関西ニュースKANSAI
熊本で再び最大震度7 10年前の地震の“割れ残り”が動いたか 震源地にはランク「S」の活断層も【専門家解説】
07/30 12:05 配信
なぜまた熊本で震度7 専門家解説
28日、熊本県で最大震度7を記録する強い地震が発生しました。
震度7が観測されたのは阪神・淡路大震災以降8回目、熊本県では10年で3回目です。
なぜ再び震度7の激震が襲ったのか、神戸大学 都市安全研究センターの吉岡祥一教授に詳しく聞きました。
イオンモール爆発は「ガス漏れ」が原因か? 地震発生から1時間半の“タイムラグ”はなぜ? ショッピングモール特有の構造など 消防・防災・危機管理の専門家が徹底解説
最大震度7「令和8年 熊本地震」 津波注意報発令も観測されなかった理由は
気象庁は「令和8年 熊本地震」と命名
28日午後4時27分、最大震度7を観測する地震がありました。 マグニチュードは7.1、 震源の深さは約16キロ、北陸から九州にかけて広い揺れを観測しました。
吉岡教授によると、九州の断層は“南北にひっぱられている地形”が特徴です。ひっぱられた結果、断層がすべり大きな揺れにつながったということです。
また、今回の地震は「日奈久(ひなぐ)断層帯」に沿って、長さ約40キロにわたって“右横ずれ”という動きが特徴だということです。
津波注意報も発令されましたが、観測されなかった理由について、吉岡教授は「今回は水平にずれたため海水があまり持ち上がらなかったのだろう」と分析します。
縦にずれると海水が上下に持ち上がり津波が生じますが、今回は横ずれだったため、大きな津波には至らなかったと考えられるということです。
10年前の“割れ残り”が動いたか 新たに生じた可能性も
熊本で最大震度7の地震が再び
震度7が観測されたのは阪神・淡路大震災以降8回目、熊本県では10年で3回目です。2016年の地震では、4月14日と16日の2回、震度7が記録され、死者は275人にのぼりました。
なぜ熊本で繰り返し地震が起こるのでしょうか。
熊本には「布田川(ふたがわ)断層帯」と「日奈久断層帯」という活断層があり、この2つが重なるような場所で2016年に2回地震がありました。今回の震源は、その時よりも南側に位置しています。
神戸大学 都市安全研究センター・吉岡祥一教授
吉岡教授によると「2016年の地震での“割れ残った”断層が動いたのかもしれない。今回の地震で“新たな割れ残り”が発生している可能性もある」といいます。
吉岡教授
「2016年の地震では、日奈久断層帯の北の方まですべりました。今回の余震分布を見ると、北の方まですべっているので、前回すべらなかった部分まで破壊が達したという可能性があります」
ーーQ.“新たな割れ残り”はどの辺りにあると考えられる?
吉岡教授
「今後の解析を待つ必要がありますが、地震計を解析することによって今回どこが大きく滑ったかなどがわかるので、あまり滑ってないところが今後危ない可能性があります」
今回の震源地にはランク「S」の活断層
震源地にはランク「S」の活断層が
今回の震源地は、政府の地震調査委員会によって活断層のランク「S」に位置づけられていた場所です。
ランク「S」は、30年以内にマグニチュード7程度の地震が起こる確率が3%以上の場所を指し、危険度が最も高いとされます。
全国にはこのSランクが36カ所あり、近畿では「上町断層帯」「琵琶湖西岸断層帯(北部)」「奈良盆地東縁断層帯」などが該当します。
吉岡教授によると「今回の震源地より南のエリアは地震の発生確率がさらに高い」ということです。日奈久断層帯は複数の区間に分けられていて、今回の震源付近の「日奈久セグメント」は30年以内の発生確率が0〜6%とされているのに対し、南にある「八代海セグメント」は0〜16%とされています。吉岡教授によると、0%の可能性もありますが「最大値としては非常に高い」ということです。
懸念される「災害関連死」 前回は死者全体の約8割
懸念される「災害関連死」 季節的なリスクも…
10年前の熊本地震で亡くなった人は275人。そのうち「災害関連死」が225人、約8割を占めています。
災害関連死とは、地震そのものではなく、避難生活の中で命を落とすことを指します。具体的には以下のようなものが挙げられます。
・ 避難生活での肉体的・精神的な負担
・ 初期治療の遅れや持病の悪化
・ 車中泊によるエコノミークラス症候群
2017年の内閣府の調査では、避難先として経験した場所(複数回答可)として、最も多かったのが「車中泊」で74.5%、「避難所」の45.3%を大きく上回りました。
吉岡教授は今回の季節的なリスクを強調します。
吉岡教授
「前回は春先でそこまで気温が高くありませんでしたが、今は真夏で本当に暑くなっています。来月(8月)はさらに暑くなることが予想され、車中泊をされる方は十分な注意が必要です」
また、前回は『前震』と呼ばれた4月14日の地震の約28時間後に再び震度7の地震が襲いました。当面の警戒期間について、吉岡教授は「数日間から1週間程度」としつつも「それが過ぎれば完全に安心というわけではないので、用心するに越したことはない」と注意を促します。
(「newsおかえり」2026年7月29日放送分より)
最終更新:07/30 12:05


