わりうることもあるということです。

「長雨」のメカニズム 3段階で雨雲が襲来

長時間の雨で積算降水量も増加

 今回の台風で最も警戒すべきなのは、雨が長時間続くことです。岡さんは、今後の雨の降り方について、3つの要因が重なることを指摘しました。

 まず、停滞する梅雨前線によって断続的に雨が降っている現在の状況が続きます。その後、27日(土曜日)の早朝にかけて「8号による雨雲がやってきて、次に7号による雨雲がやってくる」ということです。これにより、雨が降る期間が非常に長くなる見込みです。関西への影響について、岡さんは「いずれも影響がある」としていて、現在降っている雨も2つの台風からの湿った空気が原因であり、今後、それぞれの台風本体に伴う雨雲が時間差で到達するため、警戒が必要だと述べました。

「長雨蓄積型」のリスク 2020年7月豪雨との類似性

長期間にわたる降雨でリスク上昇

 長期間にわたる降雨は、総雨量を著しく増加させます。48時間先の予想積算降水量では、近畿中部や南部の多いところで150~200ミリ、なかには200~300ミリに達するところもある予測です。岡さんは「大阪などでは1カ月分近い雨量が、この2日間で降ってしまう可能性がある」と、その雨量の多さを強調しました。

 このような状況では、①梅雨前線による雨、②台風8号による雨、③台風7号による雨、という3段階の降雨が土砂災害や河川の増水・氾濫のリスクを高めます。これは、熊本県の球磨川が氾濫し、全国で84人の死者を出した2020年の「令和2年7月豪雨」の際と似た気象パターンであり、警戒が必要な状況です。

警報級の可能性は? 台風接近前から高まるリスク

25日から大雨や土砂災害のおそれ

 気象庁によると、台風が最接近する27日土曜日だけでなく、25日木曜日と26日金曜日も大雨や土砂災害のリスクが高いということです。

 この状況について岡さんは「この梅雨前線による長雨が続いて、土壌に雨がたまっている中で、最後のパンチとして台風がやってくる可能性がある」と指摘。すでに地盤が緩んでいるところに、台風による集中的な雨が追い打ちをかける形となるため、土曜日の雨の降り方には特に注意が必要だと解説しています。

土砂災害の前兆とは? 「川の水が減る」は最も危険なサイン

土砂災害の前ぶれ

 長雨でリスクが高まる土砂災害には、いくつかの前兆があります。「小石がパラパラ落ちてくる」「わき水が増える」「うなるような音、異常なにおい」などには注意してください。なかでも注意すべきサインとして、岡さんは「雨は降り続いているのに川の水が減る」という現象を挙げました。

 これは「1番危険」な兆候であり、「上流で雨がせき止められて、そこから一気に土石流が起きてしまう」おそれがあります。川の水が減ったからと安心するのではなく、むしろ上流で土砂崩れ(天然ダム)が発生している可能性を疑い、直ちに避難する必要があります。また、岡さんは災害から助かった人の多くが「何かいつもと違った」という違和感を口にすることを挙げ、その直感を信じて行動することの重要性も付け加えました。

週間予報 台風一過の後は熱中症に注意

台風の後は蒸し暑くなりそう

 週間予報によると、台風が東へ離れる土曜日の日中以降は、一時的に晴れ間が戻る「台風一過」となる見込みです。しかし、その後は気温が32℃前後まで上昇し、かなり蒸し暑くなることが予想されています。

 岡さんは、天気が回復しても安心はできないと注意を促します。「これだけ雨が続くと、晴れ間が戻ってもまだまだ地盤は緩んでいます。天気が回復したからといって、崖の近くや川の近くなど危険な場所にはできるだけ近づかないように」と呼びかけ、台風通過後も土砂災害への警戒を続けるよう求めました。

(『newsおかえり』6月25日放送分より)

最終更新:06/25 18:45

関西ニュースヘッドラインKANSAI

もっとみる