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「勉強=しんどい」“がむしゃら学習”やっていませんか? ”スタンフォード”校長直伝「脳の仕組み活かした」勉強効率アップ術 夏休みは子どもたちにどう接する?

07/23 19:00 配信

効率的な学習法を解説

 勉強しなければならないとわかっていても、どうしても気が重い。そんな経験は、子どもだけでなく大人にも共通するものではないでしょうか。こうした状況を打開する効率的な学習法を、スタンフォードオンラインハイスクールの星友啓校長に聞きました。

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日本人の学ぼうとする意識は?

 ベネッセコーポレーションによる社会人4万人への学習意欲に関する調査では、「学習したことないし、学びたいとも思わない」と答えた人が、41.5%にのぼりました。

 さらに海外と比べると、社会人の1日あたりの平均学習時間はわずか38分。イギリスの118分、アメリカの111分と比べると、その差は歴然です。

 「時間がない」「やる気が続かない」という悩みが多く、星校長は、「日本人には『勉強=しんどい』という潜在意識が根付いている」といいます。

星校長:勉強は「やらされるもの」というのが、システムの根本にあることが問題だといわれている。また、先進国のOECD諸国では、テストがある(=テスト不安)とやる気が上がるとされている。しかし日本だけは、テスト不安が高くてやる気がないという状況。「テストがある、やらなきゃいけない」という状況が長く続くことによって、やる気がなくなっているといわれている。

“がむしゃら学習”は効率が悪い 「自力で思い出す」が鍵

“がむしゃら学習”やっていませんか?

 多くの人が学生時代に経験してきた勉強法として、次のような”がむしゃら学習”が挙げられます。

・ 重要なポイントをノートにまとめる
・ テキストの重要箇所に線やマーカーを引く
・ 語呂合わせやキーワードで暗記する
・ 頭の中で映像化してイメージで覚える
・ テキストを何度も読み直す

 星校長は"がむしゃら学習"について、「効率が悪く脳にストレスをかける勉強法だ」と指摘します。

星校長:「学習の科学」の論文のレビューによって、こういった勉強法には効果がほとんどないか、もしくは非常に限定的であるというのが出ています。例えば、線引きとか読み直しは、非常に効果が低いということで有名。脳を鍛えるのは筋肉を鍛えるのと一緒で、がむしゃらにやってもある程度まで成長するが、しっかりしたやり方をしなければならない。

どうすれば効率よく学習できる?

 では、どうすれば効率よく学習できるのか。星校長は2つの方法を紹介します。

 まず「リトリーバル」です。一度インプットした内容を、テキストを見ずに“自力で思い出す”作業のことです。記憶を頭の中から引き出す行為そのものが、記憶の定着を高めるということです。

 もう1つが思い出したことを言葉にする「ブレインダンプ」 です。学んだことを何も見ずに、一気に書き出したり、口に出したりする方法です。

星校長:動画を見て学んだあと、そのとき覚えていることだけを書き出すと、書き出せたものの記憶の定着が良くなるだけでなく、思い出せなかったことの記憶の定着にもつながることが分かっています。

リトリーバルを日常に取り込む方法がスキマ学習

 リトリーバルを日常に取り込む方法が、スキマ学習です。例えば、通勤中の勉強では、ずっとテキストを読み続けるのではなく、一度目を離して思い出す時間を意図的に作ることがポイントです。

 また、家事をしながらの学習も効果的だと星校長はいいます。作業の前に2〜3個の英単語を覚え、作業をしながら思い出し、次の作業に移るときにまた新しい単語を覚える。このサイクルが"正しい脳への負荷のかけ方"だということです。

 こうした方法を活用することで、記憶の定着は「がむしゃら学習と比べて、2倍になる」と星校長はいいます。

子どもの学習との向き合い方 親のNG行為は?

夏休みの最適な学習時間は?

 夏休みに入る子どもたちに向けて、最適な学習時間帯についても星校長に聞きました。星校長は「起床後すぐに勉強を始めるよりも、朝食を食べ、体を動かしてから、10時〜11時ごろに学習に取り組むのが効果的」といいます。

星校長:朝早い時間は勉強が効果的にできる時間ではないと、これまでの研究で分かった。カリフォルニアなどでは、学校の時間を遅らすことが行われるなどした。体を動かして脳を活性化させることや、朝ごはんを食べることも大事。

  また、勉強への習慣づくりとして「机に向かって座るだけでもOK」という提案も。特に小さな子どもには、勉強机の前に座ることから始め、親が隣に座って一緒に過ごすだけでも習慣になっていくといいます。

学習の遅れを心配する親へのアドバイス

 子どもの学習の遅れを心配する親へのアドバイスとして、星校長は「どう学ばせるか・どこで学ぶかの前に、どこでつまずいているかを知ることが大切」と強調します。

星校長:これまでの学年のまとめテストをやってみて、どこが弱いのかを見つけておくことが大事。例えば、算数は積み重ねだから全部できてなきゃいけないと思いがちだが、図形の面積が分からなかったら、三角形・四角形の面積から始めるというように、関連するトピックを前の学年に戻ってやることが鉄則になっている。誰かが冷静にどこが弱いのかを見てあげることが非常に重要。

親のNG行動

  一方、親がやりがちなNG行為として、次の2つが挙げられました。

〇マルつけを親がする
 親が必要以上に褒めることで、子どもが勉強そのものではなく"褒められること"を目的にしてしまう危険性があります。また、小学校中学年くらいからは自分でマルつけをすることで、「ここが間違えていた」という学びの機会につながるとしています。

〇「うちは文系だから」など、普段から勉強が苦手と子どもに言う
  算数が嫌いな親や先生に教えられた子たちは、算数の成績が悪くなったり、算数が嫌いになるという研究結果があるということです。

夏休みだからできる学習法

 最後に星校長が強調したのは、夏休みを単なる学習強化期間にするのではなく、"やる気の源"を育む時間にすることでした。「テレビや動画ではなく、実物を見に行く」「一人で勉強するのではなく、仲間と勉強する」といったことを挙げます。

星校長:研究によると、目的を持って動いている10代〜20代の若者は全体の約4分の1。そのやる気の背景には、「つながり」と「体験」があると分析されている。これができるのが長期休み。

「がむしゃら学習」から「リトリーバル」「ブレインダンプ」「スキマ学習」へ。勉強をしんどいものと感じる前に、脳の仕組みに合った学び方を取り入れてみてはいかがでしょうか。

(「newsおかえり」2026年7月17日放送分より)

最終更新:07/23 19:00

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